イングヴェイ・マルムスティーンが来日公演で使用した、ペダルボード イングヴェイ・マルムスティーンが来日公演で使用した、ペダルボード

イングヴェイ・マルムスティーンが来日公演で使用した、ペダルボード

イングヴェイ・マルムスティーンのデビュー40周年を記念した来日公演が、2024年5月11日(土)にZepp DiverCity Tokyoで行なわれた。そのステージでイングヴェイが使用したエフェクターを紹介しよう。

取材・文=原田右恭 機材撮影=星野俊 通訳=トミー・モリー

Yngwie Malmsteen’s Pedalboard

ペダルボード

BOSSとMXRが軸のペダルボード

【Pedal List】
①Jim Dunlop / GCB-95 Cry Baby(ワウ)
②BOSS / ES-8(プログラマブル・スイッチャー)
③MXR / Yngwie Malmstein OverDrive(オーバードライブ)
④BOSS / NS-2(ノイズ・サプレッサー)
⑤BOSS / DD-3(ディレイ)
⑥BOSS / CE-2W(コーラス)
⑦MXR / Dyna Comp(コンプレッサー)
⑧DigTech / Whammy 5(ピッチ・シフター)
⑨BOSS / RE-20(ディレイ)
⑩Jeorge Tripps Custom / Fuzz Face NKT275(ファズ)

2024年5月に行なわれた、来日公演の足下がこちら。

ギターからの信号は、ボード横に置かれたLine 6のRelay G90(ワイヤレス)を経過して、①のワウ(GCB95)に入り、そこから②のスイッチャー(ES-8)へと続く。各ペダルはスイッチャーの各ループに接続されており、スイッチャーのアウトから2台のマーシャル・アンプに出力される。

②ES-8の各スイッチにプリセットされているペダルとアンプは下記と推察される。

・1=③Yngwie Malmstein OverDrive + ④NS-2
・2=③Yngwie Malmstein OverDrive + ④NS-2 + ⑤DD-3
・3=⑤DD-3
・4=⑥CE-2W
・5=⑦Dyna Comp
・6=⑦Dyna Comp + ⑤DD-3
・7=⑧Whammy 5
・8=⑨RE-20

③Yngwie Malmstein OverDriveはMXRと現在開発中のコラボ・モデルで、写真はそのプロトタイプだ。サウンド傾向としては、これまで愛用してきたDODのYJM308やフェンダーのYJM ODといったシグネチャー・オーバードライブよりもクリーンでクリアなサウンドとのこと。しかし、記事公開時点ではリリース予定の情報がないため、続報を待ちたい。

④NS-2はおもに③Yngwie Malmstein OverDriveのノイズ・リダクションのために使用。⑤DD-3はショート・ディレイにセッティングされていて、ダブリング効果を狙っているとのこと。本機はステレオで出力されていた。⑥CE-2WはRATEツマミを1時付近、DEPTHツマミをMAXに設定。しかし、東京公演ではあまり出番がなかったようだ。⑦Dyna Compはおもにバッキングで使用。OUTPUTツマミを3時付近、SENSITIVITYをMAXにし、本モデル特有のコンプレッション感を最大限に活かしていた。

⑧Whammy 5は1オクターブUPのモードを選択。常に踏みっぱなしの状態で使用されていた。⑨RE-20は「Brothers」など、曲のエンディングでの発振用だ。そのためか、REPEAT RATEのツマミだけが回しやすいように、フェンダーのトーン・ノブに変更されていた。今回、⑩Fuzz Face NKT275は置かれていただけで未接続。

Other Systems

Line 6
Relay G90

ワイヤレス・システム

ワイヤレス・システムは、ペダルボードの隣に置かれていた。ラック上にセットされているLine 6のRelay G90がメインで、ラック内にはバックアップとしてShureのATX400(ワイヤレス)が用意されていた。


Moog
MINITAUR

Moog / MINITAUR

ギター・ソロ・タイムを中心に使用されたMINITAUR(ベース・シンセサイザー)と、そのフット・ペダル。こちらもボード横に鎮座。イングヴェイはソロ・タイムではバッキングなしで長尺のギターソロを弾くので、ルート音を明確に鳴らすために足でペダルを操作してベース音を出していた。

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