【サブスク会員限定】コリー・ウォンが初の単独来日公演で使用した、シグネチャー・モデルのストラトキャスター 【サブスク会員限定】コリー・ウォンが初の単独来日公演で使用した、シグネチャー・モデルのストラトキャスター

【サブスク会員限定】コリー・ウォンが初の単独来日公演で使用した、シグネチャー・モデルのストラトキャスター

2024年の6月に行なわれたコリー・ウォンの初単独来日公演で、本人が使用したシグネチャー・ストラトキャスターをご紹介しよう。

取材・文=田中雄大 機材撮影=西槇太一 ※本記事はギター・マガジン2024年8月号の内容を転載したものです。

Cory Wong’s Guitar

Fender
Cory Wong Stratocaster

Fender / Cory Wong Stratocaster(前面)
Fender / Cory Wong Stratocaster(背面)

2021年に登場したシグネチャー・ストラトキャスター

今回の来日公演でコリーが持参したギターは、このシグネチャー・ストラトキャスター1本のみ。撮影日の恵比寿The Garden Hall公演(6月5日)、そして翌日の豊洲PIT公演ではバックアップ用ギターとしてレンタル品の黒いストラトキャスターがステージに置かれていたが、両日共にそちらの出番はなかった。6月3日の大阪公演では演奏中に弦が切れてしまい、レンタル品のサンバーストのSTタイプに持ち替える場面もあったようだ。

改めてシグネチャー・ストラトを詳しく見ていこう。コリーはもともと長年にわたってフェンダーのHighway Oneシリーズの青いストラトキャスターを愛用しており、そのギターのルックスやパーツ類の特徴をある程度踏襲しつつ、コリーならではのこだわりを各所に取り入れたのが本モデルである。

木材はアルダー・ボディにメイプル・ネック、ローズウッド指板と王道の構成。ネック・シェイプはAmerican Ultraシリーズなどにも採用されているモダン“D”で、指板ラジアスは10〜14インチのコンパウンド・ラジアスだ。22フレット仕様である点はHighway Oneと同様である。

ピックアップにはSeymour Duncan製のシグネチャー・モデルである“Cory Wong Clean Machine”セットを搭載。名前のとおり太くキレのあるカッティング・サウンドを生み出すピックアップだが、コリーは完全にクリーン・カッティング一辺倒というわけではなく、ソロなどで歪みを使う場面も多いため、そちらのサウンド・キャラクターも考慮されているという。ちなみにコリーはフロント+センターのハーフ・トーン(4thポジション)のサウンドを気に入っており、シグネチャー・サウンドを形成する重要なポイントとなっている。

ピックアップ・セレクターのノブは演奏中に飛んでしまわないようにテープで補強されている。

ピックアップ・セレクターのノブは演奏中に飛んでしまわないようにテープで補強されている。

大きな特徴になっているのが、コリーのリクエストを受けて通常のストラトキャスターよりも少しだけボディが小さく設計されているということ。コリーによると、元愛器であるHighway Oneのストラトキャスターはほかの個体よりもコンターが深く削られているのか木の質量が少なく、その影響でアタック感が強くなっている印象があるということで、そのアイディアをフェンダーと共に試してみたところ実際にアタックが増したそうだ。また、実はヘッド・ストックのほうもサステインを得るために通常よりやや大きく設計されている。パッと見ではわかりづらいが、ボディもヘッドも専用設計の特別モデルなのである。

コリーはプロトタイプなども含めてこのシグネチャー・モデルを複数本所有しているものと思われるが、写真のギターはおそらく市販品と同様のスペックで、ヘッド裏には“US22062245”というシリアル・ナンバーが記載されている。また、撮影時に編集部で弦高を計測したところ、12フレット上で6弦が約1.8mm、1弦が約1.5mmというセッティングだった。

バック・プレートは取りはずして、スプリングは中央を空けた4本がけというのがコリー流だ。

ギター・マガジン2024年8月号
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