木下哲が礼賛で使用するペダルボードを解説!2台の“Box Of Rock”がキモ 木下哲が礼賛で使用するペダルボードを解説!2台の“Box Of Rock”がキモ

木下哲が礼賛で使用するペダルボードを解説!
2台の“Box Of Rock”がキモ

ギタリスト、木下哲が礼賛のライブで使用する2枚組のペダルボードを徹底解説! バラエティ豊かに可変する歪みの質感や、空間系エフェクトの巧みな使い分けが光る木下のギター・サウンド。そのこだわりを詰め込んだ足下を見ていこう。

取材・文=伊藤雅景 機材撮影=大谷鼓太郎

木下哲のペダルボード

計32台が配置された2枚組ペダルボード

写真右側の小さいボードにはフィルター系、左側のボードには歪み系と空間系が配置されている。ギターからの信号は右側→左側の順番で流れている。まずは、シグナルの先頭にあたる右側のボードから解説していこう。

フィルター系ボード(右側)

【Pedal List】
①F-sugar / 3Loop Box(ループ・ボックス)
②Fulltone / Supa Trem(トレモロ)
③Eventide / PitchFactor(ピッチ・シフター)
④BOSS / FS-5U(フット・スイッチ)
⑤RMC / RMC11(ワウ)

まず、ギターから①3Loop Boxにインプットし、①の3つの各ループには②Supa Trem、③PitchFactor、⑤RMC11がそれぞれ接続されている。④FS-5Uは③PitchFactorにつながれており、④で③のプリセットを切り替える。

③PitchFactorには、深いリバーブやオクターバー、コーラスなどの飛び道具系を20個ほどプリセット。場面によって使い分けており、ライブでは「オーバーキル」のギター・リフなどでオクターバーを使用。

メイン・ボード(左側)

【Pedal List】
⑥Klon / Centaur Silver No Picture ver.(オーバードライブ)
⑦Z.Vex / Box Of Rock(オーバードライブ)
⑧Xotic / AC Booster(ブースター)
⑨strymon / DECO V1(テープ・サチュレーション)
⑩JHS Pedals / The AT(ディストーション)
⑪Home Brew Electronics / UFO Ultimate Fuzz Octave(オクターブ・ファズ)
⑫F-sugar / 1Loop Box(ループ・ボックス)
⑬MASF Pedals / RAPTIO(グリッチ・ペダル)
⑭BOSS / FZ-1W(ファズ)
⑮F-sugar / 4Loop Box(ループ・ボックス)
⑯Empress Effects / ZOIA(モジュラー・ペダル)
⑰Z.Vex / Box Of Rock(オーバードライブ)
⑱strymon / Mobius(マルチ・モジュレーション)
⑲strymon / TIMELINE(ディレイ)
⑳ハンドメイド・ペダル(フット・スイッチ)
㉑Shin’s Music / Perfect Volume(ボリューム・ペダル)
㉒Peterson / StroboStomp HD(チューナー)
㉓BOSS / DM-2(ディレイ)
㉔strymon / El Capistan V1(ディレイ)
㉕strymon / blueSky V1(リバーブ)
㉖strymon / Zuma(パワーサプライ)
㉗Voodoo Lab / Pedal Power 2 Plus(パワーサプライ)

前述のボードの最後段に置かれた⑤RMC11から信号を受け取るメイン・ボード。接続順は下記のとおりだ。

  • ⑥→⑦→⑧→⑨→⑩→⑪→⑫(ループ内に⑬→⑭)→⑮(ループ内に⑯→⑰→⑱→⑲&⑳)→㉑(チューナー・アウトに㉒)→㉓→㉔→㉕

基本のサウンドは、アンプ(68年製Marshall 1987T)に⑥Centaurを組み合わせた“クリーンとクランチの間”の音色になる。そこに各種ペダルを組み合わせていくのが木下のスタイルだ。

歪みペダルの使い分けは、ジャリッとした質感の歪みが⑦Box Of Rock、 ミドル寄りのオーバードライブは⑧AC booster、ディストーションは⑩The AT、シューゲイザー的なファズ・サウンドは⑪UFO Ultimate Fuzz Octave、ミドルが立ったファズは⑭FZ-1W……という組み合わせが基本になる。

音量をプッシュするペダルは⑨DECO V1。曲のテーマ・リフなどで左側のTAPE SATURATIONチャンネルを使用し、“ギター・ソロまでいかないボリューム”までブーストしているそうだ。なお、右側のDOUBLE TRACKERチャンネルはスラップバック・ディレイとして使用。

また、ギター・ソロでは⑮4Loop Boxのループに接続されている⑰Box Of RockのBOOSTチャンネルを使用。右側のDRIVEチャンネルは、前段までのペダルに対してかけるリミッターとして活用している。静かなセクションなどで“歪ませたいけど、音は飛び出したくない時”に、⑰のDRIVEチャンネルをオンにする。⑦Box Of RockのBOOSTチャンネルは、ギターの音色に“硬さ”を足したい時に踏む。

空間系のエフェクトは7台のペダル(⑬RAPTIO、⑯ZOIA、⑱Mobius、⑲TIMELINE、㉓DM-2、㉔El Capistan V1、㉕blueSky V1)が担っており、⑬RAPTIOは気分で踏むグリッチ・ペダル、⑯ZOIAではロー・ファイ系の音色などをプリセットしている。

⑱Mobiusは、ROTARY、AUTOSWELL、VOICE、DESTROYER、FILTERのモードを頻繁に使用。礼賛では「TRUMAN」でVOICEモードが、「むちっ」、「NO SWEAT」ではROTARYモードが活躍しているそうだ。⑲TIMELINEはdTAPE モードを使うことが多く、 REVERSE、ICE、PATTERNも楽曲に合わせて使用している。

パワーサプライは2台採用しており、空間系に㉖Zuma、歪み系に㉗Pedal Power 2 Plusの電源を使用している。木下曰く、“単純にこのエフェクターの数だと電源の系統が足りないっていう理由もあるんですが、色々試した中でも㉗Pedal Powerが歪み系に一番しっくりきたんです。デジタルに㉖Zumaを選んだのは電流の許容量が大きいのに加えて、海外でも対応できて便利だからです”とのこと。

なお、パッチ・ケーブルはYOUSAY SOUNDSが製作したBelden 8412で統一。電源ケーブルはF-sugar、nude cable、オーディオFSK、Analysis Plusの4メーカーを使い分けているとのこと。

LIVE INFORMATION

礼賛 ONEMAN TOUR 2024 「ダイヤモンドゴリラダイバー」

日程/会場

  • 2024年10月3日(木)/愛知県 DIAMOND HALL
  • 2024年10月4日(金)/大阪府 GORILLA HALL OSAKA
  • 2024年10月10日(木)/東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)

※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や詳細は礼賛公式HPをチェック!

礼賛公式HP
https://ooooooooooxxxxxxxxxx.wixsite.com/raisan

作品データ

「曖昧なBEACH」礼賛

「曖昧なBEACH」
礼賛

配信
2024年7月31日リリース

―Track List―

  1. 曖昧なBEACH

―Guitarists―

川谷絵音、木下哲