2024年にリリースされたフェンダーのAmerican Ultra IIシリーズは、フェンダーの象徴的なスタイリングと先進的な仕様を融合させたギター&ベースとして注目を集めている。同シリーズの魅力をZAZEN BOYSが深堀りするライブ・イベント、“FenderNews Public Recording with ZAZEN BOYS at Fender Flagship Tokyo”が2025年2月27日(木)にFender Flagship Tokyoで開催された。本イベントのレポートをお届けしよう。
文=尾藤雅哉(BITTERS) ライブ撮影=小原啓樹
吉兼聡が人生で初めて
ハムバッカー・ストラトキャスターを演奏!

ブランドの世界初の旗艦店として、連日多くのギター・ファンで賑わっているFender Flagship Tokyo。去る2月27日(木)、同ショップにて向井秀徳(vo,g)率いるZAZEN BOYSが、フェンダーの最新モデルであるAmerican Ultra Ⅱシリーズを使ったライブ・イベント、“FenderNews Public Recording with ZAZEN BOYS at Fender Flagship Tokyo”を行なった。
これはフェンダー発のオンライン情報メディア“FenderNews”の人気企画である“SESSIONS in TOKYO”の公開収録を兼ねており、応募によって選ばれた幸運な約100名のファンを前に白熱のパフォーマンスを披露した。

開始時間になりメンバーが登場。ピンと張り詰めた緊張感が漂う中、向井がAmerican Ultra Ⅱテレキャスターの6弦をドロップ・チューニングにすると、ライブは「Fureai」からスタート。
向井の右手が刻む切れ味鋭いリフと、空間系エフェクトを駆使したカシオマン=吉兼聡(g)の浮遊感のあるフレーズがアンサンブルに華を添え、American Ultra Ⅱのメテオラ・ベースを抱えたMIYA(b)と松下敦(d)という鉄壁のリズム体と共にタイトなグルーヴを作り上げていく。至近距離でバンドの演奏を体感できることもあり、彼らの一挙手一投足を見逃すまいと息を呑んで見入る観客の姿が印象的だった。

続いて、向井の“カシオマンが生まれて初めてハムバッカー・ピックアップを利用してソロをぶちかますので、そこをよく見ておくように”というMCから始まったのは「Weekend」。淡々とくり返される中毒性の高いダンス・ビートに対して、吉兼はリア・ハムバッカーを備えるAmerican Ultra ⅡストラトキャスターHSSにピッチ・シフターやディレイを重ねたサウンドでフリーキーなフレーズを畳みかけていく。そして楽曲後半のギター・ソロでは、ハムバッカー特有の分厚い歪みがプラスされた迫力のサウンドで熱のこもったフレーズをくり出し、会場からは大きな歓声が上がっていた。
その後は、向井がメロディアスなソロを弾く「チャイコフスキーでよろしく」、ストラトキャスターのトレモロ・アームを使ったフレーズが登場する「ブッカツ帰りのハイスクールボーイ」、シンプルな2コードのリフレインによってドラマティックな風景を描き出す「永遠少女」を披露。明瞭に鳴り響くテンション・コードの音や、様々なエフェクトを使用した時のサウンドのノリなど、演奏を通してUltra Ⅱシリーズの魅力を十二分に引き出した珠玉のパフォーマンスだったと言えるだろう。
ストラトキャスターのピックアップ・パターンを
ZAZEN BOYSの楽曲をモチーフに細かく紹介

今回のイベントは、各メンバーがUltra Ⅱシリーズの魅力を語るMCも見どころの1つ。向井は使用したテレキャスターについて、“ギターの性能が良いのか、私の日頃の行ないが良いのか、チューニングは狂わんね”、“少年ギター・マガジンの広告でUltra Ⅱを見てかっこいいと思った”、“搭載されているUltra Ⅱ Noiselessピックアップが好きで、低音から高音までサウンドがまとまる”、“私は新品のギターが好きなので、とても弾きやすい”、“ボディがエグり仕様(コンター加工)になっていて、弾いている時にボディの角が肋骨に刺さらないからありがたい”、などと独自の表現で魅力を語った。

また吉兼はストラトキャスターの使用感について、“初めてハムバッカー・ピックアップを使ったんですが、パワーのある音がキレイに出てくれて最高でした”、“チョーキングをしても音が詰まらないので弾きやすい”、“アームの着脱がしやすいので演奏時のストレスがない”、“(ロック・ペグなので)弦を張り替えやすい”と、Ultra Ⅱの使用感に確かな手応えを感じている様子だった。またイベントの後半には、「DANBIRA」のリフをモチーフに吉兼がストラトキャスターのS-1スイッチも含めた7つのピックアップ・パターンのバリエーションを実演するなど、ギターの特徴を深く掘り下げながら魅力を知ることができたのは、ギター&ベースに特化した本イベントならでの一幕だったと言えるだろう。
終盤に行なわれた公開インタビューでは、“バンドを始めようと思っている方にアドバイスを”という質問に対し、“ライブは生き様”、“バンドというのは人間同士が打ち鳴らし合う結晶体。楽しんでやるべきなんだけど、やればやるほどマジになりますから、気をつけろと言いたい。ましてやフェンダーのギターを使って鳴らそうものなら空間が歪んでくる。だからフェンダー・ギターに気をつけろ!”といった向井節も飛び出し、会場を大いに沸かせた。そしてラストに「乱土」と「胸焼けうどんの作り方」を圧巻のパフォーマンスで畳みかけ、イベントの幕を閉じたのだった。
長年にわたってテレキャスターとストラトキャスターによって形成されたZAZEN BOYSのバンド・アンサンブルが、フェンダーの最新モデルである“American Ultra Ⅱシリーズ”によってアップデートされた瞬間を目撃することができた貴重なイベントとなった。

なお、このイベントの模様はフェンダーのオフィシャルYouTubeチャンネルで公開、さらにギター・マガジン2025年5月号(4月発売)では向井と吉兼のインタビューを掲載予定なので、どちらもぜひチェックしてほしい。
FenderNews Public Recording with ZAZEN BOYS at Fender Flagship Tokyo
2025年2月27日(木)
【Setlist】
01. Fureai
02. Weekend
03. チャイコフスキーでよろしく
04. 杉並の少年
05. ブッカツ帰りのハイスクールボーイ
06. 永遠少女
〈公開インタビュー〉
07. 乱土
08. 胸焼けうどんの作り方