【会員限定】アイドルズのリー・キアナンが2025年1月の来日公演で使用した、7本のギター&ベース 【会員限定】アイドルズのリー・キアナンが2025年1月の来日公演で使用した、7本のギター&ベース

【会員限定】アイドルズのリー・キアナンが2025年1月の来日公演で使用した、7本のギター&ベース

現代のイギリスを代表するロック・バンドに成長をとげたアイドルズが、2025年1月に約6年半ぶりとなる単独来日ツアーを開催した。1月27日(月)のZepp DiverCity公演にて、マーク・ボーウェンとリー・キアナンの機材撮影に成功。本記事では、リーが来日公演で使用した7本のギターとベースご紹介。

取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モリー 機材撮影=星野俊

Lee Kiernan’s Guitars

2020 Fender
70th Anniversary Esquire

2020 Fender / 70th Anniversary Esquire(表)
2020 Fender / 70th Anniversary Esquire(裏)

『TANGK』で大活躍した70周年記念エスクワイア

この日、最も使用頻度が高かったのは、フェンダーから提供してもらったという70周年記念モデルのエスクワイア。『TANGK』(2024年)のレコーディングでもメインで活躍したものだ。改造点はなし。ボディはローステッド・パインを採用し、ティム・ショーが独自に開発したピックアップが搭載されている。

エスクワイアはピックアップが1発というシンプルな仕様のため、トレブルのもとをあらかじめ回避するという意味で部品が少ないものを使用しているとのこと。

弦はErnie BallのNot Even Slinky(.012〜.056)を愛用。基本的にレギュラー・チューニングながらも太い弦を張っているのが特徴だ。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「Mother」
  • 「I’m Scum」
  • 「1049 Gotho」
  • 「Jungle」
  • 「Divided and Conquer」
  • 「Television」
  • 「Crawl!」
  • 「Never Fight A Man With A Perm」
  • 「Dancer」

2020 Fender
American Professional Ⅱ Telecaster

2020 Fender / American Professional Ⅱ Telecaster(表)
2020 Fender / American Professional Ⅱ Telecaster(裏)

『CRAWLER』の楽曲を支えるテレキャスター

『CRAWLER』(2021年)の楽曲で頻繁に使用された、American Professional Ⅱシリーズのテレキャスター。フェンダーから提供してもらったもので改造点はなし。本器のみトーン・ノブを操作するため、トーン・ノブの下にゴム製のギター・ストラップ・ピンを挟み、ノブがゆるくならないようにしているという。

ちなみにストラップをガムテープで止めているのはストラップ・ピンが壊れているからではなく、激しいパフォーマンスでもトラブルが起きないようにする、“備えあれば憂いなし”の精神からきているため。ギター・テックは“ネットで「手抜きだ!きちんとネジを締めろ!」という書き込みを見るたびに心が痛む”と話してくれたので、誰かを傷つけるネガティブなことは絶対にSNSに書き込まないようにしよう。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「Mr. Motivator」
  • 「Car Crash」
  • 「The Wheel」(Drop D Tuning)
  • 「When The Lights Come On」(Drop D Tuning)
  • 「The Beachland Ballroom」

1970’s Fender
Telecaster Deluxe

1970's Fender / Telecaster Deluxe(表)
1970's Fender / Telecaster Deluxe(裏)

ほぼオリジナルの状態を保ったビンテージ・ギター

「POP POP POP」の後半で使用した70年代のテレキャスター・デラックス。この日のライブでは演奏されなかったが、ほかには「A Gospel」と「Grace」でも使用することがあるという。特に大きな改造点はないが、ネック・プレートが交換されており、シリアル・ナンバーが判別できなかった。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「POP POP POP」

Fender
Esquire with Baritone Neck

Fender / Esquire with Baritone Neck(表)
Fender / Esquire with Baritone Neck(裏)

バリトン・スケール・ネックをエスクワイアに搭載

「Roy」でバリトン・ギターが必要になり、もともと所有していたエスクワイアにフェンダーのメキシコ製バリトン・ネックを搭載したもの。チューニングはB-E-A-D-F♯-BもしくはA♯-D♯-G♯-C♯-F-A♯にセッティング。今後はピックアップをCreamery Custom Handwound Pickupsのものに交換する予定とのこと。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「Roy」

2017 Fender
Mustang

2017 Fender / Mustang(表)
2017 Fender / Mustang(裏)

リーが最も愛する傷だらけのムスタング

ハードテイル・ブリッジが搭載された、2017年のメキシコ製ムスタング。リーのお気に入りの1本とのこと。

フロント・ピックアップをはずし、リア・ピックアップをCreamery Custom Handwound Pickupsのものに載せ替えている。さらにピックアップ・セレクターとトーン・ノブを取り除き、1ボリュームというシンプルな仕様に変更。それに合わせてピックガードも交換済み。フレットはジャンボ・サイズに打ち替えられている。

一度ヘッドが割れてしまったため、ダボを打って修復。あまりにもボロボロのため、2024年の1年間だけで6回もリペアに出したそう。ボディ裏のステッカーは、なんとライブ中に観客の上をクラウド・サーフした際、下にいた観客に貼られたものだという。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「Colossus」
  • 「Gratitude」
  • 「Benzocaine」
  • 「Rottweiler」

2022 Jackson
American Series Soloist SL3

2022 Jackson / American Series Soloist SL3(表)
2022 Jackson / American Series Soloist SL3(裏)

ダイブ・ボムとタッピングに最適なSoloist

アームでダイブ・ボムを駆使する「Gift House」と「Danny Nedelko」で使用された、Soloist SL3。2曲のレコーディングでも本器を弾いているとのこと。リーは“ずっと欲しかった。今まで触ってきた中で最も弾きやすいギターの1つ”とコメント。

ボディはアルダー、ネックは3Pのメイプル、指板はエボニーという材構成。ピックアップはSeymour DuncanのCustom Flat Strat SSL-6 RWRP(フロント&センター)とJB TB-4(リア)が搭載されている。

本器の弦のみ、“激しいフィンガリングで弾きまくるから”という理由で、Not Even Slinkyよりも細いErnie BallのSkinny Top Heavy Bottom(.010〜.052)を張っている。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「Gift House」
  • 「Danny Nedelko」

Hofner
HCT-500/7 Contemporary Verythin Bass

Hofner / HCT-500/7 Contemporary Verythin Bass(表)
Hofner / HCT-500/7 Contemporary Verythin Bass(裏)

「POP POP POP」ではベースをプレイ

「POP POP POP」の前半で使用された、30インチのショート・スケール・ベース。スプルースのセンター・ブロックが採用されている。ピックアップはHofnerのオリジナルを2基搭載。リア・ピックアップとブリッジの間にスポンジが詰められていた。チューニングはCスタンダード(C-F-A♯-D♯)。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「POP POP POP」

Pick

Jim Dunlop
Tortex Standard 1.14mm

Jim Dunlop / Tortex Standard 1.14mm

太い弦を張っているため、ピックはJim DunlopのTortex Standard 1.14mmという厚めのものを使用。マーク・ボーウェンも同じピックを愛用している。

2025年1月27日(月)Zepp DiverCity

【Setlist】
01. IDEA 01
02. Colossus
03. Gift House
04. Mr. Motivator
05. Mother
06. Car Crash
07. I’m Scum
08. Roy
09. 1049 Gotho
10. Jungle
11. The Wheel
12. When The Lights Come On
13. Divided and Conquer
14. Gratitude
15. Benzocaine
16. POP POP POP
17. Television
18. Crawl!
19. The Beachland Ballroom
20. Never Fight A Man With A Perm
21. Dancer
22. Danny Nedelko
23. All I Want For Christmas Is You
24. Rottweiler