スティーヴィー・サラスとB’zの稲葉浩志による、INABA/SALAS。2025年3月に行なわれた全国ツアー、『INABA/SALAS TOUR 2025 -Never Goodbye Only Hello』でスティーヴィー・サラスが使用したギターをご紹介!
文=鈴木伸明 撮影=小原啓樹
INABA/SALASのパワフルなリフを輝かせるFramusのギター
INABA/SALASのツアーでスティーヴィー・サラスがメインで使用したギターは、ドイツ製のFramusのシグネチャー・モデル、Idolmaker。Framusは、ハイエンド・ベースとして有名なWarwickの中に立ち上げられたギター・ブランドで、今回のツアーではピックアップやフィニッシュ違いで4種類のIdolmakerがステージに用意されていた。
また、残念ながら撮影はできなかったが、ほかにもスイスのブランドであるS71のギターを使用。こちらはレフティのSTタイプ・ボディにフロイド・ローズを搭載したオリジナル・モデルで、「Boku No Yume Wa」、「ERROR MESSAGE」、「IRODORI」などでシャープなトーンを響かせていた。
以下、Framusのギターを1本ずつご紹介しよう。
Framus
Idolmaker
今回のツアーでメイン・ギターの1つとして使われた、オール・ホワイトのIdolmaker。指板までホワイトにフィニッシュされた本器は、メイプル・トップ、マホガニー・バックのボディ、ギブソン・スケールのメイプル・ネックという仕様。
ピックアップは、フロントがOBLのL-250で、リアは本人曰く“Seymour DuncanのJB、もしくはCustom Customのどちらかだと思う”とのこと。
コントロールは3wayのピックアップ・セレクターと2ボリュームとなっている。ポジション・マークは、12フレットは羽、そのほかはヘッドフォンをしたインディアンのイメージ・イラストが採用されている。
「Burning Love」、「U」、「DRIFT」を始め、多くのナンバーで使用された。

Framus
Idolmaker
こちらはオール・クロームで仕上げられたIdolmaker。金属製に見えるが、フィニッシュによる加工であり、ボディはメイプル・トップ/マホガニー・バック、ネックはメイプル、指板はエボニーという仕様だ。
ピックアップは、フロントがSeymour DuncanのPhat Cat、リアが同Custom Custom。
セレクターは5wayでコイル・タップが可能となっている。コントロールは2ボリュームで、トーンは未搭載。
ボディ上側のスイッチはオン/オフ・スイッチで、オフにするとミュートされる。ボリューム・ノブの横にあるミニ・スイッチは、オンにするとポジション・マークに仕込まれたLEDが青く光る仕組みとなっている。
本器はアンコールの「AISHI-AISARE」で登場した。

Framus
Idolmaker
杢が浮き上がったパープルのメイプル・トップが目を引くIdolmaker。ゴールド・パーツがゴージャスな雰囲気を醸し出している。このギターもほかと同じく、マホガニー・バック、メイプル・ネック、エボニー指板となっている。ポジション・マークは、羽のイメージのみを採用。
ピックアップは、フロントがSeymour DuncanのPhat Cat、リアが同JB。
セレクターは5way。コントロールは2ボリューム仕様で、コイル・タップが可能。ボディ左上のスイッチはオン/オフとなっており、ライブではスイッチング奏法を披露していた。
ライブでは、「Mujo Parade 〜無情のパレード〜」、「SAYONARA RIVER」などで登場。

Framus
Idolmaker
こちらは鮮やかなブルーが目を引くIdolmaker。ボディとネック材はパープルと同じだが、金属パーツはゴールドではなくクロームが採用されている。
3ピックアップ仕様となっているのが特徴で、フロントはBill LawrenceのL-250、ミドルはSeymour Duncanのシングルコイル(モデル名不明)、リアは同JBもしくはCustom Customとのこと。
5wayピックアップ・セレクター、2ボリューム、オン/オフ・スイッチというレイアウト。
Framus
Panthera Ⅱ
ライブでは登場しなかったが、フレイマスのPanthera Ⅱもステージに用意されていた。Idolmakerとは異なるデザインだが、ボディ中央部に厚みを持たせているところが共通している。また、フロイド・ローズが搭載されているのもポイントだ。ボディはメイプル・トップ/マホガニー・バック。
ピックアップはSeymour Duncan製が2発搭載され、コントロールは2ボリューム、1トーン、ピックアップ・セレクターという構成になっている。
Taylor
Custom Model
アコースティック・ギターは、このツアーのために用意された2本のTaylorのカスタム・モデル。Grand Pacificと呼ばれるラウンド・ショルダー・ボディの717をベースにしており、ボディ・トップはスプルース、サイドとバックはローズウッド、ネックはマホガニー、指板はエボニーというスペックだ。ピックアップはL.R.BaggsのElement VTCを搭載。
スティーヴィー仕様として、ボディ・トップはフェイテッド・レッド・フィニッシュで仕上げられ、ローズウッド製のピックガードにネイティブ・アメリカンの姿絵が入っているのがポイント。
「ONLY HELLO part1」、「マイミライ」で登場。アンコールの「ONLY HELLO part2」ではスタンドにセットして、曲頭のアルペジオをプレイした。

作品データ

『ATOMIC CHIHUAHUA』
INABA/SALAS
VERMILLION RECORDS
BMCV-8074
2025年2月26日リリース
―Track List―
- YOUNG STAR
- EVERYWHERE
- Burning Love
- DRIFT
- LIGHTNING
- ONLY HELLO part1
- ONLY HELLO part2
―Guitarist―
スティーヴィー・サラス