近年のキース・リチャーズを象徴するギブソンES-355について|連載 ローリング・ストーンズにまつわるギターのハナシ。 近年のキース・リチャーズを象徴するギブソンES-355について|連載 ローリング・ストーンズにまつわるギターのハナシ。

近年のキース・リチャーズを象徴するギブソンES-355について|連載 ローリング・ストーンズにまつわるギターのハナシ。

ミック・ジャガーとキース・リチャーズの2人が80歳を超えた今もなお、しっかりと自分たちの足でステージに立ち続けるロック界のリビング・レジェンド、ザ・ローリング・ストーンズ。今回は近年のキース・リチャーズを象徴するギブソンES-355について解説していこう。

文=鈴木伸明 Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images

キース・リチャーズのアイドル、チャック・ベリーも愛用したES-355

キース・リチャーズがチャック・ベリーを敬愛しているのは有名な話だ。ローリング・ストーンズのデビュー曲「Come On」(1963年)を始め、「Route 66」、「Carol」など何曲もカバーしているし、チャック・ベリーの60歳記念の特別ライブを収めた1986年の映画『ヘイル!ヘイル!ロックンロール』ではキースがプロデューサーを務めたほど。

そんなキースのアイドル、チャック・ベリーが愛用していたのがギブソンのES-355であった。今回スポットを当てるエボニーとチェリー・レッドのES-355以前にも、1960年代後半から70年代にかけてウォルナット・フィニッシュのES-355を使用していたが、それもチャック・ベリーの影響が大きかったと思われる。

2003年、ローリング・ストーンズのライブにAC/DCのアンガス・ヤングが客演した際、アンガスはキースのES-355(チェリー・レッド)をプレイした。

ES-355について簡単に説明しておくと、ES-335に代表されるギブソンのダブル・カッタウェイ・シンライン・シリーズの最上位モデルが355となる。335と355の中間に345があるのだが、ボディ内にセンター・ブロックが入ったセミ・アコースティック構造であることは共通している。

各モデルを簡単に見分けるには、指板を見るのが一番わかりやすい。335はドットもしくはスモール・ブロック、345はダブル・パラレログラムと呼ばれる2分割されたブロック、355はレス・ポール・カスタムなどと共通のワイド・ブロックが入っている。そのほか、ヘッド、指板材、金属パーツ、バリトーン・スイッチ、テイルピース、バインディングなどにも特徴があるのだが、パッと見分けるには指板に注目するといいだろう。