ギタリストの創造性を刺激する次世代“AIアンプ”、Positive Grid REACTOR × 黒田晃年 ギタリストの創造性を刺激する次世代“AIアンプ”、Positive Grid REACTOR × 黒田晃年

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ギタリストの創造性を刺激する次世代“AIアンプ”、Positive Grid REACTOR × 黒田晃年

Sparkシリーズでギター・アンプの世界に一大センセーションを巻き起こしたPositive Gridから、新たな革新的なアンプ、REACTORが登場した。最大の特徴は独自のAI技術を搭載していること。テキストを入力したり、写真やオーディオを取り込んだりすると、それをイメージした音色をAIが生成。その作業を続けるうちに、AIはユーザーの嗜好を学習し、よりユーザーの好みに合った音色を作り出すようになるという驚異のアンプだ。ここではREACTORの概要と、黒田晃年による試奏インタビューをお届けしよう!

Presented by Positive Grid(https://jp.positivegrid.com/
取材・文=関口真一郎 撮影=八島崇
*本記事はギター・マガジン2026年7月号に掲載された特集を再構成したものです。

Positive Grid REACTOR × 黒田晃年

Positive Grid REACTOR
50W & 100W Intelligent Guitar Combo Amplifiers

Positive Grid / REACTOR 100W(左)、REACTOR 50W(右)
REACTOR 100W(左)、REACTOR 50W(右)

ギタリストの創造性を刺激する
次世代“AIアンプ”がデビュー!

真空管、トランジスタ、デジタル、モデリングといった様々な技術革新や音楽シーンの変化、ユーザーのニーズとともに発達を遂げてきたギター・アンプ。そして今年、ギター・アンプの存在価値を大きく変えるようなイノベイティブな製品が登場した。それがPositive Grid REACTORだ。

本機の大きな特徴は独自のAI技術を搭載している点にある。それによって単なる音のコントロールのみならず、ユーザーの好みに合わせた音作りを可能にしているのだ。

そのAI技術については後述するとして、本機は一般的なギター・アンプのように、本体のコントロールだけでシンプルに扱うこともできるので、まずは本体の基本機能から見ていこう。

クラシックなデザインと最新のデジタル技術を融合

本体の上部にはアンプ・タイプやEQ、エフェクトなどが調節できるコントロール・パネルが用意されている。

本体側からアクセスできるアンプ・タイプは6種類。エフェクトはリバーブやディレイ、モジュレーション、ドライブ、コンプレッサーのほか、ノイズゲートを用意。PUSH/SMOOTHとHEATのミニ・スイッチは全体のトーンを微調整するヴォイシング・スイッチととらえておけばいいだろう。

REACTORのコントロール・パネル
本体上部のコントロール・パネル。写真は100Wモデルだが、50Wモデルもコントロール・パネルの内容は同じ。
アンプ・タイプ
アンプ・タイプは6種類。PUSH/SMOOTHとHEATのミニ・スイッチは全体のトーンや歪みの強さを微調整する機能だ。
エフェクト・タイプ
エフェクトはコンプレッサー、リバーブ、ディレイ、モジュレーション、ドライブのほか、ノイズゲートも用意している。タップ・スイッチも装備。

リア・パネルにはエフェクト・ループやライン・アウト、フット・コントロール端子、USB-Cなど、さまざまな端子を装備。本機は50Wモデルと100Wモデルがラインナップしているが、コントロールはどちらも同じだ。サイズは100Wモデルのほうが、50Wモデルよりもひとまわり大きい。

REACTORのリア・パネル
リア・パネルにはエフェクト・ループやライン・アウト、USB-Cなど、豊富な端子類が用意されている。写真は100Wモデルだが、50Wモデルも端子類は同様

どちらも12インチ・カスタム・スピーカーを1基搭載しており、口径は同じながら、それぞれの出力に合わせて設計がなされている。自宅練習、スタジオ、ライブと、シチュエーションに合わせて出力が選べる3 段階のアッテネーターを備えているのも嬉しい。

12インチのカスタム・スピーカー
12インチのカスタム・スピーカーを1基搭載。両モデルともに口径は12インチだが、各出力に合わせて設計がなされている。写真は100Wモデル。
REACTOR専用のフット・スイッチ(別売り)
オプションで用意されているREACTOR専用のフット・スイッチ(価格:24,200円)。ワイヤレスとワイヤードに対応しており、エクスプレッション・ペダル用の端子が用意されている。

手持ちのスマートフォンに専用アプリThe Reactor appをインストールすれば、より細かな音作りが可能。アプリ内のファクトリーには24 種類のアンプ・タイプが用意されており、そこにはユーザーで編集したカスタム・アンプも保存することができる。

The Reactor app
ドラッグ&ドロップでシグナル・チェインをエディット可能なトーン・スタジオ・アプリThe Reactor app。
The Reactor app内のアンプ・モデル
ブティックからモダンまで、本格的なアンプ・サウンドを多数搭載している。
The Reactor app内のエフェクト・モデル
エフェクターの種類も充実。常に最新機能にアップデート可能だ。

独自のAI機能“Amp Intelligence”

そしてここからが本機の真骨頂なのだが、そのアプリにはAmp Intelligenceという独自のAI機能を搭載している。そこにテキストを入力したり、写真やオーディオを取り込んだりすることで、そこからイメージする音色をAIが自動生成してくれるのだ。

例えばテキスト機能であれば、何らかのキーワードを打ち込むと、1分ほどでAIが3~4パターンの音色を作ってくれる。そこに気に入った音色がなければ再度試すか、新たなキーワードを加えてみる。そうやって気に入った音色が見つかれば保存したうえで、さらに細かくパラメータを編集していくことも可能だ。

ジミ・ヘンドリックスとか、カントリーといった言葉を入力すれば、それらをイメージする音色を生み出してくれるが、“月の女王”とか、“はるかなる未来”といった、実際に存在しないものや、抽象的な言葉を入れてみたほうが面白い。

AIが必死に考えてくれる(お題を考えるだけでも、想像力が刺激される)。写真機能では取り込んだ風景や人などの写真からイメージする音色をAIが生成。オーディオ機能も同様だ。

ユーザー専属のギターテクやサウンド・エンジニアのような存在に

さらにすごいのは、そうしたデータをストックするだけでなく、使っていくうちにだんだんとAIがユーザーの嗜好や傾向を学習し、よりユーザーの好みに合った音色を提案してくれるようになる点だ。AIが人工知能と呼ばれるゆえんである。

また、音声入力にも対応しており、“もう少し温かみを”とか、“ゲインを加えて”といった非接触のコントロールも可能になっている。そうやってアンプと“対話”を重ねれば重ねるほど、ユーザーが欲している最適な提案をしてくれるようになる。ある意味、ユーザー専属のギターテク、もしくはサウンド・エンジニアのような存在とも言えるだろう。

音作りや曲作りに悩んだ時には、良き相談相手になってくれるはずだ。使えば使うほど、ユーザーとともにアンプも成長していく。そうやって単なるギター・アンプという範疇(はんちゅう)を超え、ユーザーの創造の世界を広げ、プレイ・スタイルの向上に手を貸し、プレイヤーの成長を見届けてくれる存在となる。ユーザーの音楽活動を支えてくれる、かけがえのないパートナーとして、きっと手放せないアンプになることだろう。

INTERVIEW

プレイヤーの創造性を呼び覚ます驚異のギター・アンプ、Positive Grid REACTOR。 その実力を確かめるべく、 数々の著名アーティストのサポートのほか、多方面で活躍しているギタリスト、 黒田晃年にREACTORを試してもらった。 その評価はいかに!

Positive Grid REACTORと黒田晃年

多機能とアナログ・ライクな操作性の
バランスが魅力ですね。

使ってみた第一印象から聞かせていただけますか?

まずは音が速いことですね。どうしてもデジタル・アンプというと、わずかな音のタイムラグを意識してしまうんですけど、それがまったくない。僕は指で弾くことが多いので、そうしたリアルなタッチ感がないと弾きづらいんですよ。そうした感覚のズレがなかったのが良かったです。それにギター・アンプとしてしっかりと作られているので、音の空気感も十分に感じられました。

デジタル・アンプながら、リアルな弾き心地が楽しめたということですね。

そうですね。アナログではとても表現できないような細かなパラメータが余すところなく入っていると同時に、それらが直感的にわかりやすく操作できるところも良かったです。あまりに細かく調節できてしまうと、イメージする音にたどり着くまでに時間がかかりすぎてしまって、あれ、何だっけ?ってなりやすいんですよ。音作りってとてもクリエイティブな作業ですけど、突き詰めるというよりも、驚きたい、発見したいという気持ちのほうが実は大事で。そういう意味でも、多機能とアナログライクな操作性を両立させた高性能なアンプだと思いました。

試奏ではノイズ・ゲートのかかりも印象に残ったようですね。

そうですね。ノイズゲートのかかり方がとてもきれいでした。難解で細かなフレーズを弾いても、しっかりとピッキングに追従してくれるうえに、音を止めたい時に止まってくれる。そこはデジタル・アンプならではの良さでしょうね。

PUSH/SMOOTH、HEATというミニ・スイッチの効きはいかがでしたか?

動かしてみると、おお、なるほど!っていう発見がありました。手軽に音を調節できるのがいいですね。もうひとつブースターが付いているようなイメージというか。

膨大なエフェクトの中から、いくつか試していただきましたが、そちらの印象はいかがでしたか?

勝手にペダルを踏んでくれるというワウを最初に試してみたんですけど、これは新鮮でしたね。効きがしっかりとしていましたし、細かく帯域も調節できるみたいなので、いろいろと追求してみたくなりました。トレモロもディレイも解像度がとても高かったです。アナログ・ディレイの音も実にオリジナルを扱っているような操作感というか。こういう音を出したくて開発されたんだろうなという、開発者の意図が伝わってくるような音でしたね。

Positive Grid REACTORを試奏する黒田氏
Positive Grid REACTORを試奏する黒田氏

いろんな写真などを取り込んで、
新しい世界に行ってみたいです。

そして本機最大の特徴であるAI機能。テキストによる音の生成機能では“スティーヴィー・レイ・ヴォーン”と、“来年流行るギターの音”を試していただきました。その音の印象はいかがでしたか?

めちゃくちゃ面白かったですね。レイ・ヴォーンの音は予想どおりでしたけど、“来年流行りそうな音”が面白かったです。想像のつかない音を出してくれるのが、こういう機能のいいところじゃないですか。いろんなテキストを入れてみたくなりましたし、音を聴いているうちに、それに合ったフレーズを弾いたり、曲を書いたりしてみたくなりました。

写真による音の生成機能では、黒田さん自身の写真を取り込んで音を作ってみました。その音の印象はいかがでしたか?

ちょっとAIはオレを誤解してるかなって(笑)。あんなに上品じゃないです(笑)。もうひとつオーディオを取り込める機能があるそうですけど、自分のオリジナル曲を取り込んでみたら、どんな音で返ってくるのか興味がありますね。いろんな材料を取り込んでみて、そこからイメージを膨らませるうちに、曲が生まれることは十分にあり得る話じゃないですか。そういう作曲方法も面白いなと思いました。

ライブや練習に活用できるだけでなく、クリエイトもできるアンプということですね。

個人的には、まさにそっち(クリエイト)を指向したアンプという印象ですね。憧れのギタリストの名前をテキスト入力して、そういう音が出せるというのも魅力ですけど、ギターが弾ける弾けないに関わらず、何だ、この音!?っていう音は、人を刺激すると思うんです。シンセで作った音でもそうですけど、その音だけでかっこいい、みたいな。そういう音に出会える、とてもクリエイティブなアンプだなと思いました。

現在は様々な分野でAI技術が活用されています。黒田さんはAIについて、どのような印象をお持ちですか?

AIを活用した作曲ツールみたいなものを試したことはありますし、ChatGPTにお世話になったこともありますけど、すごいですよね。ある面、怖さを感じながらも、ひとりのギタリストとして、AIにはできないようなプレイをしたいと思いますし、いい曲を書いたり、プレイを向上させたりするツールとして活用していけたらいいなと思います。こういうツールによって、曲作りって大きく変わっていくじゃないですか。かつてPro Toolsが音楽の世界を変えたように。そうした技術とうまく付き合っていけたらいいなと思います。

そのAI技術がギター・アンプと合体したというのが驚きですよね。

ホントに。ついにここまで来たのかっていう。

黒田さんなら本機をどんな風に使ってみたいですか?

これまでも言ってきましたけど、いろんな写真などを取り込んで、新しい世界に行ってみたいですね。YouTubeでしか見られない宇宙の画像、行ったことのない場所の写真、会ったことのない歴史上の人物の写真。そこから一体どんな音が出てくるのか、ものすごく興味があります。人間って面白いもので、音作りに行き詰まって、新しい機材やギターを買ったとしても、結局、似たような音になるんですよ。同じような音を探してるんです。でも、その時に本当に欲しているのは、新たな刺激なんですよね。そういう時にこういうツールがあると、刺激的じゃないですか。僕もそういう使い方になるだろうなと思います。

本機はどんなプレイヤーにオススメしたいですか?

どんな人にもオススメしたいですけど、1つ言えるのは、年配の方とすごく若い方。今は家でパソコンにつなぐことでしか、ギターを弾いていない若い人って、とても多いんです。それはそれで悪いことではないんですけど、キャビネットからボーン!と出るこのリアルな音圧をぜひ肌で感じてもらいたいですね。そして“AIってよく聞くけど、何?”っていうシニアのみなさまに。このアンプはけっこう感動すると思いますよ。

Amp Intelligenceとのチャットの例
本機のAI機能、Amp Intelligenceのテキスト・モードで、“2027年に流行るギターの音”を生成した時の画面。何らかのキーワードを打ち込むと、1分ほどでAIが3~4パターンの音色を作ってくれる。日本語によるテキスト入力が可能だが、今のところAIから返ってくるテキスト・コメントは英語のみ。

黒田晃年(くろだ・あきとし)Profile

1998年よりセッション・ギタリストとしてキャリアをスタート。YUI、今井美樹、森山直太朗、松任谷由実など、数々の著名アーティストのサポートを担う。劇伴、ゲーム音楽、CM制作など、多方面で活躍する傍ら、ソロ・アーティストとしても活動している。2016年にはギターを持つきっかけとなった布袋寅泰との共演を果たし、国内外の公演のサポートを務めるようになった。最新作は大森元貴の「催し」。「news zero」の新テーマ・ソングとして4/27に配信がスタートした。

Positive Grid
REACTOR

【スペック】
●アンプ・タイプ:24 種類(ファクトリー)+アプリでカスタム・アンプを作成
●コントロール:アンプ・セレクター、ゲイン、ベース、ミドル、トレブル、マスター、エフェクト・レベル、ボリューム、PUSH/SMOOTHスイッチ、HEATスイッチ、PAIRスイッチ
●エフェクト:ノイズゲート、コンプレッサー、ドライブ、モジュレーション、ディレイ、リバーブ、タップ・スイッチ
●入出力端子:インプット、MIDI IN、REACTOR CONTROL、パワー・アンプ・イン、ライン・アウト、ヘッドフォン・アウト、エフェクト・ループ、USB-C端子(以上、両モデルとも共通)
●パワー・コントロール:1 W /25 W /50W(50Wモデル)1 W /25 W /100W(100Wモデル)
●サイズ(本体):460(W)×240(D)×418(H)(mm)(50Wモデル)/530(W)×251(D)×470(H)(mm)(100Wモデル)
●重量:10.7kg(50Wモデル)/13.9kg(100Wモデル)

【価格】
●REACTOR 100W:79,200円(税込)
●REACTOR 50W:59,400円(税込)

【問い合わせ】
メディア・インテグレーション MI事業部 カスタマーケア TEL:03-3477-1493 https://www.minet.jp