エリック・クラプトンがロンドン公演(2024年5月)のステージで使用した機材を現地レポート! 最後は、2010年からエリックのギター・テックとして活躍するダン・ディアンリーのメンテナンス・デスクを紹介しよう。“スーパー・ギタリストのテックが使うものはスーパーに違いない!”と思いきや……意外にリーズナブルな市販品もあり、興味深い潜入レポートとなった。
取材・文・撮影=亀井紘夫 協力=ダン・ディアンリー(https://www.dandguitars.com/)、前むつみ
メンテナンス・グッズ&周辺機器

ギターのメンテナンスで使われるネック・レストには、Protektor Model社の“Bunny Ear Rear Bag”という、本来は射的で使われるものがギター用途で使われていた。レザーで耐久性もあり信頼性が高そうだ。
そのほか、ストリング・ワインダー(Jim Dunlop / Speedwinde)、ギター・ポリッシュ(Jim Dunlop / 6604Pure Formula 65)、PROCELLの9Vの電池がデスク上に並ぶ。

ギター・スタンドはTAMA製で、ネックを支えるバーの両端と、その間のネジ部分の3箇所に、白と黒のフェルトが貼ってある点がポイント。ギターに傷がつかないよう細心の注意を払う、ダンのプロ根性とホスピタリティが垣間見える。
シールドはVan Dammeの268-020。プラグはスイッチクラフト製で、ギター側のみオン/オフ・スイッチがついていると推察する。計3本を確認できた。写真中央はレスリーのオン/オフ・スイッチ。
カポタストはSHUBB製で、現在は廃盤となっているクローム色の“C-1”をチョイス。「Holy Mother」や「Give Me Love」で使用された。「Holy Mother」は曲中で取りはずしが必要なため、ワンタッチで取りはずし可能なこのモデルが選ばれたのだろう。スライド・バーはJim Dunlopの212。
エリックが使っているピックは一般には市販されておらず、古い装置を使ってErnie Ballが特別に制作している。今回は白黒茶の3色が用意された。
また、デスクには家族の書いた絵や”Eric Says Lifeboats are cool”と書かれたステッカーが貼られていた。