UNISON SQUARE GARDENが約2年8ヵ月ぶりとなるフル・アルバム、『Patrick Vegee』(2020年)をリリース。先日斎藤宏介への作品に関するインタビュー記事を公開したが、その取材時に最新のペダルボードも持ってきてもらい、内容について簡単に話を聞いた。さっそく、今年に入ってシステム面を見直したという彼のボードを見ていこう。
取材=福崎敬太 撮影=星野俊 スタイリング=川上麻瑠梨 ヘアメイク=中井正人(DEUCE)
斎藤宏介のペダルボードがこれだ!!
システムを変えたら音のクリアさが増して、
その分歪みが足りなくなっちゃったんです。
ギター・マガジン2018年5月号でボードを撮影から時間が経っています。そこからアップデートされた部分は、ループ・ボックスやパワーサプライなどのシステム系が多いですね。いつ頃変更が加えられたんですか?
今年に入ったくらいで“1度システムを見直そう”っていうきっかけがあって、組み直したんです。それにともなって、一番良いものをひとつずつ考えていった結果、このボードにたどり着きました。
ほかにはVEMURAMのJan Rayが加わりました。以前はXoticのRC Boosterがあった位置ですよね? これはどういうきっかけで変更したんですか?
システムを変えたら音のクリアさが増して、その分歪みが足りなくなっちゃったんです。なので、“バッキングで使うクランチを考え直さないと”と思って何個か試して。その時一番良かったのがJan Rayでしたね。
いくつか試した中で、Jan Rayの好きなポイントはどういった部分だった?
歪み方がちょうど良くて、“カッコ良さがありつつ歌の邪魔にもならない”ところです。ほかは個人的に歪みが粗過ぎたり細か過ぎたり、“もうひと声!”っていう感じだったんですが、Jan Rayはそこもちょうど良かったんですよ。
Holy Grailは以前の個体と傷の感じとかが少し違いますが、替えているんですか?
変わってるのかな? Holy Grailは何かあった時のために2個持っているので、ひょっとしたら今は変わっているかも。1個を修理に出している時にもう一方を使うっていう感じなんですよ。だから、今ボードにあるのは2号機かもしれないです。
ペダルボード接続順
ギターからの接続順は、まず①にインプット、そこから②に流れて③のライン・セレクターへ。BOGNERと÷13に振り分けた出力を①でまとめてそれぞれに出力する。④〜⑪までのペダルは③で制御、⑫は⑤のプリセット・ページめくり用として使用。⑤の本体のみでプリセットを変える時は次ページ送りしかできないため、テックが前ページ送り用に設置してくれたそう。なお、①のチャンネル4につながれているのは、BOGNERのチャンネル・スイッチとのこと。
【Pedal List】
①Free The Tone/JB-82S(ジャンクション・ボックス)
②Free The Tone/ARC-3(プログラマブル・スイッチャー)
③Lehle/1 at 3 SGoS(ライン・セレクター)
④Electro-Harmonix/Holy Grail(リバーブ)
⑤Eventide/Pitch Factor(ハーモナイザー)
⑥VEMURAM/JanRay(オーバードライブ)
⑦Wampler Pedals/Pinnacle Standard(ディストーション)
⑧Way Huge/Saucy Box HC(オーバードライブ)
⑨Sonic Research/ST-300(チューナー)
⑩Line 6/M9(マルチ・エフェクター)
⑪DigiTech/Whammy 5(ピッチシフター)
⑫Source Audio/SA167(EXPスイッチ)
⑬Vital Audio/VA-08 Mk-II(パワー・サプライ)
⑭Kenton/THRU-5(MIDIスルー・ボックス)
最新作
『Patrick Vegee』 UNISON SQUARE GARDEN
トイズファクトリー/TFCC-86724/2020年9月30日リリース
―Track List―
01.Hatch I need
02.マーメイドスキャンダラス
03.スロウカーヴは打てない (that made me crazy)
04.Catch up, latency
05.摂食ビジランテ
06.夏影テールライト
07.Phantom Joke
08.世界はファンシー
09.弥生町ロンリープラネット
10.春が来てぼくら
11.Simple Simple Anecdote
12.101回目のプロローグ
―Guitarists―
斎藤宏介