レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテ本人が語る、『Unlimited Love』(2022年)の作曲秘話を大公開。アルバムがどういったアプローチで制作されたのかを、楽曲ごとにふり返ってもらった。今回は「Veronica」に関する制作秘話をお届け。
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翻訳=トミー・モリー Photo by Ethan Miller/Getty Images
テンポが流動的に切り替わる感じを表現したかったんだ
フリーと俺は、作曲の時は常に“フェイスオフ”って呼んでいるヤツをやってきた。ジャムりながら、お互いの目を見つめ合ってフィーリングを伝え合うことだね。
例えば、ジャムっていてグッドなヴァースが思い浮かび、さらにもう1つのセクションが欲しくなったとする。そうした時に“フェイスオフ”することによって、“OK、俺は出て行くからお前はそのままここにいなよ”というグルーヴができたりするんだ。
そんな感じで作曲を進めていた時に、“実は俺たちって、サビとヴァースで拍子を変えるアレンジをあんまりやってないよな”という話になったんだ。それが「Veronica」の主題になったんだよね。
この曲のヴァースは4/4拍子なんだけど、サビでは3/4拍子になっているんだ。今まではそこまでやってこなかったけど、俺はそういうアプローチも好きなんだよね。
俺が好きなブラック・サバスにも、そういうテンポやフィーリングの曲があってね。彼らの初期の作品には、テンポが曲中で切り替わるアレンジが多い。ほかに例を挙げるとすると、ナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウッドの「Some Velvet Morning」や、ザ・ビートルズの「We Can Work It Out」とかもそうだね。
あと、この曲のもう1つのポイントは、ヴァースで強烈に揺れているフィルターのエフェクトだ。実はこれはギター用のエフェクトではなくて、俺のモジュラー・シンセによるものなんだよ。それに逆回転のリバース・エフェクト的な処理も施している。
こうすることで、テンポが流動的に切り替わる感じを表現したかったんだ。それは「Veronica」のように1つの楽器だけにかけていることもあれば、バンドのオケ全体にかけることもある。
俺の耳はいつもこういうものを探し求めているよ。“生々しさを犠牲にせずに、どうやったらもっとカラフルな音像にできるんだ?”ってね。

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