【会員限定】アイドルズのマーク・ボーウェンが2025年1月の来日公演で使用した、3本のElectrical Guitar Company 【会員限定】アイドルズのマーク・ボーウェンが2025年1月の来日公演で使用した、3本のElectrical Guitar Company

【会員限定】アイドルズのマーク・ボーウェンが2025年1月の来日公演で使用した、3本のElectrical Guitar Company

現代のイギリスを代表するロック・バンドに成長をとげたアイドルズが、2025年1月に約6年半ぶりとなる単独来日ツアーを開催した。1月27日(月)のZepp DiverCity公演にて、マーク・ボーウェンとリー・キアナンの機材撮影に成功。さらにマーク・ボーウェンの対面インタビューも行なうことができたので、膨大なシステムを解説してもらった。本記事では、マークが来日公演で使用した3本のElectrical Guitar Companyのギターを本人のコメントと共にご紹介。

取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モリー 機材撮影=星野俊

Mark Bowen’s Guitars

Electrical Guitar Company
EGC 500 Generation 2 Acrylic

Electrical Guitar Company / EGC 500 Generation 2 Acrylic(表)
Electrical Guitar Company / EGC 500 Generation 2 Acrylic(裏)

サン O)))にインスパイアされて入手したメイン・ギター

マークの大ファンであるサン O)))のステファン・オマリーがElectrical Guitar Companyのギターを使用していたことからその存在を知り、購入したというEGC 500 Generation 2 Acrylic。

左右非対称のボディはアクリルで作られており、ネックは1Pのアルミニウム製。ピックアップはカスタムのP-90を2基搭載。ピックアップがネックの上に固定されていることで、ネックの振動がピックアップに直に伝わり、驚異的なサステインやきらびやかなサウンドを生み出しているという。チューニングはレギュラーで、この日はメイン的に10曲で使用された。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「IDEA 01」(※リー・キアナンが使用)
  • 「Colossus」
  • 「I’m Scum」
  • 「1049 Gotho」
  • 「Television」
  • 「Crawl!」
  • 「The Beachland Ballroom」
  • 「Never Fight A Man With A Perm」
  • 「Danny Nedelko」
  • 「Rottweiler」

Electrical Guitar Company
EGC 500 Generation 2 Acrylic

Electrical Guitar Company / EGC 500 Generation 2 Acrylic(表)
Electrical Guitar Company / EGC 500 Generation 2 Acrylic(裏)

ピックガード違いのアクリル・ギター

こちらはピックガードがブラックのEGC 500 Generation 2 Acrylic。ピックアップもP-90で、おそらくメイン器とスペックは同じだと思われる。本器もチューニングはレギュラーで、この日は4曲で使用されたが、メイン器と使い分ける理由は特にないそうだ。

弦はバリトン・ギターを除くすべてのギターで、Ernie BallのMammoth Slinky(.062-.048-.034-.024w-.016-.012)という極太のものを張っている。Mammoth Slinky #2214は4弦が巻き弦なのだが、マークは4弦のみErnie Ballの同じゲージのプレーン弦(24p)に交換して使用しているとのこと。弦が極太かつレギュラー・チューニングのため(極稀にドロップDチューニングにすることもあるという)、ピックはJim DunlopのTortex Standard 1.14mmという厚いものを愛用。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「Mr. Motivator」
  • 「Mother」
  • 「When The Lights Come On」
  • 「Divided and Conquer」

Electrical Guitar Company
Standard Baritone

Electrical Guitar Company / Standard Baritone(表)
Electrical Guitar Company / Standard Baritone(裏)

Bスタンダード・チューニングのバリトン・ギター

マット・ブラック・パウダー・コート仕上げのアルミニウム・ボディで製作されたElectrical Guitar CompanyのStandardというフラグシップ・モデルで、ネックはオプションのバリトン・スケールを搭載。本器はモグワイのドミニク・アイチソン(b)から借りているものだそう。

ピックアップはカスタムのP-90が2基搭載されている。この日はレギュラーから完全4度低いBスタンダード・チューニング(B-E-A-D-F♯-B)にセッティングされ、「The Wheel」で使用された。3本のElectrical Guitar Companyのギターはすべて高出力のため、アンプ直でも歪んでしまうそうだ。

使用楽曲(2025年1月27日@Zepp DiverCity)

  • 「The Wheel」

Interview

普通のギターではできないことを
やってのけてくれるんだ。

本日はライブ直前にインタビューのお時間をいただき、ありがとうございます。あなたの機材についてたっぷりと話を聞かせて下さい。

ギター・テクニシャンのギャビン(・マックスウェル)が僕の機材を全部見せてくれたよね?

もちろんです。そして我々にたくさんの謎を与えてくれました(笑)。

イェー、OK(笑)。

まず、Electrical Guitar Companyのギターを使い出したきっかけは?

アイドルズのサウンド・エンジニアのクリス・ヴィラードは、サン O)))と一緒に仕事をしていたことがあってね。僕はサン O)))の大ファンで、彼らがElectrical Guitar Companyを使っていたのを見て興味を持つようになった。そして彼らがElectrical Guitar Companyについて、“怒ったピアノのような音がする”と説明しているビデオを見て、“これこそが自分が手に入れるべき音だ!”と思ったんだ。すぐに購入して、ゲーム・チェンジャーとなってしまったよ。

サン O)))がきっかけだったんですね。サウンドの印象は?

ピックアップはコイルがかなり巻かれていて強烈にホットだし、僕が求める周波帯やフィードバックをたっぷりと作り出してくれる。ピックアップがネックに固定されていることもあって、きらびやかなサウンドがするね。

ご存知のとおり、僕は想像を絶するほどに優れたギター・プレイヤーではないけれど、プレイの中に多くの個性を込めている。その個性というのは、僕が弾くコード、イントネーション、細々とした断片的なものの中に存在しているよ。ピッキングの際、ピックと同時にピックを持つ指も弦に当たると、指弾きみたいなニュアンスが出るだろう? その時に得られるちょっとしたノイズが、Electrical Guitar Companyのギターだと絶妙でね。ほかのギターでは得られないサウンドなんだ。

Electrical Guitar Companyのギターは構造や材など、たしかに唯一無二です。

勘違いしてほしくないんだけど、今でもフェンダーのギターを愛しているよ! 僕はこれからもストラトキャスターを弾き続けるだろう。ストラトには、ホットにワインドされたピックアップでは作り出せないトゥワンギーなサウンドがあるからね。Electrical Guitar Companyのギターは凄くアグレッシブだけど、普通のギターではできないことをやってのけてくれるんだ。そして僕はいつも数え切れないほどのペダルを使い、ギターだけではできないことをやろうとしているというわけさ。

2025年1月27日(月)Zepp DiverCity

【Setlist】
01. IDEA 01
02. Colossus
03. Gift House
04. Mr. Motivator
05. Mother
06. Car Crash
07. I’m Scum
08. Roy
09. 1049 Gotho
10. Jungle
11. The Wheel
12. When The Lights Come On
13. Divided and Conquer
14. Gratitude
15. Benzocaine
16. POP POP POP
17. Television
18. Crawl!
19. The Beachland Ballroom
20. Never Fight A Man With A Perm
21. Dancer
22. Danny Nedelko
23. All I Want For Christmas Is You
24. Rottweiler