toeの美濃隆章が『New Album Release Tour 2025 “NOW WE SEE THE LIGHT”』で使用したペダルボード toeの美濃隆章が『New Album Release Tour 2025 “NOW WE SEE THE LIGHT”』で使用したペダルボード

toeの美濃隆章が『New Album Release Tour 2025 “NOW WE SEE THE LIGHT”』で使用したペダルボード

2024年7月にリリースされたtoeの4枚目のアルバム『NOW I SEE THE LIGHT』。本作に伴う国内リリース・ツアー、『New Album Release Tour 2025 “NOW WE SEE THE LIGHT”』が2025年4〜5月に行なわれた。ギタマガWEBでは、5月16日(金)のSpotify O-EAST公演で機材撮影を敢行。本ツアーで美濃隆章(g)が使用したペダルボードをご紹介しよう。

取材=伊藤雅景 文=小林弘昂 機材撮影=星野俊

Mino’s Pedalboard

ペダルボード
Roland / RE-301
Countryman / Type 85

ディレイをメインに据えたペダルボード

【Pedal List】
①TC Electronic / PolyTune 3(チューナー)
②CULT / Ray(オーバードライブ)
③F-sugar / 4 Loop Switcher(ループ・スイッチャー)
④KATANASOUND / BLUE STRIPE 青線(コンプレッサー)
⑤strymon / Mobius(マルチ・モジュレーション)
⑥ProCo / RAT Ⅱ(ディストーション)
⑦BOSS / DM-2(ディレイ)
⑧BOSS / DM-2(ディレイ)
⑨Line 6 / DL4(ディレイ)
⑩Roland / RE-301(テープ・エコー)
⑪TC Electronic / PolyTune 3(チューナー)
⑫Countryman / Type 85(DI)
⑬FREE THE TONE / PT-3D(パワー・サプライ)
⑭BOSS / FS-5L(フット・スイッチ)

エレキ/アコギ兼用の美濃のボード。エレキを使用する場合は、まず①〜③の番号順に接続される。

③4 Loop Switcherの各ループに接続されているペダルは下記のとおり。

・Loop 1=④青線
・Loop 2=⑤Mobius
・Loop 3=⑥RAT Ⅱ
・Loop 4=⑦DM-2

③4 Loop Switcherのアウトからは⑧〜⑨に接続され、アンプの上に置かれた⑩RE-301を経由してアンプにインプット。

アコギを使用する場合は、まず⑪PolyTune 3を経由し、アンプの上に置かれた⑫Type 85に接続。⑫Type 85のAMP端子からアコギ用アンプ(AER / Compact 60/2)のchannel 1にインプットされ、MIC OUTPUT端子からPAに信号が送られる。

CULT / Ray

基本的に②Rayは未使用。自身のアンプが持ち込めない海外でのライブやリハーサル・スタジオで現場のアンプを使用する際、本機をオンにすることで好みのツヤが出せるとのこと。

KATANASOUND / BLUE STRIPE 青線

美濃はアンプのクランチをメインにしており、④青線はフレーズによって音量を上げるクリーン・ブースター的な役割を担っている。toeでは単音をプレイすることが多いため、コード・ストロークと同じような音量感が欲しい時に踏むことが多いという。「Long Tomorrow」のハーモニクス部分、「WHO KNOWS?」のラスト、「グッドバイ」の後半など要所要所でオン。

⑤MobiusはおもにDESTOROYEとFILTERモードを使用。上と下の帯域をカットし、ラジオ・ボイスのようなサウンドをプリセットしている。イントロなどでペラペラな音にしたい時にオンにするそうだが、この日のライブでは未使用。

ProCo / RAT Ⅱ

⑥RAT ⅡはオペアンプにLM308を搭載したUSA製の個体。VOLUMEノブを4時方向まで上げた爆音セッティングで、「エソテリック」、「NOW I SEE THE LIGHT」のラストで使用された。

BOSS / DM-2
BOSS / DM-2

⑦⑧DM-2が2台セットされており、それぞれ音量の大小で使い分けている。⑦が大きめ、⑧が小さめのセッティングだ。曲と曲のつなぎの場面でオンにすることが多いが、「風と風景」では⑦を常にオン。⑧は「レイテストナンバー」、「Because I Hear You」、「エソテリック」などで使用された。

⑨DL4のAスイッチとBスイッチにはSWEEP ECHOを、Cスイッチにはディレイ・タイムを長めに設定したREVERSEをプリセット。「Long Tomorrow」のイントロ、「レイテストナンバー」、「WHO KNOWS?」、「MADNESS SUMMER」、「NOW I SEE THE LIGHT」ではREVERSEを使用しているのが確認できた。

Roland / RE-301

⑩RE-301のコーラスはオフで、ディレイとリバーブを使用。しかし、この日のステージの床が柔らかく、床に強い衝撃が加わると本機のスプリング・リバーブが揺れて“ガシャン!”とした音が乗ってしまうとのことで、リバーブのVOLUMEノブをゼロ位置にしておき、RE-301を使用する時のみVOLUMEノブを1時方向まで上げていた。

この日は「NOW I SEE THE LIGHT」と「グッドバイ」で使用。特に「グッドバイ」のラストでは本機を発振させており、かなりエグいサウンドを鳴らしていた。本機のオン/オフはボード内に置かれた⑭FS-5Lを使用する。ちなみにRE-301は通すだけでレンジの上と下が削れてしまうそうで、美濃は本機の音の変化ありきでトータルのサウンドメイクをしているとのこと。サステインに物足りなさを感じる時はINPUT VOLUMEノブを上げることもあるという。

Other Board

【Pedal List】
⑮BOSS / RC-50(ルーパー)
⑯Radial / J48 Stereo(DI)

こちらはメイン・ボードの横に置かれたルーパー用のボード。

事前にプリセットしたサウンドを呼び出すためのもので、ギターはインプットせず、⑮RC-50のスイッチをオンにすると⑯J48 Stereoを通してPAから音が出力される。

この日は「TODO Y NADA」、「MADNESS SUMMER」の2曲で使用された。

Interview

テープ・エコーを通すと音が変わりすぎちゃうので、
これ込みで音を作っています。

ボードに貼られている“E-B-D♯-F♯-B-E”というメモは何でしょう?

今日の1曲目に演奏する「LONELINESS WILL SHINE」の変則チューニングなんですけど、ローディさんが忘れないように貼っています。ここじゃなくてもいいとは思いますけどね(笑)。

青線(④)は音量を上げるレベル・ブースターとして使っているとのことですが、今日のライブではどの楽曲でオンにしますか?

ちょっとギュッとさせたい時だけ踏んでいるので、曲というよりは音量を上げたい時に使っています。ブースター的な感じで。

KATANASOUND / BLUE STRIPE 青線

Mobius(⑤)はどのような場面で使うんですか?

今日は使わないです(笑)。ラジオ・ボイスというか、ローファイっぽくしたい時用なので、DESTROYERモードでハイパスを入れて下を切っていて。あとは曲のイントロとかでペラペラにしたい時とかにも踏むんですけど、今日は使わないですね。

strymon / Mobius

DM-2(⑦⑧)は発振の具合で2台を使い分けているんですよね?

そうです。音量違いにしていて、ループ・スイッチャー(③)に入っているほう(⑦)が大きめ、もう1台(⑧)が小さめ。

BOSS / DM-2
BOSS / DM-2

RE-301(⑩)を使い続けるこだわりとは?

こだわりはないんですけど、テープ・エコーを通すと音が変わりすぎちゃうので、これ込みで音を作っています。どうしてもレンジが狭くなっちゃうんですよ。会場によって“ちょっとサステインがないな”っていう時は、アンプに突っ込むレベルをテープ・エコー側のINPUT VOLUMEノブで微調整したり。

Roland / RE-301

通すとレンジの上下がなくなる感じですか?

うん。上も削れちゃうかな。それに慣れちゃっているので、アンプに直でギターを挿すとパンチがありすぎてビックリしちゃう(笑)。

RE-301はディレイのみで、リバーブは使っていないのでしょうか?

今はリバーブのVOLUMEノブをゼロにしているんですけど、リバーブを足したい時はその都度ノブを1時まで上げます。というのも、今日のステージは床が柔らかいので、床を強く踏んだりジャンプすると、リバーブのスプリングが“ビシャーン!”って乗っちゃうので。床が固いステージだったら常にリバーブのVOLUMEノブを上げていますね。

なるほど。RE-301の足の部分に置いているのは衝撃を和らげるための緩衝材ですか?

そうそう。“ビシャン!”ってならないようにするためですね。

サンプラー(⑮)にはギターの信号は一切通らず、サンプラー内の音源がDI(⑯)を通ってPAから出力されるんですよね?

そうです。ギターを弾きながらサンプラーの音を鳴らせるようにしています。

BOSS / RC-50、Radial / J48 Stereo

New Album Release Tour 2025 “NOW WE SEE THE LIGHT”
2025年5月16日(金)Spotify O-EAST

【Setlist】
01. LONELINESS WILL SHINE
02. Long Tomorrow
03. 風と記憶
04. 孤独の発明
05. キアロスクーロ
06. レイテストナンバー
07. Because I Hear You
08. エソテリック
09. TODO Y NADA
10. WHO KNOWS?
11. サニーボーイ・ラプソディ
12. MADNESS SUMMER
13. NOW I SEE THE LIGHT
14. F_A_R

-Encore-
15. Two Moons
16. グッドバイ

toe結成25周年記念特別公演
“For You, Someone Like Me”
「この世界のどこかに居る、僕に似た君に贈る」』
公演情報

<日時>
2025年10月25日(土)東京・両国国技館
Open 16:00 / Start 17:30

<チケット>
・アリーナ(指定席)……¥9,800
・枡席(指定席)……¥9,800(1枡2名様まで申し込み可能)
・2F(指定席)……¥8,800

※枚数制限……アリーナ/2Fは4枚まで、枡席は2枚まで。
※枡席は2名まで1枡にご入場いただけますが、1枚購入のお客様は、同じ枡内にほかの方が座る可能性がございます。あらかじめご了承下さい。
※電子チケットのみ
※未就学児入場不可、小学生以上チケット必要

・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/toe25th/
・イープラス https://eplus.jp/toe/
・ローソンチケット https://l-tike.com/toe/

<お問い合わせ>
・HOT STUFF PROMOTION ☎050-5211-6077 | https://www.red-hot.ne.jp/
・SMASH ☎03-3444-6751 | https://www.smash-jpn.com/

<特設サイト>
http://www.toe.st/25th/