元ザ・フィフス・アヴェニュー・バンドのピーター・ゴールウェイと佐橋佳幸がタッグを組み、2025年4月に日本の豪華ミュージシャンを多数ゲストに迎えたアルバム『EN』をリリースした。6月には大阪、横浜、東京で本作に伴うジャパン・ツアーを敢行。本記事では、佐橋佳幸がライブで使用したSHINOSのアンプとペダルボードをご紹介しよう。
取材・文=鈴木伸明 機材撮影=元気良一
Sahashi’s Amplifier
SHINOS / BLACK BIRD 50 Sahashi Model & SHINOS / 2×12 Cabinet
SHINOSの50W仕様カスタム・アンプ
2011年に佐橋のために作られたSHINOSのカスタム・アンプ、BLACK BIRD 50。フェンダーのDual Showmanをベースにした50Wヘッドで、パワー管は6L6を2本搭載。

コントロール部分には、目安となるシールがいくつも貼られている。各ノブは、VOLUMEは10時、TREBLEは1時、MIDDLEは2時過ぎ、BASSは9時過ぎ、REVERBはオフ、トレモロのSPEEDとINTENSITYは10時、MASTERは10時にセッティングされていた。
キャビネットにはJensenのBlackbird 100とCelestionのClassic Lead 80という異なるブランドの12インチ・スピーカーが2発内蔵されており、どちらもマイキングしてミックスしたサウンドを外音に出力している。マイクはShureのSM57(ダイナミック)とKSM32(コンデンサ)が立てられていた。
Sahashi’s Pedalboard

エレキとアコギの切り替えも可能にするGT-1000
【Pedal List】
①BOSS / GT-1000(ギター・プロセッサー)
②BOSS / TU-3s(チューナー)
③Neotenic Sound / Magical Force(ダイナミック・プロセッサー)
④BOSS / FS-7(フット・スイッチ)
非常にシンプルにまとめられたボード。ギターからは①GT-1000にインプットされ、エレキ・ギターの信号はMAIN OUTPUTからアンプへ、アコースティック・ギターの信号はSUB OUTPUT(XLRアウト)からライン出力される。
②TU-3sと③Magical Forceは①GT-1000の2つのセンド・リターンに接続。③Magical Forceはアコースティック・ギター用のプリアンプとして使用している。④FS-7は①GT-1000のパッチの切り替え用。
①GT-1000にはエレキ・ギター、アコースティック・ギター、ガット・ギターの3つのパッチが用意されている。本体の各スイッチには、ディレイ、トレモロ、フェイザー、コーラス、オーバードライブといったエフェクト単体がアサインされており、オン/オフのみをコントロール。
ボード外に置かれている赤いスイッチは、iPadの譜面のページを切り替えるもの。左上の白い箱の中にはピックが収められている。
Interview
このシステムがあれば
自分1人でセッティングを変えられる。
佐橋さんの最近の音作りはGT-1000(①)でほぼ完結しています。
GT-1000は2020年ぐらいから使わせてもらうようになって。ちょうどコロナ禍で時間があったので、色んなことを試してみたら、かなり便利なことがわかったんです。
それまではコンパクト・エフェクターを並べていましたよね?
そうですね。ライブ用のボードには、MXRのDyna Comp、Klon Centaur、BOSSのCE-1、MXRのPhase 100、Ernie Ballのボリューム・ペダル、BOSSのRE-20、さらにアンプのトレモロのオン/オフ・スイッチが入っていたんですけど、今はそのすべてのサウンドをGT-1000でそっくり作り込んでいます。
エレキもアコギもGT-1000にインプットしているんですよね?
エレキ用とアコギ用のパッチが用意してあって、エレキはアンプへ、アコギはラインへ。出力の切り替えもこれ1台で完結しています。シールドとチューナーをエレキとアコギ共通で使えるのも便利ですね。大きな会場のライブではテックの方に手伝ってもらいますけど、このシステムがあれば自分1人でセッティングを変えられるので、凄く役に立っています!
Peter Gallway & 佐橋佳幸
“EN” Japan Tour 2025 with 屋敷豪太, 小原礼, Dr.kyOn
2025年6月26日(木)@Billboard Live TOKYO
【Setlist】
01. On The Bandstand
02. Running, Walking, Kicking The Ball
03. Save The Country
04. French Is Spoken Far From Here
05. Coltrane’s Blue World(with 山本拓夫)
06. Tokyo To Me(with 山本拓夫、松たか子)
07. Shinjuku Neon(with 山本拓夫、大貫妙子、松たか子)
08. Kyoto(with 山本拓夫、大貫妙子、松たか子)
09. English Football At The Prince Hotel(with 山本拓夫、大貫妙子、松たか子)
10. Land Of Music
-Encore-
11. Good Lady Of Toronto
12. Sunday Basketball(with 山本拓夫、大貫妙子、松たか子)




