本記事では、シノダ(vo,g)が本作のレコーディングで使用した2台のアンプを、本人の解説とともにご紹介。
取材・文=編集部 機材撮影=星野俊
Shinoda’s Amplifiers
Divided by 13 / FTR 37

wowakaから受け継いだ
フラッグシップ・モデル
シノダが『Friend Chord』のレコーディングで使用したアンプは2台。そのうちの1台が、Divided by 13のFTR 37だ。もともとはwowakaが所有していたもので、2019年頃から倉庫に置かれていたという。
本機は、プリ管に12AX7(4本)、12AT7(1本)、5879(1本)、パワー管に6V6(4本)、そして整流管にGZ34(1本)を使用した37W出力のアンプ。UKスタイルのCh.1と、アメリカン・スタイルのCh.2という2つのチャンネルを備えている。

コントロール部分には、セッティングの目印として赤いシールが貼られていた。
出力を18WまでダウンさせるHALFスイッチをオンにし、Ch.2のHIGHにインプット。各ノブはREVERBが0、BASSが11時手前、TREBLEが1時過ぎ、VOLUMEが10時にセッティングされていた。
1970’s Marshall / 1959 MKⅡ

激しい歪みで活躍する
100Wマーシャル
『Friend Chord』で使用されたもう1台のアンプは、マーシャル1959。おそらく70年代のものだと思われる。
シノダは『ルームシック・ガールズエスケープ』(2013年)のレコーディングで別個体の1959を使用して以来、そのサウンドを気に入っていたという。本機はwowakaの自宅で見つけ、『HOWLS』(2019年)以降のレコーディングで使用している。
『Friend Chord』では、激しい歪みサウンドを作りたい場面で使用していたそうだ。

コントロール・パネルの印字はほとんど消えてしまっているため、手書きのテープで表記が補われている。
なお、キャビネットは2台のアンプどちらにもOrangeのPPC412を使用しているとのことだ。
Interview
1959はwowakaの家のベッドの下に
上下逆さで置いてあったんですよ(笑)。
『Friend Chord』のレコーディングではどんなアンプを使用したんですか?
基本的にDivided by 13とマーシャルのアンプを使い分けてますね。
Divided by 13のアンプはいつ頃から使っているんでしょうか?
これはいつの間にかwowakaが手にしていたもので、管理を任されていたんですけど、そのまま倉庫にあるみたいな感じでした。『HOWLS』(2019年)くらいからあったんじゃないかな。
マーシャルの1959もwowakaさんのアンプでしょうか?
1959は、wowakaの家のベッドの下に上下逆さで置いてあったんですよ(笑)。この個体ではないんですけど、『ルームシック・ガールズエスケープ』(2013年)を作った時、1959を使ったら半端ない音量が出たので、“この世にはすげぇアンプがあるんだな”って思っていたんです。それでwowakaの家に行ったらこのアンプがあったので、“レコーディングで使ったほうがよくないか?”となりました。
1959をレコーディングで使い始めたのはいつ頃でしょうか?
これも『HOWLS』くらいからかな。「青」っていう曲のリフとかバッキングを録る時に使いました。けっこう良い音で録れたんですけど、“とにかくデカい音で録らないとダメだ”っていう謎の思想に取り憑かれていた時だったので、スピーカーを1発飛ばしましたね(笑)。
2台の使い分けについて教えてください。
リード・フレーズはDivided by 13で録ることが多かったです。激しい歪みのフレーズを録りたい時は絶対に1959を使いますね。今は基本的にリアンプしているので、家でラインで録音していって、リアンプする日にどっちを使おうかなと考えます。
『REAMP』(2021年)でリアンプを始めた頃、いろんなアンプで試したんですけど、最終的にこのアンプ2台があったら話が早いなって落ち着いたんですよ。なので『Friend Chord』でもほとんどこの2台を使っています。
キャビネットは何を?
キャビネットはどっちもOrangeのPPC412ですね。スタジオによってレンタルできそうなキャビネットがあれば試したりしますけど、基本的にはPPC412でレコーディングしています。
ライブでも同じアンプを使ってるのでしょうか?
ライブではHiwattのDR-103を使ってます(※2026年現在はOrangeのSuper Crush 100を使用)。Divided by 13とマーシャルはレコーディングだけですね。
キャビネットは東京のライブだとOrangeのPPC412を持って行ってるんですけど、地方だとマーシャルの1960Aをレンタルして横倒しにして使ってます。1960Aは傾斜がついてるので、トレブルが耳元に飛んでくるんですよね。ギターだけを弾いている時だったら、トレブルが聴こえたほうが正確にタイム感がつかめるので縦置きでよかったんですけど、最近は歌うから歌に干渉してくるのは嫌だなと。それで“なんとかなりませんかね?”という話をテックさんにしたら、“横に倒しちゃいなよ。原理は一緒だろ”と言われて、倒して使ってます(笑)。
作品データ

『Friend Chord』
ヒトリエ
ソニー
AICL-4682
2025年1月22日リリース
―Track List―
1. 耽美歌
2. ジャガーノート
3. Quadrilateral Vase
4. ネバーアンダースタンド
5. 月をみるたび想い人
6. Shadowpray
7. NOTOK(Album version)
8. オン・ザ・フロントライン
9. おやすみなさい
10. ブルースプリングパンク
―Guitarist―
シノダ

