“愛され続けるアウトサイダー”
アイバニーズの個性的なエレクトリック・ギターTalmanが復活！

　アイバニーズの長い歴史の中でも特に異彩を放つエレクトリック・ギターTalman（タルマン）が、ニュー・モデル“Talman TM730”として復活した。

　アイバニーズのソリッド・ボディ・エレクトリック・ギターといえば、AZシリーズやRGシリーズに代表される鋭利なホーンを持つボディと、片側6連のシャープなヘッドストックをまず思い浮かべる人が多いはずだ。しかしTalmanは、それらとは対極とも言える丸みを帯びたボディと両側3連のヘッドを引っ提げ、1994年にデビューを果たした。

　アイバニーズなのに丸い、アイバニーズなのにかわいい、アイバニーズなのにビザール、など人によってとらえ方は違うかもしれないが、同ブランドの中ではややアウトサイダー的な機種であることに異論を持つ人はいないだろう。加えてTalmanは、当時のグランジ／オルタナティブ・シーンにおける“王道ではない”エレクトリック・ギターを求める潮流を意識したモデルでもあったはずだ。

　最初のTalmanシリーズの製造期間は長くはなく、21世紀を迎える前にアイバニーズのラインナップからは一度消えている。しかし、その後もこのモデルのサウンドとフォルムを愛するギタリストは多く、それらの人々の熱望に応える形での復活劇が過去にあったことも事実だ。

　なおTalmanの愛用者としては、トム・モレロ（レイジ・アゲインスト・ザ・ マシーン）、ヌードルズ（オフスプリング）、ポール・ギルバート（Mr. Big）らの名前が挙げられる。

　そして今回のニュー・モデル、Talman TM730は“オリジナリティと確かさのある、メイド・イン・ジャパンのスタンダード”と位置付けられたアイバニーズ“J-LINEシリーズ”からの登場となった。

　Talman TM730のボディ・カラーはBK（ブラック）、IDG（インディゴライト）、IV（アイボリー）の3色。まずは全体の外観から見ていただきたい。

TM730-BK

TM730-IDG

TM730-IV

　そして各パーツの特徴は次のとおりだ。

Talmanシェイプ･アルダー材ボディ

Talmanシェイプのボディ。低音域から高音域に渡りバランスの良い音響特性で、ギターのボディ材として定番ともいえるアルダーを使用。

Talman Classic-Plus　メイプル材･ネック

握り込むと丸みを感じやすいトラディショナルなグリップ感のネックは、2015年発表のモデル、Talman Prestige “TM1730M”を踏襲したもの。材はメイプル。バックはヘッド表と併せて飴色のマット･フィニッシュを採用。しっとりと落ち着いたビンテージ感を醸し出している。

牛骨ナット

ナットには牛骨を採用。チューニングの安定性に貢献する滑りの良さと、ビンテージ・ギターのようなレゾナンスを実現する。

カタロックス材指板

指板には、非常に硬質なマメ科の植物であり、別名メキシカン･エボニーやメキシカン･ロイヤル･エボニーとも呼ばれるカタロックス材を採用。音の立ち上がりに優れ、高いレスポンス感と芯のある乾いたサウンドを特徴とする。指板のRは305㎜。スライド奏法からテクニカルでモダンなフレージングまで幅広く対応しやすい仕様となっている。

ITL-PROトレモロ･ブリッジ

オープンなサウンドを特徴とするベント･スチール･サドルを搭載した、6点留めのスタンダードなトレモロ・ユニットを採用。弦間ピッチは10.8mm。

TM J-LINE シングル ･ピックアップ

ピックアップはアルニコ･マグネットを採用したスタンダードなシングル･コイル。素直なサウンドでありながら、トーン･コントロールと連動させることで、エッジの効いたシャープなサウンドから、厚みのあるウォームなサウンドまで、幅広いサウンド・メイクを可能とする。

　以上が2020年版Talmanのスペックだ。Twitterなどではこの復活を喜ぶ声もすでに出始めている。出荷は2020年9月17日（木）より。