ジャガーの誕生60周年を記念したギター2モデル　フェンダーの伝統と革新をそれぞれに体現

スケール長

　Jaguarのスケール長（ブリッジからナットまでの長さ）は、伝統的なジャガーと同じ24インチ（610mm）。

　これに対しAmerican Ultra Luxe Jaguarには、ストラトキャスターやテレキャスター、ジャズマスターと同じ25.5インチ（648mm）のスケール長が採用されている。

ネック・シェイプ

　Jaguarのネックの形状は60年代のジャガーを再現した“C”シェイプ。どんな演奏スタイルにもフィットする快適な弾き心地を持つ。

　一方、American Ultra Luxe Jaguarのネック形状はAugmented”D”シェイプ。これはModern”D”シェイプよりも若干太く、洗練されたハイブリッド・シェイプで、12フレットに向けて微妙に厚みが増し、ハイ・ポジションではフラットになっていくのが特徴だ。

指板／フレット／ポジション・マーク／バインディング

　Jaguarの指板はローズウッド製で、ラジアスは7.25インチ（184.1mm）。フレットはビンテージ・トール。ポジション・マークは60年代半ばのジャガーを彷彿させるブロック・インレイ。指板の側面には、ギターに気品と高級感を加えるバインディングが施されている。

　American Ultra Luxe Jaguarの指板はエボニー製。ラジアスはロー・ポジションからハイ・ポジションに向かって徐々にフラットになっていく10インチ – 14インチ（254mm – 355.6mm）のコンパウンド・ラジアスを採用。これによりロー・ポジションではコードの演奏が楽になり、ハイ・ポジションではソロ演奏が容易になる。フレットはミディアム・ジャンボ・ステンレス・スチール。ポジション・マークは直径7mmのドット。バインディングはないが、指板にはプレイアビリティを向上させるための丁寧なエッジ処理が施されている。

ヘッドストック

　Jaguarのヘッドストックで見られる“Fender”ロゴは、60年代中盤に使われたトランジション・ロゴ。

　American Ultra Luxe Jaguarはスパゲティ・ロゴになっている。

ボディ・バック／ネック・プレート

　ボディ裏側の見た目はご覧のとおり。American Ultra Luxe Jaguarには、ハイ・ポジションへのアクセスを容易にするテーパード・ネック・ヒールが採用されている。また弦を通すための6つの穴が開けられている。

　またネック・プレートの形状はJaguarとAmerican Ultra Luxe Jaguarとで異なるが、どちらにもジャガー60周年記念のロゴが刻まれている。

ボディ・カラー／フィニッシュ

　Jaguarのボディ・カラーは、フェンダーの伝統的なカラーであるダコタ・レッドとレイク・プラシッド・ブルーを元にしたMystic Dakota RedとMystic Lake Placid Blue。

　一方、American Ultra Luxe Jaguarのボディには、比較的新しいカラーであるTexas Teaが採用されている。

　またJaguarはニトロ・セルロース・ラッカー仕上げで、American Ultra Luxe Jaguarはウレタン仕上げというのも、両モデルの違いの1つだ。　

ピックアップ

　Jaguarに搭載された2基のピックアップは、どちらも60th Anniversary Jaguar Single-Coil。このシングルコイル・ピックアップは、60年代半ばのフェンダーのクリアなトーンを再現するために特別なボイシングが施されている。

　American Ultra Luxe JaguarのピックアップはCustom Double Tap Humbuckingが2基。フルでリッチなトーンを提供するハムバッカーだが、スライダー・スイッチでDouble Tapテクノロジーを起動することにより、シングルコイルの持つダイナミックなフェンダー・トーンを出力することもできる。

ブリッジ

　Jaguarのブリッジは伝統的なフローティング・トレモロ。

　American Ultra Luxe Jaguarのブリッジは、Adjust-o-Maticとストリング・スルー・ボディ方式というユニークな組み合わせ。これにより最高のサスティーンと共鳴、非常に安定したチューニングを実現している。

チューニング・マシン

　Jaguarのチューニング・マシンはビンテージ・スタイルのFender Vintage “F” Stamped。

　American Ultra Luxe Jaguarには現代的なDeluxe Cast/Sealed Lockingが採用されている。

上部プレート上のコントロール

　Jaguarのボディ上部のプレートには、リード回路とリズム回路を切り替えるスライド・スイッチが1つと、リズム回路のボリュームとトーンを調整する2つのホイールが設置されている。

　一方、American Ultra Luxe Jaguarに設置された2つのスライド・スイッチは、フロントとリアの各ハムバッカーのDouble Tap機能のオン／オフを切り替えるためのものだ。

下部プレート上のコントロール

　Jaguarのボディ下部のプレートにある3つのスライド・スイッチは、（右から）フロント・ピックアップのオン／オフ、リア・ピックアップのオン／オフ、ロー・カット回路のオン／オフの切り替え用。

　American Ultra Luxe Jaguarではオリジナル・ジャガーに特有の3つのスライド・スイッチは廃止され、その代わりにフロント／フロント＆リア／リアを切り替える3ウェイのピックアップ・セレクターが設置されている。

コントロール・ノブ

　2つのコントロール・ノブは両モデルともにマスター・ボリュームとマスター・トーン。なお、Jaguarでリズム回路を選択しているときは、これらのノブは機能しない。