忌野清志郎の1963年製エスクワイヤーを忠実に再現したギターがフェンダー・カスタムショップより登場

　忌野清志郎（1951年 – 2009年）が愛用した1963年製のエスクワイヤーを再現したモデル“Kiyoshiro Imawano 1963 Esquire Journeyman Relic”が、フェンダー・カスタムショップより登場し、その受注販売が2024年3月5日（火）に開始された。

　1963年製のフェンダー・エスクワイヤーは、清志郎が所有したギターの中でも最もアイコニックな1本だ。

　このギターは、もとは春日博文（カルメン・マキ&OZ、RCサクセション、東京ビビンパクラブ）がロサンゼルスで入手したものだが、その後に清志郎が譲り受け、一時期は仲井戸”CHABO”麗市（古井戸、RCサクセション、麗蘭）が弾いていたこともあるという。

　そして今回発表されたKiyoshiro Imawano 1963 Esquire Journeyman Relicは、清志郎のエスクワイヤーを、フェンダー・カスタムショップの高度な技術によって細部まで忠実に再現したものとなっている。

　その各部を紹介しよう。

ピックガード／フロント・ピックアップ

　本モデルの外観面での最大の特徴は、やはりピンク色のピックガードだろう。これは清志郎自身が水性ペンでペイントしたものを再現している。

　加えて、ピックガードに囲まれた黒いソープバー・タイプのピックアップも印象的だ。

ボディ／レリック加工

　ボディ材はアッシュ。そのナチュラル・カラーもしっかりと再現されている。

　またレリック加工は、本人がこのギターを入手した頃の状態をイメージした“Journeyman Relic”（ジャーニーマン・レリック）が採用されている。

　ちなみに“Journeyman Relic”は、フェンダー・カスタムショップでは「週末のジャム・セッションなど自宅での使用をメインに、長い時間を経てオーナー・チェンジをくり返しながらも、通常のレリックに比べ大切にメインテナンスされてきたことを想定した、程度の軽い打痕や傷、塗装の剥がれなどが施されたもの」と定義されている。

　つまりこのギターのレリック加工の度合いは、若き日の清志郎が春日博文からギターを受け取った頃の状態を再現したものと思って良いだろう。

ネック／ヘッドストック

　メイプル・ネックはオリジナル・ギターをプロファイリングして削り出されており、そのグリップが清志郎の実器の演奏性と感触までをも蘇らせている。

　ヘッドストックには、Fenderのロゴと”ESQUIRE”の文字が入れられている。

ピックアップ／コントロール／ハードウェア

　ピックアップは、ブリッジ側にCustom Shop ’63 Single-Coil Telecasterで、フロント側にP90 Soap Barを搭載。

　ブリッジには、6-Saddle Vintage-Style Strings-Through-Body Teleを採用。

　コントロールは、マスター・ボリューム、マスター・トーン、3ウェイのピックアップ切り替えスイッチで構成されている。

　これらのパーツも、オリジナル・ギターのサウンドを再現すべく選ばれたものだ。

　そしてネック・プレートに刻まれた“忌野清志郎”のサインが、このギターを一層特別なものにしている。

　本モデルについて、忌野清志郎のギター・テックを長年担当していた山本キヨシ氏は次のようにコメントしている。

　なお、本モデルは完全受注生産品で、販売はフェンダー旗艦店のFender Flagship Tokyo（東京・原宿）、FENDER SHOP in MIKI GAKKI AMERICAMURA（大阪）、全国のFender Custom Shop正規取扱店にて行なわれる。

　またFender Flagship Tokyoの3階フロアでは、3月5日（火）より本モデルの展示も開始される（展示物は非売品）。

　受注期間は2024年3月5日（火）から9月5日（木）まで。

　ちなみに2024年3月5日は、RCサクセションが1970年に「宝くじは買わない」でデビューしてから54回目の記念日にあたる。

　また本モデルの出荷時期は、RCサクセションがデビュー55周年を迎える2025年から順次となる。

　さらなる詳細は、フェンダーの公式ページで確認してほしい。

忌野清志郎 プロフィール

1951年-2009年。バンドマン。
1968年、高校在学中にRCサクセション結成。
1970年「宝くじは買わない」でデビュー。「雨あがりの夜空に」「スローバラード」「い・け・な・いルージュマジック」など多種多様なヒット曲を放つ。
恒例の武道館、日比谷野音等LIVEパフォーマンスでも数々の伝説を作った。
91年のRC活動休止後も、ソロ活動の他、映画・ドラマ出演や絵本の執筆、サイクリストなど活動は多岐に渡る。
2008年2月『忌野清志郎 完全復活祭 日本武道館』では、当時の日本武道館最多動員数を記録。
2009年5月にこの世を去った後もさまざまなシーンに影響を与え続けている。
2025年にはデビュー55周年を迎える。