日本ジャズ界の重鎮であり、リヴィング・レジェンドの中牟礼貞則の新作アルバムが2025年4月9日にリリースされる。
その名も『アワ・ロング・ロード~ライヴ・アット・ノー・トランクス 2023』。
1960年代に出会って以来、数々のスタジオ・ワークやライヴで共演してきた渋谷毅(p)とのデュオによる、東京・国立のライブハウスNO TRUNKSで収録されたライブ作品だ。
録音時点で中牟礼90歳、渋谷83歳という、酸いも甘いも知り抜く2人によってくり広げられるジャズ・スタンダード演奏は芸術品であり、さまに国宝級。
互いのプレイに反応する“会話”のような部分が随所にあり、ジャズの楽しさを存分に伝えてくれる。ちなみに、中牟礼は渡辺香津美の師匠だ。
ジム・ホール(g)とビル・エヴァンス(p)の名盤『Undercurrent』(1962年)から60年以上の時を経て、ギター&ピアノ名盤リストに新たな1枚が加わった。
本作に関して、中牟礼は以下のように発言している。
この歳になっても弦を新しく張り替えると、なんとも言えないワクワクした気持ちが湧き上がってくるんです。90歳を過ぎてからCDを出そうなんてミュージシャン、これまでいなかったんじゃないですか?(笑) レコーディングで鍵盤楽器といったら、僕の中で渋谷さんなんです。渋谷さんと演奏するのが一番自由になれるんですよ ーー中牟礼貞則
また、5月15日発売の『Jazz Guitar Magazine Vol.14』では、本作について中牟礼が語ったインタビューが掲載されているので、そちらも要チェックだ。(文:久保木靖)
