高中正義が『高中正義 SUPER TAKANAKA WORLD LIVE 2025-2026』で使用した6本のギター 高中正義が『高中正義 SUPER TAKANAKA WORLD LIVE 2025-2026』で使用した6本のギター

高中正義が『高中正義 SUPER TAKANAKA WORLD LIVE 2025-2026』で使用した6本のギター

2025年9月から2026年2月にかけて全18公演開催された高中正義のライブ・ツアー、『高中正義 SUPER TAKANAKA WORLD LIVE 2025-2026』。ここでは、本ツアーで高中が使用した6本のギターをご紹介しよう。

取材・文=小林弘昂 機材撮影=星野俊 協力=高橋順一郎 コーディネート=近藤正義

Takanaka’s Guitars

1964 Fender
Stratocaster

50年以上の歴史が刻まれた
代名詞的な1本

1974年に原茂(六文銭)から譲り受け、それ以来50年以上愛用し続けている1964年製ストラトキャスター。撮影時のライブでは20曲中7曲で使用され、いまだに現役のメインとして活躍している。

もともとはスモール・ヘッドで貼りメイプル指板という珍しいネックが搭載されていたが、長年の使用により調整が難しくなり、2004年頃にマスタービルダーのデニス・ガルスカが製作した22フレット仕様のネックに差し替えられた。このネックには、GOTOHのマグナム・ロック・ペグとLSRのローラー・ナットが搭載されている。

また、高中のすべてのギターのネックには、不要な倍音や共振を抑えるためにGruv GearのFretWraps String Mutersが装着されていた。

以前はバック・プレートが取り付けられていたが、現在ははずされている。スプリングはハの字に3本張られていた。

ボディ・サイドのシール痕に関しては、右腕が当たる部分のため、おそらく高中がクッションを貼ったものだと思われる。

高中曰く、“ストラトが一番キレイなハーフ・トーンが出せる”とのことで、「OH! TENGO SUERTE」や「トーキョーレギー」などのクリーンがメインの楽曲ではリアとセンターのハーフ・ポジションを選択。歪ませる際は、リアもしくはフロントに切り替えるそうだ。ピックアップはオリジナルではなく、すべてSeymour Duncan製のものに交換されている。

ほかにもブリッジが2点支持、ブロック・サドルのものに交換されていたり、コントロールがマスター・ボリュームとマスター・トーンの2ノブに改造されていたりと、50年にわたる使用の中で様々な手が加えられた。

弦はD’AddarioのSuper Light Plus(.0095〜.044)で、チューニングはレギュラーにセッティング。

プロ・ギタリスト10人が語るストラトキャスターの流儀(有料会員限定)

ギター・マガジン2022年7月号

使用楽曲(2025年9月12日@かつしかシンフォニーヒルズ)

  • 「BRASILIAN SKIES」
  • 「JUNGLE JANE」
  • 「Illusion」
  • 「SUMMER YOU」
  • 「Mido」
  • 「OH! TENGO SUERTE」
  • 「トーキョーレギー」

1998 Yamaha
SG-2000MT

ラグーン・ブルーをまとった
シグネチャーSG

1998年にYamahaから220本限定で発売された高中のシグネチャー・モデル、SG-2000MT。長らく倉庫にしまわれていたが、2010年頃に発見し、再び使用されるようになった。

本器は、「BLUE LAGOON」(1979年)のリリース時に特注で製作されたブルー・カラーのYamaha SGを再現したものである。当時、高中はウィンド・サーフィンをしに行くことが多く、訪れた海の写真をYamahaのスタッフに見せて“この色にしてほしい”と頼んだという。

ボディ・トップはメイプル、バックはマホガニー、ネックはマホガニー、指板はエボニーが採用されている。

ヘッド裏には“002”と書かれたシールが貼られていた。おそらくオリジナルとシグネチャーを見分けるためのものではないだろうか。

Yamaha SGは重量があるため体への負担が大きく、ライブでは最初の数曲でしか使用しないとのこと。

使用楽曲(2025年9月12日@かつしかシンフォニーヒルズ)

  • 「BLUE LAGOON」
  • 「RADIO RIO」
  • 「BELEZA PULA」

Yamaha
SG “KARUIZAWA 新緑”

ファンがモディファイした
軽量化SG

高中がライブのMCで“Yamaha SGが重たい”と愚痴をこぼしたところ、とある女性ファンの呼びかけによって10名ほどの有志が集まり、高中のために軽いSGタイプのギターを製作するプロジェクトが立ち上がった。

本器はバーズアイ・メイプル・トップが特徴のYamaha SGをもとにファンが軽量化のモディファイを施したもので、ボディ・バックを削って重量を3.38kgまで落としたという。完成後、2024年9月に高中のもとへ贈られた。モデル名は“KARUIZAWA 新緑”で、高中が暮らしている軽井沢にかけたネーミングとなっている。

ピックアップはSeymour DuncanのSH-1n ’59 Model(フロント)、SH-1b ’59 Model(リア)を搭載。

使用楽曲(2025年9月12日@かつしかシンフォニーヒルズ)

  • 「SEXY DANCE」
  • 「Saudade」
  • 「PALM STREET」

Yamaha
SG “KARUIZAWA 2 紅葉”

ダブル・ロッキング・トレモロ・ユニット搭載の
モディファイ2号器

こちらも有志のファンがモディファイを施した2本目のYamaha SGで、“KARUIZAWA 2 紅葉”と名付けられている。2025年1月に贈られたものだ。重量は3.27kg。

本器にはGOTOHのダブル・ロッキング・トレモロ・ユニット“GE1996T”が搭載されており、そのためボディ・バックにはスプリングやトレモロ・ブロックを収納するキャビティも開けられている。

スプリングは左右に1本ずつ張られていた。以前はアーミングの際にチューニングがズレていたようだが、スプリングをネジでロックすることにより現在は安定しているとのこと。

もともとはナットもロック式のGOTOH GHL-1が搭載されていたが、チューニングが狂うことが多かったため、現在はGHL-1を取りはずして接木をし、牛骨ナットに交換されている。

ネックは24フレット仕様なのだが、高中は22フレットまでしか使用しないため、“それ以上は音が鳴らないようにしてくれ”という要望により、23〜24フレットにはピンク色のテープが貼られていた。指板材はローズウッドが採用されている。

ピックアップはOPG Alnico Ⅴを2基搭載。SGもフレーズによってピックアップを切り替えており、例えば「SHAKE IT」のメロディ・パートではフロント、ギター・ソロではリア、カッティング・パートではミックス・ポジションを選択していた。

使用楽曲(2025年9月12日@かつしかシンフォニーヒルズ)

  • 「SHAKE IT」
  • 「渚・モデラート」
  • 「YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE」

2022 EDWARDS Platinum Edition
KARMASTER

軽量ボディがお気に入りの
滝 善充シグネチャー・モデル

2024年に購入した、滝 善充(9mm Parabellum Bullet)のシグネチャー・モデルであるKARMASTER。本モデルは超軽量ボディが特徴で、本器の重量は約2.7kg。高中もこの軽さを気に入っているようだ。

ボディ厚は17mm。ピックアップやブリッジなどが載っている中央の部分には上下に7.5mmのアルダーをラミネートし、32mmとなっている。薄型ボディのため体に当たると痛いそうで、高中自らがクッションを貼ったとのこと。

ボディはアルダー、ネックはハード・メイプル、指板はパーフェローという材構成。

ピックアップはSeymour DuncanのSH-6n(フロント)とSH-6b(リア)を採用。薄型ボディとハイ・パワー・ピックアップという組み合わせのため、歪ませるとハウリングが起こりやすいそうで、ギター・テックの高橋順一郎氏によりピックアップには振動を抑えるためのテープが貼られていた。

コントロールはマスター・ボリュームのみで、テープでMAX位置に固定されている。

使用楽曲(2025年9月12日@かつしかシンフォニーヒルズ)

  • 「M 5」
  • 「TROPIC BIRD」
  • 「READY TO FLY」

2004 Lumtric Company
Surf Board Guitar

本物のサーフ・ボードを使用した
アイコニックな1本

2004年に埼玉県の工房“ラムトリックカンパニー”によって製作されたサーフ・ボード・ギター。本物のサーフ・ボードをくり抜き、Sonic製の小型ギターをジョイントさせたものだ。

高中曰く、“くり抜いたおかげですごく軽くなったし、ジャンプもできるし、意外と音も良い”。持ち運びの際はボードとギターをバラして別々のケースに入れているそうだ。

2基のハムバッカーはYamaha SGと同じものが、センターのシングルコイルはGOTOH製が搭載されている。本器は広い会場で使用することを想定して製作されており、高中は以前のインタビューで、“広い会場でディストーションを効かせて、ドーンとやりたかった。僕がディストーションに一番向いていると思うのがYamaha SGのピックアップだからね”とコメント。たまにハーフ・トーンを使用することもあり、シングルコイルも搭載したのだという。

使用楽曲(2025年9月12日@かつしかシンフォニーヒルズ)

  • 「Jumping Take Off」

2025年9月12日(金)かつしかシンフォニーヒルズ


【Setlist】
01. BLUE LAGOON
02. RADIO RIO
03. BELEZA PULA
04. BRASILIAN SKIES
05. JUNGLE JANE
06. Illusion
07. SUMMER YOU
08. SHAKE IT
09. 渚・モデラート
10. Mido
11. OH! TENGO SUERTE
12. トーキョーレギー
13. SEXY DANCE
14. Saudade
15. PALM STREET
16. M 5
17. TROPIC BIRD
18. READY TO FLY

-Encore-
19. Jumping Take Off
20. YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE

ギター・マガジン2026年10月号
『ソロ・デビュー50周年総力特集 高中正義』

9月11日(金)発売のギター・マガジン2026年10月号では、世界的にムーブメントを巻き起こしているTAKANAKAサウンドを、本人インタビューや最新使用機材の紹介、奏法分析など多角的に分析する総力特集を掲載。