『A LONG VACATION』のギター名演を弾く。 『A LONG VACATION』のギター名演を弾く。

『A LONG VACATION』のギター名演を弾く。

本特集のメイン・コンテンツ=鈴木茂&村松邦男による特別対談の中でも話題に上がった楽曲の中から、ギタマガWEB的に“イマ弾きたい”フレーズを厳選して譜例を作成してみました。エヴァーグリーンなその魅力を、弾いて確かめましょう!

譜例作成/解説=安東滋 浄書=Seventh

「雨のウェンズデイ」風
モチーフ展開を含むシンプルなメロディ・プレイ

 印象的な旋律をゆったりと歌っていくソロ・パートを模写したモデリング譜例(参考CDtime=2’35″~)。演奏者は、はっぴいえんど時代からの朋友=鈴木茂です。シンプルなメロディ・プレイなので奏法面でのポイントは特にないのですが、音楽性そのものに目を向けてみれば、譜例前半でのモチーフを膨らませていくナチュラルな旋律作りに一番のツボがあると感じます。この、鈴木茂が紡ぎ出すセンス溢れるメロディ感覚にこそ、本ソロの一番の“妙”があると言えるでしょう。氏の代名詞でもある、コンプの効いたクリーン・トーンも魅力的に響きます。

 また楽曲アレンジの面で見渡すと、本ソロ・パート手前のkey=Dから、決めセクションでの部分転調を経由してkey=Eに移行する……この技ありの転調アイディアにも注目したいところです。

参考音源

「我が心のピンボール」風
きっちりと構成された“書きソロ” 

 村松邦男が演奏するメイン・ソロをイメージした模擬譜例(参考CDtime=2’15″~)。全12小節のスペースの中で起承転結の場面転換がかっちりと構成された、いわゆる“書き譜”です。譜例中盤から後半にかけて配置されるダブル(ユニゾン)・チョーキングの連打もその構成感をアピールする効果的なスパイスでしょう。また、3&4小節目にかけてのフレーズは歌メロのモチーフをさり気なく組み込んだもの。このあたりの洒脱なセンスもニクいですね(笑)。

 なお本曲のkeyは実音だとA♭ですが、楽曲全体のギター・パートを見渡すとアコースティック・ギターも含めすべて“全弦半音下げチューニング”で演奏されている模様。よって本ソロも同チューニングで演奏されているものと推測し、key=Aで採譜しました。

参考音源

作品データ

『A LONG VACATION 40th Anniversary Edition』

ソニー/SRCL-12010~12011/2021年3月21日リリース

―Track List―

【CD1】
01.君は天然色
02.Velvet Motel
03.カナリア諸島にて
04.Pap-pi-doo-bi-doo-ba物語
05.我が心のピンボール
06.雨のウェンズデイ
07.スピーチ・バルーン
08.恋するカレン
09.FUN×4
10.さらばシベリア鉄道
【CD2】
『Road to A LONG VACATION』

―Guitarists―

安田“同年代”裕美、三畑卓次、笛吹利明、福山享夫、川村栄二、松下誠、松宮幹彦、吉川“二日酔ドンマイ”忠英、徳武弘文、村松“カワイ・ギター教師”邦男、鈴木“Hoseam-O”茂