岡田拓郎をナビゲーターに迎え、カテゴライズ不可能な個性派ギタリストたちの作品を紹介する連載、“Radical Guitarist”。前回紹介した、アメリカの作曲家/トランペッターのジョン・ハッセルが提唱した“第四世界”。このコンセプトをギタリスト目線で楽しむためのプレイリストを、岡田に組んでもらった。
文/選曲=岡田拓郎 デザイン=山本蛸
第四世界とは?
ジョン・ハッセルが提唱した“第四世界”とは、あらゆるトラディショナルなサウンドと現代的なアプローチが渾然一体となった音響世界として提示された。この言葉が初めてタイトルに表われた、ブライアン・イーノとの共作『Fourth World, Vol. 1: Possible Musics(邦題:第四世界の鼓動)』(1980年)を聴いてもらえれば、その一端が掴めるだろう。
このコンセプトのもとハッセルは、この世界に存在している様々な音楽、文化的な要素を取り入れた想像上の場所(音楽)を表現した。そこは空間的な影響だけでなく、時間的な要素も融合させ、過去と未来が彼の音楽の中で不可避的に絡み合っている。例えば太古の昔にナイル川で奏でられたハープと、アメリカの最先端都市で奏でられたデジタル・シンセのテクスチャーが、最新のソフトウェア上で作られたビートの中で融合しているのだ。
─── Radical Guitarist 第16回『ジョン・ハッセルが提唱する“第四世界”とは?』より
著者プロフィール
岡田拓郎
おかだ・たくろう◎1991年生まれ、東京都出身。2012年に“森は生きている”のギタリストとして活動を開始。2015年にバンドを解散したのち、2017年に『ノスタルジア』でソロ活動を始動させた。現在はソロのほか、プロデューサーとしても多方面で活躍中。