ジャスト、前ノリ、後ノリ | ギター上達100の裏ワザ:084 ジャスト、前ノリ、後ノリ | ギター上達100の裏ワザ:084

ジャスト、前ノリ、後ノリ | ギター上達100の裏ワザ:084

「こんな練習方法や考え方があったのか!」……読むだけで上達する魔法のギター講座

文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく
*この記事は書籍『ギター上達100の裏ワザ 知ってトクする効果的な練習法&ヒント集』(リットーミュージック刊)の内容を転載したものです。

ノリを出すには ➡ “点”を想定しよう

 “前ノリ” “後ノリ”という言葉を耳にすることがあります。これは、自分がプレイする音の“点”が、正しいテンポの上でどこにあるか?という話です。

 もともとが持ち合わせているリズム感は人それぞれで、実際には非常に細かい時間差(0.01秒とか)でズレているのです。その中で、ほぼズバリのタイミングを“ジャスト”と言います。メンバー全員が完璧なジャストだと、同時に音を発することになり、音を消し合ってしまいます。よって、現実的には少しずつズレていてもいいのです。

リズム感は人それぞれ
リズム感は人それぞれ

 ただし、その“ノリ”は1曲において、ある程度一定である必要があります。“前ノリ”は常にテンポの前で乗っていける人、“後ノリ”はその逆です。が、バラバラだと“ノリ”とは言えないわけです。また、これらを自在にコントロールできる人が“リズムが良い”と言われます。

 例えば、8分音符をスタッカートでプレイするとして、各音の切り方は、1小節内で固定する必要はありません。が、小節のくり返しとしては、バラバラではノリが出ません(セクションが変われば替わりますが)。“前ノリ”ならば“前ノリ”で、“音の切り方”も一定のパターン──これをくり返すのが上手いプレイです。

前ノリ、後ノリ、バラバラ
前ノリ、後ノリ、バラバラ
各音の切り方は固定する必要はない
各音の切り方は固定する必要はない

 合奏では、メンバーがそれぞれ個人のノリを出します。各自が“架空のクリック音”とでも言える“点”を想定してプレイしているのです。その位置が、メンバー全員同じであれば、ノリの良いバンドになります。これがズレていると、ノリが悪くなるわけです。もちろん、他人のプレイを聴いてから音を出すのでは、遅れてしまいます。みんなが同時に“点”を合わせるのが、合奏の秘訣です。

 この“点”は、スピード変化することもあります。これが、メンバー全員で一致団結していれば“テンポ・アップ”、“タメ”になりますが、単独だと“走る(下図)”、“モタる”ということになります。

合奏では全員の想定する“点”を合わせる必要がある
合奏では全員の想定する“点”を合わせる必要がある

『ギター上達100の裏ワザ 知ってトクする効果的な練習法&ヒント集』

著者いちむらまさき
品種電子書籍
発売日2006.05.17
ISBN9784845613168

いちむらまさき プロフィール

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

様々な雑誌に記事を書きつつ、『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)などを執筆。

東京でギター/ウクレレ楽器教室も。

◎公式サイト→https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki