ギタリストならではの、目からウロコな作曲法があふれ出す!
文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく
*この記事は書籍『ギター作曲100の裏ワザ 知ってトクするおもしろアイディア&ヒント集』(2010年/リットーミュージック刊)の内容を転載したものです。
どうやってメロディを作るか分からない人は ➡ 左手の届く限界を知れば、気持ちがラクになる
アコギでフィンガー・ピッキングをやっている人は、裏ワザ034、035の譜例が割とラクに弾けたはずです。この2つの譜例に、アコギのソロ・インストでメロディを作るヒントがあります。
当たり前のことですが、手が届かないフレットの音は同時には鳴らせません。ある程度のコード音を残しつつメロディを弾くには、余ることの多い小指を使うか、コードを押さえている指を離す(開放弦使用)か移動したフレットでメロディを作る、というのが基本になります。
例えば、ロー・ポジションCコード近くで指が届く範囲は、次の図の薄いグレー部分です。
薬指のド(5弦3フレット)を残したまま、指の動かせる範囲が点線内。メロディで重視されるトーン6割の法則が「ドレミ……」と表記したフレットです。これで、メロディに使用する音を莫大な量から選ばなくても済みます。もし違うメロディにしたい場合は、ハイ・ポジションを使用すればいいのです。
Aを弾く時に5フレットあたりを使うと、1弦8フレットあたりまで指が届きます。その際に5弦開放をルート音として使えば、左手がラクになります。同様に、Eルートでは6弦開放、Dルートでは4弦開放を使えば、かなりハイ・ポジションでもメロディが弾けます。これら以外のコードでは、セーハが必要であったり、どこかでベース音を押さえるとしても、この3種類が出てきた時だけはラクができます(下の図以外のポジションもたくさんあります)。
この3種類に関してはメジャー・コードだけでなく、マイナーでも、複雑な構成音のコードでも、とりあえず「AとEとDをベース音にすれば、ハイ・ポジション・プレイもラク」ということです。
例えば、Aキーのスリー・コード・ブルースをセブンスを使用して弾く場合でも、ずっと開放でベース音を弾き続け、ハイ・ポジション・プレイをすれば、幅広く指板を使って演奏することができます。
『ギター作曲100の裏ワザ 知ってトクするおもしろアイディア&ヒント集』
著者 | いちむらまさき |
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品種 | 電子書籍 |
紙版発売日 | 2010.03.19 |
紙版ISBN | 9784845617968 |
いちむらまさき プロフィール
岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。
様々な雑誌に記事を書きつつ、『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)などを執筆。
東京でギター/ウクレレ楽器教室も。