自分のギター・プレイの哲学は
1つの塊をどうぶつけるかだけ。
レコーディングで使用したギターは、やはりギブソンSGですか?
今回は61年製のSGと、高校生の時から使っている2002年製SGの2本を使用しています。
2本の使い分けはどのように?
実はあまり使い分けっていう感じはなくて。2020年までは61年製のSGをメインで使っていたんですけど、昨年、2002年のSGをメインに戻そうとしてたんですよ。
なぜまた2002年製に戻そうと?
61年製はめちゃくちゃいい音がしする素晴らしい楽器なんですけど、ちょっと優等生すぎるというか、自分にとっては完璧すぎるんです。そこが何かつまんなくなっちゃったんですよ。もともと使っていた2002年製はバランスが悪いんですけど、コシがあるというか、ロー・ミッドから上に抜けてく感じが特徴的な音だったりもして、そこが気に入ってまた使い始めたという感じですね。
やはりSGは小野さんのプレイ・スタイルに必須なんですね。
基本的に僕のギター・プレイの哲学として、SGが1本、フロント・ピックアップで、アンプも変えず、足下も特にないっていうのがあるので、この1個の塊をどうぶつけるかだけなんですよ。アコースティック・ギター的な考えかもしれないけど、そういうフィジカルが必要になる無骨なスタイルが好きなんです。
今回のレコーディングも基本的に変わらないセットアップということですか?
はい。使っているエフェクターも昔からほとんど変わってないんですよ。でもアンプをマーシャルのJCM2000からJCM800に変えたのは大きかったです。やっぱりアンプで歪みを作るのは、プレイのニュアンスに直結しますからね。
JCM800のセッティングのコツは?
基本的に800ってハイが抜けてくるので、トレブルを上げず、逆にべースを上げていくと、音がどんどん潜ってくんです。潜りすぎず、でもちゃんと抜ける状態を作るのに必須なのがやっぱボリュームなんですよね。そしてPRE-AMPの突っ込み具合。レコーディングだと、ライブでは音が大きすぎて演奏できないぐらいボリュームを突っ込んでいて、そうするとおのずとアンプがドライブしてくんですよ。
ほとんどセットアップが変わっていないとのことですが、今後増やしたい機材はありますか?
実はストラトキャスターやテレキャスター、ジャガーとかも、もともと好きなんですよ。この間もPEDOROと対バンして、田渕ひさ子さんがジャズマスターを使っていて、エフェクトの使い方もすごく上手くて、ああやってエフェクターを使うのもいいなと思ったりして。ただ、そういう憧れがありますけど、今後機材が増えていく予定は現状ないですね。
やはり今のシンプルな機材が小野さんのスタイルにはフィットしていると。
今作でいうと「ラグエモーション」のような曲にこそエフェクトが映えると思うんですけど、そこにいかないっていうのが今の自分のスタイルなんです。世間的には“こっちのほうが正解だね”っていうのはあるとは思うんですが、そこにはいかずに、自分のやり方でどんな曲でも表現するっていうのが重要だと思っていますね。
最後の質問となりますが、今後KEYTALKとしてどのように活動していきたいですか?
現在コロナがあって、年単位でスケジューリングが立てづらい状況なんですが、その時代に合わせてフレキシブルに対応していきたいです。やっぱり根底にはライブでみんなと一緒に楽しんでいきたいっていう気持ちあるので、そこを大事にしながら、僕ら4人のペースで進んでいければいいですね。