文:中島康晴(ギター・マガジン編集部)
ギター・マガジン表紙登場回数最多ギタリスト・ランキングの第4回です。
7位は2名でした。
【7位 – 表紙登場回数:9回】
ジミ・ヘンドリックス
ジョージ・ハリスン
ジミ・ヘンドリックス
ジミ・ヘンドリックスの表紙初登場は1994年の2月号でした。「この偉大なギタリストをなぜそれまでギター・マガジンの表紙にしてこなかったのか?」と不思議に思う人もいるかもしれません。でも創刊から1990年代初頭までのギター・マガジンは、ニュー・アルバムをリリースした人の中から表紙のアーティストを選ぶことがほとんどだったため、没年が1970年のジミを取り上げることはたぶん難しかったのです。なにしろ本人への取材ができないわけですから(恐山のイタコに憑依した津軽弁のジミ・ヘンドリックスにインタビューをしたすごい雑誌もありましたが)。
しかし1990年代の半ばからは、トリビュート盤や未発表音源・映像のリリースをきっかけとしたり、「ジミ・ヘンドリックスとジャズ」「ウッドストックのジミ・ヘンドリックス」などの切り口を作って、彼を表紙にすることが増えてきました。そうした企画でジミが表紙になった号が2000年代では4冊、2010年代にも3冊あります。
中でも「ジミヘンという宇宙。」という特集を組んだ2018年4月号は、全ページの半分以上がジミ・ヘンドリックスの記事となりました。ひとりのギタリストにこれだけのページ数を割いたのは、ギター・マガジン史上でも初めてのことです。
ジミ・ヘンドリックスが亡くなった日(1970年9月18日)からすでに半世紀が経過しましたが、影響力は今なお絶大。この先またジミがギター・マガジンの表紙を飾る日が来るかもしれません。
ジョージ・ハリスン
ジョージ・ハリスンがギター・マガジンの表紙に初登場したのは1996年2月号でした。 表紙写真はごく初期のビートルズ(1960年頃)です。3人の髪型はリーゼントで、ベースを持っているのはポール・マッカートニーではなくスチュアート・サトクリフです。
ジョージが次に表紙になったのは、書籍『THE BEATLES アンソロジー』日本語版の発売を記念した特集を掲載した2000年10月号です。アルバム『アビイ・ロード』についてのジョージ、ポール、リンゴ・スター、ジョージ・マーティン(プロデューサー)の発言を同書から転載していますが、その中でも印象深いのが、ジョージの名曲「サムシング」に対するポール、リンゴ、マーティンからの大賛辞でした。
2002年3月号は、2001年11月29日に他界したジョージの追悼号です。この号の特集『What Is Life 1943-2001』には、音楽ジャーナリストDan Forte氏による追悼記事、愛器の数々を紹介した「Here Comes His Guitars」、ジョージのあの素晴らしいスライド・ギターを中心とした奏法分析などを掲載しました。
2008年8月号は親友エリック・クラプトンとのツーショット。1969年にジョージがデラニー&ボニーのライブに参加したときの模様です。そういえばここでジョージが弾いているサイケデリック模様のストラトキャスターを再現したモデルが、フェンダー・カスタムショップから間もなく発売されますね。
さて、10位以内にランクインしたギタリスト20人のうちの11人が判明しました。まだ途中ですが、発表済みの人名をここでまとめておきます。
【7位 – 表紙登場回数:9回】(今回発表)
ジミ・ヘンドリックス
ジョージ・ハリスン
【8位 – 表紙登場回数:8回】
ジョン・フルシアンテ
【9位 – 表紙登場回数:7回】
B.B.キング
スティーヴ・ヴァイ
スティーヴ・ルカサー
松本孝弘
【10位 – 表紙登場回数:6回】
ジョー・ペリー
ポール・マッカートニー
ロン・ウッド
野呂一生
また初回で出したクイズ4問も以下に再掲出します。すでに答えがわかっている質問もありますが、正解は最後の回にまとめて発表します。
【Q1】 この上位20人のうち、日本のギタリストは何人でしょうか? またそれは誰でしょうか?
【Q2】 上位20人の中の3人は同じバンドに所属していました。そのバンドとは?(答えがひとつとは限りません)
【Q3】 上位20人のうち、ギター・マガジンの創刊時(1980年)にはすでに故人だったギタリストがひとりいます。死してなおギター界に多大な影響を与え続けるその人の名は?
【Q4】 海外のギタリストと日本のギタリスト、それぞれのトップは誰?
次回の公開は2020年11月26日(木)の予定です。お楽しみに!