ギタリストなら絶対に聴くべきモダン・ジャズの名盤40(4/4) ギタリストなら絶対に聴くべきモダン・ジャズの名盤40(4/4)

ギタリストなら絶対に聴くべき
モダン・ジャズの名盤40(4/4)

『モダン・ジャズの名盤40』の最終回です。今回は10人のギタリストたちそれぞれの個性が際立つアルバム10枚を紹介します。

文・選盤=久保木靖

L.A.4
『Going Home』

●リリース:1977年
●ギタリスト:ローリンド・アルメイダ

ジャズ+クラシック+ブラジル

ガット・ギター奏者アルメイダが、盟友のバド・シャンク、そしてポール・ウィナーズのリズム・コンビと結成したユニットの3枚目。ブラジリアン&クラシック・テイストと西海岸ジャズの融合が最大の聴きどころだ。邦題「家路」で知られるタイトル曲を始め、しっかりと編曲された部分と即興のコントラストが抜群。独奏による「禁じられた遊び」も。

Sal Salvador
『Frivolous Sal』

●リリース:1956年
●ギタリスト:サル・サルヴァドール

クリスチャン直系のおおらかさ

スタン・ケントン(p)楽団で注目を集めた白人バッパーの3作目。と言っても、パーカー的なオルタード・テンションは少なく、チャーリー・クリスチャン流におおらかに歌っていくタイプだ。そんな中、アップテンポのタイトル曲や「All The Things〜」ではテクニカルな一面も。“フルアコ+アンプ”をダイレクトに感じることができる瑞々しいトーンが◎。

Rene Thomas
『Guitar Groove』

●リリース:1960年
●ギタリスト:ルネ・トーマ

クール名手のハード・バップ作

ベルギー出身のモダン派による傑作。トーマはジミー・レイニーのフォロワーだが、本作でのテナー・サックスとギターを前面に押し出したコンセプトと豪快なプレイはハード・バップに通じる。スタンダード「Like Someone In Love」などでの淀みない語り口は絶品。この2年前、トーマは穐吉敏子やソニー・ロリンズの作品に参加し米国でも名を上げた。

Attila Zoller
『Gypsy Cry』

●リリース:1970年
●ギタリスト:アッティラ・ゾラー

戦場のような壮絶インタープレイ

ドイツでクール・ジャズに取り組んでいたゾラー(ハンガリー出身)が、渡米後、自身のルーツと向き合った意欲作。東欧民族的なカラーは薄く、意外とストレートなジャズだ。ハービー・ハンコック(p)の参加がキモで、「Meet In Berlin」における戦場のようなインタープレイが壮絶。ウェスに捧げた「Wild Wild Wes」はいかにもな展開に胸キュン。

Ed Bickert
『Ed Bickert』

●リリース:1976年
●ギタリスト:エド・ビッカート

ハーモニーの魔術師の初作

ポール・デスモンド(as)との共演でも知られる、カナダ出身のハーモニーの魔術師によるデビュー作。ジム・ホールの『Live!』(1975年)と同じリズム隊を従えたトリオ編成で、色彩豊かなコード・ワークを次から次へと繰り出す(聴き慣れないボイシングもたくさん!)。使用ギターはハムバッカーを搭載したテレキャスターだ。邦題は『真夜中のビッカート』。

Ted Dunbar
『Opening Remarks』

●リリース:1978年
●ギタリスト:テッド・ダンバー

親指ピッカーによる斬新プレイ

ウェス・フォロワー最右翼の1st。実際にウェスにくっついて歩き、間近でそのプレイを吸収したというだけあって、当然、親指ピッカーである。一方で、ダンバーはジョージ・ラッセルが提唱した“リディアン・クロマティック理論”にも精通しており、本作は奏法的にはウェス直系であるものの、フレージングには斬新な要素が盛り込まれているのが特徴だ。

Hank Garland
『Jazz Winds From A New Direction』

●リリース:1961年
●ギタリスト:ハンク・ガーランド

カントリー界からの殴り込み!

ギブソン・バードランドのモデル名の由来としても知られるカントリーのテクニシャンがジャズに挑んだ快作。当時17歳のゲイリー・バートン(vib)と触発し合いながら、「All The Things〜」、「Move」といったスタンダードをとことんスウィングさせる。こんなに鮮やかにプレイされては本業ジャズメンもタジタジで、現に本作は若き日のベンソンに強い影響を与えた。

Gabor Szabo
『The Sorcerer』

●リリース:1967年
●ギタリスト:ガボール・ザボ

個性派によるオリエンタリズム

ベンソンで知られる「Breezin’」の初演者、かつサンタナがカバーした「Gypsy Queen」の作曲者のライブ作。ノンジャンル筆頭格のザボにしては比較的ストレートにジャズに取り組んでいるが、インド音階やシタール的効果を狙った開放弦フレーズなどエキゾチック極まりない。フォーク・ギターにピックアップを取り付けたテケテケ・サウンドも強烈だ。

Lenny Breau
『The Velvet Touch Of Lenny Breau-Live!』

●リリース:1969年
●ギタリスト:レニー・ブロウ

ギター・テクニックの見本市!

チェット・アトキンスのうしろ盾でデビューした天才の傑作ライブ。少年時代にカントリーを極め、その後ジャズに転向したブロウは、ギャロッピング奏法やバップ・フレーズはもちろんのこと、クラシックのトレモロ奏法までお手のもの。ハープのような人工ハーモニクスを駆使したフレージングも十八番(ジャケ写に注目)。華麗な技のオンパレードを堪能されたし!

Ted Greene
『Solo Guitar』

●リリース:1977年
●ギタリスト:テッド・グリーン

カリスマによるソロ・ギター作

スティーヴ・ヴァイにも影響を与えたカリスマによる唯一のオリジナル作品。グリーンが師と仰ぐジョージ・ヴァン・エプスの7弦ギターのような低音が響いてくるが、それは全弦1音半下げチューニングによるもの。テレキャスターを使ったフィンガーピッキング・スタイルで、特にウォーキング・ベースとアドリブが同時進行する「Just Friends」にはしびれる!

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*本記事はギター・マガジン2021年5月号にも掲載しています。

『ギター・マガジン2021年5月号』

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