スタン・ケントン(p)楽団で注目を集めた白人バッパーの3作目。と言っても、パーカー的なオルタード・テンションは少なく、チャーリー・クリスチャン流におおらかに歌っていくタイプだ。そんな中、アップテンポのタイトル曲や「All The Things〜」ではテクニカルな一面も。“フルアコ+アンプ”をダイレクトに感じることができる瑞々しいトーンが◎。
ベルギー出身のモダン派による傑作。トーマはジミー・レイニーのフォロワーだが、本作でのテナー・サックスとギターを前面に押し出したコンセプトと豪快なプレイはハード・バップに通じる。スタンダード「Like Someone In Love」などでの淀みない語り口は絶品。この2年前、トーマは穐吉敏子やソニー・ロリンズの作品に参加し米国でも名を上げた。
ドイツでクール・ジャズに取り組んでいたゾラー(ハンガリー出身)が、渡米後、自身のルーツと向き合った意欲作。東欧民族的なカラーは薄く、意外とストレートなジャズだ。ハービー・ハンコック(p)の参加がキモで、「Meet In Berlin」における戦場のようなインタープレイが壮絶。ウェスに捧げた「Wild Wild Wes」はいかにもな展開に胸キュン。
ギブソン・バードランドのモデル名の由来としても知られるカントリーのテクニシャンがジャズに挑んだ快作。当時17歳のゲイリー・バートン(vib)と触発し合いながら、「All The Things〜」、「Move」といったスタンダードをとことんスウィングさせる。こんなに鮮やかにプレイされては本業ジャズメンもタジタジで、現に本作は若き日のベンソンに強い影響を与えた。