最終回のテーマは「関東圏での隆盛〜ホンモノとの共演」。東京を拠点としたバンドのアルバムと、日本のギタリストたちが本場アメリカのブルースマンと共演したライブ盤を中心に紹介します。
文・選盤=久保木 靖
Phillip Walker Band With George “Harmonica” Smith
『The Blues Show! Live At Pit Inn 1979』
若き日の吾妻&山岸が大活躍!
テキサス・ブルースの流れをくむモダン派の初来日公演をとらえた1枚。時にトリッキーなフレーズを放つウォーカーに対し、リズム・ギターを担った吾妻は「That’s All Right」や「Mississippi River Blues」でダウン・ホームなソロを披露。ゲスト参加の山岸はエルモア・ジェームスでも知られる「Yonders Wall」で吠える! ハープは大御所ジョージ・スミスだ。
Various Artists
『Yeah Records Singles Collection』
80年代のシーンを捉えた名コンピ
ビーイング系列のブルース専門レーベル“Yeah Records”に残されたシングルのコンピ。ジャニス・ジョプリンそっくりな桜井ゆみ(「Move Over」でのギターはB’zの松本!)など楽しい。特に注目したいのは、吾妻&チャールズ清水(k)をバックにしっとり仕上げた妹尾隆一郎(harp)の「I’m Still~」や、ジャズ的なプレイに挑んだ塩次の「Evening Baby」だ。
*本記事はギター・マガジン2021年7月号にも掲載しています。