崎山蒼志の未知との遭遇 第3回:買いました/Ovation 1271 Viper 崎山蒼志の未知との遭遇 第3回:買いました/Ovation 1271 Viper

崎山蒼志の未知との遭遇
第3回:買いました/Ovation 1271 Viper

新世代のシンガー・ソングライター/ギタリスト、崎山蒼志の連載コラム。1人のミュージシャンとして、人間として、日々遭遇する未知を自由に綴っていきます。 月一更新です。

デザイン=MdN

自分がやりたい音楽を
示唆してくれるギターかも・・・!?

 Ovation 1271 Viperというエレキ・ギターを購入しました! ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、私自身オベーションのエレアコをずっとメインで使用していまして、オベーションには多大なる恩恵を受けています。(直接やり取りさせていただいているのはモリダイラ楽器様ですね。連載第一回でも触れたのですが、モリダイラ楽器様のご厚意ご協力により、オベーション・カスタム・ショップにて「アダマス」というモデルを自分なりにカスタムする、という貴重な経験をさせていただきました。今はそちらをメイン使用しています。)

Ovation 1271 Viper

 そんなオベーションのエレキ・ギター! 物珍しさもありますが、ヴァイパー自体は以前から認識していました。ですが、このボディのサンバースト、白いピックガード、メイプル指板の組み合わせを見たのは初めてです。

 形からの印象が大きいのでしょうが、どこかひょうたんのようにも思えます。ピックガードには小さくViperと記されていて(彫られていて)、そこもなんとも気に入っています。

 そして注目しますはピックアップ。なんと私の購入したヴァイパーにはオベーションのエレキ・ギターの別機種、「プリーチャー」や「ディーコン」用のピックアップが搭載されているのです……! 通常のヴァイパーには、厚さ的にはミニハムのようにも見える2つのシングルコイル・ピックアップが搭載されています。ですが、購入したヴァイパーに搭載されているそのピックアップはミニハムです。

 フロントとリアが離れている+メイプル指板、ボディ材の効果もあってか、音はテレキャスのようにも感じられます。柔らかさの中に、どこかキャリっとしたトレブルが忍び込んでいるようなクリーン・トーンは心地良いです。非常に金属的な見た目のピックアップですよね。

 あと、なんと24フレット! 25フレット目に差し掛かるあたりで謎の彫刻風に終わっています。奇妙ですね。ブリッジもなんとも不思議で、私自身まだ仕組みがいまいちわかっていないのですが、ボディの裏にネジが付いていまして、そこで弦高を下げたりできるようです。少し下げていただいたのですが、買った当初はブリッジとボディの接着面に隙間があり、なんとそのことによってアーミングのようなことができたらしいのです……! 今度またチャレンジしてみます。(それも、そのままブリッジを押すというスタイルでのアーミング的プレイかもしれません。ワイルドですね。)

 なんとも可愛らしく、まだまだ謎が多いギターで、まさに未知との遭遇と呼べるのではないでしょうか。1970年代製というのが個人的は驚きでした。あまりにも時代感がよくわからないギターのように思います。またリイシューとして生産して欲しいギターです。オベーション様、頼みます!

 先ほどサラッと触れましたが、プリーチャーやディーコンも素敵なギターですよね。プリーチャーはダブル・カッタウェイのヴァイパーのような見た目で、ディーコンはこれまた一発で覚えてしまいそうな出立ち。スタインバーガー・クラインにも受け継がれる人間工学デザインだそうです。当時のカタログなんかもネットに落ちていまして、そこにあった白いボディ&マッチング・ヘッド、エボニー指板のプリーチャー(「also Deluxe」と表記されています、4ノブで1281でしょうか)も可愛らしく気になります。オベーションのソリッド・ボディ・エレクトリック・ギター、非常に魅力的です。

 私が購入したOvation 1271 Viper Maple Fingerboard late70’s Sunburst ! これから大切に使っていきたいです。自分のやりたい音楽にどんどんフィットしていくような、否、もしかしたら自分がやりたい音楽を示唆してくれているギターかもしれません。これからよろしくお願いします。

著者プロフィール

崎山蒼志

さきやま・そうし。2002年生まれ、静岡県浜松市出身のシンガー・ソングライター。現在19歳。2018年、15歳の時にネット番組で弾き語りを披露、一躍話題に。独自の言語表現で文芸界からも注目を浴びている。

Official HP>
Instagram>
Twitter>