新世代のシンガー・ソングライター/ギタリスト、崎山蒼志の連載コラム。1人のミュージシャンとして、人間として、日々遭遇する未知を自由に綴っていきます。 月一更新です。
デザイン=MdN
最初は子ども用の小さなクラシック・ギターでした。
皆さんはギターをどれほどお持ちでしょうか。弾き始めた時に買ったギター、もう手放してしまったギター。そういえば自分自身でも、私の所有してきたギターについて回想する機会がなかったので、今回は私の歴代メイン・ギターについて書いていきたいと思います。
遡るは4歳頃、仮面ライダーと、母の影響でビジュアル系が大好きでありました(今も大好きです)。ギターを知り、憧れて「ギターをやりたい」と発言したところ、母方の祖母の家にギター教室のチラシが入っており、習い事としてそこに通わせてもらえることになりました。まずは基礎からということで、初めて私が所有したギターは、子ども用の小さなクラシック・ギターでした。KAWAI製だったと思います。それと同時期に、父方の祖父が、子ども用サイズのエレキ・ギターをプレゼントしてくれました。メーカーは不明です。しばらく、クラシック・ギターをメインにギターを触っていました。
時が経ち小学2年生頃、当時所有していたエレキ・ギターよりも、もう少しちゃんとしたエレキが欲しいと思い、楽器店に出向きフェルナンデスのZO-3を買ってもらいました。アンプが内蔵されていることと、ギターのサイズが大きくないことが決め手でした。オーソドックスなイエロー・カラーの個体です。初めてギター教室で、バンド編成のギター・ボーカルをした時もこのギターでした。そこからまたしばらくは、ZO-3を使っていました。
小学6年生頃でしょうか、テレキャスターへの興味が膨らんでいました。赤いテレキャスターです。父方の実家のほうに行った際、京都の楽器店で初めて触れ、中学の入学お祝い金の前払いだ! みたいな形で、そのままフェンダーの日本製のテレキャスターを買ってもらいました。めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。白いラインが入ったキャンディ・アップル・レッドのテレキャスターで、中学生のバンドに熱中していた時代も、そのギターに支えられることとなります。
中学に入り、バンドをしていく中で、一人で弾き語りをするイベントなんかも出てみたらとお誘い頂き、弾き語りをするのならアコギだろうと、どんなアコギが欲しいか想像していました。
浅井健一さんが、BLANKEY JET CITYのライブ映像でオベーションを弾いていたのを見て、そのサウンドの鋭利さに撃ち抜かれ、オベーションを弾こうと決めました。楽器店で試奏し、Ovation Celebrityのモデルを当時貯めていたお年玉貯金で購入しました。そこからオベーションのギターは私の代名詞的な存在となり、今も尚扱い続けるギターとなりました。
中学三年生頃でしょうか、知人にハグストロームのセミアコを頂きました。明るいサンバーストと、P-90的なピックアップ、非常に扱いやすく愛らしいギターです。フェンダー・テレキャスターと併用して、バンドでそれを使用していました。
高校一年生の頃、ネットでのバズを体験し、有難いことに、「五月雨」と「夏至」という曲のシングルでデビューしました。その冬、この連載でも度々名前をあげているDanelectro U-1と出会います。見た目が直球で好きで、否応なしに購入しました。ソロで演奏する際は、エレキとしてメインで使用することが多いです。
その後、ソロとしてバンド形態でも演奏することが増えていく中、憧れでありましたギブソンのSG Specialを購入しました。70年代の個体で、パワーのあるソリッドな音が気に入っています。渋柿のような、色合いも気に入っています。
オベーションも、CelebrityからExotic Wood Eliteを貸していただき、進化いたしました。そして高校3年の頃、代理店様のご厚意のもと、特注のAdamasをメインのエレアコと致しました。五色沼のような特注カラーが美しく、サウンドや取り扱いも素晴らしいです。上京して2021年、大好きな渋谷の楽器屋さんで、エレキもオベーションのViperという70年代の個体に出会い、以来そちらをメインとしています。
ざっくりですが、こうして振り返ると多くの思い出が蘇ります。今後はどんな変遷があるのでしょうか。皆様のもお聞きしたいです。
著者プロフィール
崎山蒼志
さきやま・そうし。2002年生まれ、静岡県浜松市出身のシンガー・ソングライター。2018年、15歳の時にネット番組で弾き語りを披露、一躍話題に。独自の言語表現で文芸界からも注目を浴びている。