崎山蒼志の未知との遭遇 第26回:ストラトキャスターとの出会い 崎山蒼志の未知との遭遇 第26回:ストラトキャスターとの出会い

崎山蒼志の未知との遭遇
第26回:ストラトキャスターとの出会い

新世代のシンガー・ソングライター/ギタリスト、崎山蒼志の連載コラム。1人のミュージシャンとして、人間として、日々遭遇する未知を自由に綴っていきます。 月一更新です。

デザイン=MdN

自分の欲深さをとことん感じています……

 7月6日にリリースしたシングル「燈」と、8月9日にリリースしたニュー・アルバム『i 触れる SAD UFO』のリリース記念ツアー「燈火」を10月に行ないました。文字通り「燈」に火がつくという意味で、初めての私(ギター・ボーカル)、ギター、ベース、ドラムという、いわゆる4ピース・バンドな形でのライブです。ギターにはクジラ夜の街より、山本薫さんをお招きしました。前々から同世代で仲が良かったこともそうですが、何より素晴らしいギタリストであり、薫くんのプレイや、アイディアにとっても感化されたツアーになった気がします。

 そして、今ツアーからなんと私は、新しいギターを導入したのでした! この連載でも、様々なギターの名称を出し、とやかく様々なことを述べさせて頂いてきました私ですが、今回手にしたのは、ストラトキャスターです。私はよく、ビザーリーなギターを好むような事を綴っている為、もしかすると意外に思った方もいるんじゃないかなと思います。

 Squier by Fender SST-30 ’83 Vintage White/R。スクワイヤーのビンテージで、メイド・イン・ジャパンの個体です。ローズウッドの指板、ボディのオフホワイトのカラーと、風格がありつつ新品の様な見た目、Squierのビンテージという物珍しさにやられて購入しました。もう一つ、ストラト購入の経緯としましては、何といっても汎用性の高さです。今まであまりオーソドックスなギターを弾いてこなかったこともあり、次に買う時は使い勝手のいいものをと決めていたのです。試奏した際の、艶やかでまとまりのある音に、即、購入を決意しました。

Squier by Fender SST-30 '83 Vintage White/R
Squier by Fender SST-30 ’83 Vintage White/R

 アルバム曲のライブ・アレンジ、その際に自分が鳴らす音色をどうしようかと悩んでいたことも、新ギターを購入するきっかけのひとつでした。二回目のリハーサルからストラトを導入したのですが、ばっちしとハマりました。特に、同期のない4人だけで鳴らすアルバム曲の際、一回目のリハでは、私がアコースティック・ギターを弾いてしまうとどうも音がスカスカで、かといってオベーションのViperを鳴らしてしまうと、ハイがギャリギャリしてリードと被ってしまったり、(もともとアコースティックで伴奏をレコーディングしている曲が多い為)指弾きでの表現が難しかったりでどうも上手くいきませんでした。ストラトは指弾き等、繊細な表現がしやすく、フロントは歯切れ良くもとてもファットな音色で、ここぞとばかりに丁度良かったのです。また、私自身カッティングをすることが多く、カッティングでのストラトの魅力を再度非常に感じました。見た目も音もめちゃくちゃ気に入っています。今後の音楽活動を共に歩む、頼り甲斐のある一本になりそうです。

 エレキのエフェクター・ボードも少々新調しました。MAD PROFESSORのSweet Honey Overdriveが加入です! 前々から欲しかったのですが、ついに購入しました。名の通り甘く、時おりワイルドな音色が病みつきになりそうです。どんなギターもジューシーにしてくれそうな、ストラト同様頼り甲斐のある存在です。歪みはこれとJPTR FXのSuper Weirdo Fuzz Modulation Pedalで、危険な音もたくさん出ますが、わりと出したいところに出てくれる優秀な存在だと思っています。あと今回からエフェクター・ボードに導入したのは、Electro-HarmonixのQ-Tron!アルバム曲でも多く使用していた為、入れました。ストラト、ツイン・リバーブとの相性がバッチシで、気持ちが良いです……。

 ストラトを購入したことで、今、ビザール欲が高まっています。自分の欲深さをとことん感じています……。

著者プロフィール

崎山蒼志

さきやま・そうし。2002年生まれ、静岡県浜松市出身のシンガー・ソングライター。2018年、15歳の時にネット番組で弾き語りを披露、一躍話題に。独自の言語表現で文芸界からも注目を浴びている。

Official HP>
Instagram>
Twitter>