2025年4月に日本武道館で2年ぶりの来日公演を行なったエリック・クラプトン。追加公演も含めると合計8日間もライブが行なわれ、日本武道館110回公演も達成した。本記事では、今回の来日公演でエリック・クラプトンが使用したワウとレスリー・スピーカーをご紹介。
取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モーリー 機材撮影=西槇太一
Eric Clapton’s Pedals

ビンテージ・トーンを再現したダンブル・モディファイ
【Pedal List】
①Mike Hill Services / Custom Leslie ON/OFF Switch
②Jim Dunlop / GCB95F Cry Baby Classic
ギターからは、まず①にインプット。①はMike Hill Servicesが製作したレスリー・スピーカーのオン/オフ・スイッチで、インプット(XLRタイプ)のほかに2つのアウトプット(フォン・タイプ)も備えている。
アウトの1つは、②GCB95Fを経由してメイン・アンプの’57 Bandmasterへ。②GCB95Fは「White Room」などで使用。
もう1つのアウトは、ステージ裏に置かれたMike Hill Services製のレスリー・スピーカー用プリアンプを経由し、レスリー・スピーカーに送られる。

Eric Clapton’s Leslie Speaker
鈴木楽器製作所
122XB
3モードのドラム/ホーン・ローターと40W出力の真空管アンプが搭載された鈴木楽器製作所のレスリー・スピーカー、122XB。「Badge」などで使用された。

手前に置かれているのは、Mike Hill Servicesが製作したレスリー・スピーカー用の特注プリアンプ。クラプトンの足下に置かれた専用フット・スイッチから接続されている。レスリー・スピーカーのインプット端子は11ピン仕様なので、本機を介することでギターでの使用が可能に。
本機にはBASS、TREBLE、GAINノブが搭載されているため細かい音作りもできるほか、レスリーのFASTとSLOWの切り替えも可能。FAST/SLOWの切り替えはREMOTE SWITCH端子にフット・スイッチを接続して行なうのだが、REMOTE SWITCH端子にはダミーのXLRプラグがインプットされていたので、クラプトンはライブ中にFAST/SLOWを切り替えることはないのだろう。
奥に置かれているのはプリアンプ用の特注パワー・サプライ、Mike Hill Services / ECPSU。