2025年4月に日本武道館で2年ぶりの来日公演を行なったエリック・クラプトン。追加公演も含めると合計8日間もライブが行なわれ、日本武道館110回公演も達成した。本記事では、今回の来日公演のステージに用意されていたドイル・ブラムホールⅡのアンプを紹介しよう。
取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モーリー 機材撮影=西槇太一
Doyle Bramhall Ⅱ’s Amplifiers
・Two-Rock Amplifiers / Classic Reverb Signature & Two-Rock Amplifiers / 4×10 Cabinet(Right)
・Fender / Tone Master Bassman(Center)
・1950’s Fender / Super Amp(Left)

楽曲によって3台のアンプを切り替え
ステージ上には3台のアンプが用意されていたが、メインは向かって右側のClassic Reverb Signatureと4×10キャビネットの組み合わせ。
以前は左側のSuper Ampも同時に鳴らしていたが、現在は楽曲によってClassic Reverb SignatureからSuper Amp、もしくはTone Master Bassmanに切り替えることがあるのみで、2台同時に使用することはないとのこと。ギター・テックのマティアス・ヨハンソン曰く“それぞれのアンプの切り替えに決まりはなく、ドイルは気が向いた時にアンプを変えている”そうだ。

赤いベルベット生地が張られたClassic Reverb Signature。シリアル・ナンバーは“1233”。50W/100Wの切り替えができるモデルで、ドイルは100Wにセッティング。
各ノブは、FET GAINがゼロ、TREBLEが2時、MIDDLEが11時半、BASSが8時半、GAINが2時、MASTERが2時半、REVERBのSENDとRETURNは11時、CONTOURは9時半にセッティングされていた。本機でメインのクランチ・サウンドを作っていることがわかる。
FET、BRIGHT、MID、DEEP、BYPASSスイッチはオフ。EQスイッチはロック寄りのEQ2を選択。GAIN STRUCTUREスイッチは下にセッティングされており、この位置はフェンダーのブラック・フェイス・アンプのようなゲイン感を得ることができる。
キャビネットは10インチ・スピーカーが4発搭載されており、EminenceのRagin Cajunが2発、Legend-105Aが2発というセレクト。

Tone Master Bassmanは出力が0.5W/1W/5W/12W/22W/45Wに切り替えられるモデルで、12Wにセッティングされていた。

1955年頃の個体と思われるワイド・パネルのSuper Amp。出力は約25Wで、10インチ・スピーカーが2発搭載されたモデルだ。取っ手はレザーのものに交換されていた。
シールドはインプットされていなかったが、おそらくINSTRUMENTSにインプットしているのだろう。INST VOL.は9.5、TONEは8の位置にセッティング。