ショーン・コイル・スミス(シェイム)が2026年4月の初来日公演で使用した3本のギター ショーン・コイル・スミス(シェイム)が2026年4月の初来日公演で使用した3本のギター

ショーン・コイル・スミス(シェイム)が2026年4月の初来日公演で使用した3本のギター

サウス・ロンドン出身のポスト・パンク・バンド、シェイムが最新作『Cutthroat』を引っ提げ、2026年4月24日(金)SHIBUYA CLUB QUATTROにて初の来日公演を行なった。本記事では、ショーン・コイル・スミス(g)が使用した3本のギターをご紹介。

取材・文=森部真衣 通訳=トミー・モリー 機材撮影=小原啓樹

Sean Coyle-Smith’s Guitars

Fairlane Guitars
Zephyr

フル・カスタムを施したドリーム・ギター

おもにレギュラー・チューニングの楽曲で使用されるショーンのメイン・ギターは、Fairlane GuitarsのZephyrというオフセット・モデル。Fairlane Guitarsは2020年に設立されたロンドン南東部のギター工房。かつては“Providence”というメーカー名だったが、日本に同名のメーカーが存在することから改名された。

本器はフル・オーダーで製作されており、完成までに半年ほどを要したそうで、ショーンが長年思い描いていた“ドリーム・ギター”になったという。

ボディにテンパード・パイン、指板にエボニーを採用。ダーク・チェリーのようなカラーリングとブラックのピックガードは、70年代のSGのルックスを意識したものだという。

ピックアップにはMonty’s Guitars製のP-90タイプが搭載されている。もともとピックアップ・カバーはプラスチック製だが、ほかのハードウェアに合わせて金属製にカスタム。

普段メインで使用しているピックアップ・ポジションはリアで、ギター・ソロ時にはフロントへ切り替えることも。しかし、選択するピックアップについては現在も模索を続けているとのこと。

フレットはゴールドのものがセレクトされている。

Mastery製のブリッジとトレモロ・ユニットも、製作当初からリクエストをして装着してもらったそうだ。

ペグにはロック・チューナーを採用しており、チューニングの変更にも対応しやすくなっている。

使用楽曲(2026年4月24日@SHIBUYA CLUB QUATTRO)

  • 「Axis of Evil」
  • 「Concrete」
  • 「Tasteless」
  • 「Fingers of Steel」(C-G-C-F-C-E Tuningの状態でCapo 3)
  • 「Alphabet」
  • 「Lampião」
  • 「Born in Luton」
  • 「Water in the Well」
  • 「Spartak」
  • 「Snow Day」
  • 「One Rizla」
  • 「Cutthroat」

Gibson Memphis
ES-Les Paul Custom

修理を重ねてきた1点モノの愛器

ショーンが所有するギターの中で最も長く使用し、大切にしているというセミアコ、ES-Les Paul Custom。2018年に入手したもので、改造点はなし。

バンド結成当初はシングルコイルのサウンドを好んでおり、2016年製のフェンダーAmerican Professional Ⅱストラトキャスターを愛用していたが、演奏を重ねるうちにハムバッカーのサウンドやダークな音色を求めるようになったという。

本器の通常はレギュラー・チューニングにセッティングされているが、楽曲によってはオープンA(E-A-E-A-C♯-E)やDADGADチューニングに変更する。

運搬中に二度もヘッドが折れてしまったことがあり、そのたびにFairlane Guitarsのルシアーに修理してもらっているとのこと。また、現在はコントロール・ノブが割れて欠けてしまっているため、いずれは修理したいと考えているそうだ。

使用楽曲(2026年4月24日@SHIBUYA CLUB QUATTRO)

  • 「Cowards Around」
  • 「Six-Pack」
  • 「Adderall」
  • 「Angie」
  • 「Dust on Trial」

1972 Gretsch
Committee #7628

ボールドウィン期のレアなソリッド・ギター

ダブリンの楽器店、“Some Neck Guitars”で購入したというボールドウィン期のCommittee。比較的手の届きやすい価格だったことが購入の決め手になったそうだ。

1972年以降、Committeeは黒いピックガードが標準仕様となるため、本器の透明なピックガードはその最後期に製造された個体ということになる。ショーンは“Ampegのビルダーが関与していた時期のものじゃないかな。ハムバッカーや回路もボールドウィン時代にオリジナル設計されたものだと思う”と語っていた。

Bスタンダード・チューニング(B-E-A-D-F♯-B)の「Nothing Better」など、おもに変則チューニングの楽曲で使用することが多いそうだ。

購入時から改造は施していないそうで、バックの透明なコントロール・パネルも入手時のままだという。しかし、レス・ポール・カスタムに近いサウンドを目指しているそうで、ピックアップをMonty’s Guitars製の50年代のサウンドを意識したハムバッカーへ交換したいと考えているとのこと。

弦は普段、Ernie Ballの.011〜もしくは.012〜のゲージを使用しているが、今回は持参し忘れてしまったため、同社のRegular Slinky #2221(.010〜.046)を張っていたそうだ。

使用楽曲(2026年4月24日@SHIBUYA CLUB QUATTRO)

  • 「Nothing Better」(B-E-A-D-F♯-B Tuning)
  • 「Alphabet」
  • 「Quiet Life」

Picks

撮影=森部真衣
撮影=森部真衣

ピックはErnie BallのEverlast Picks 0.88mmを使用。エディ・グリーン(g)とジョシュ・フィナティ(b)も同じピックを愛用している。以前は3人ともそれぞれ異なるピックを使っていたそうだが、ショーンは自分のピックを使い切ってしまった際、ジョシュのものを借りたことをキッカケに乗り換えたという。

強いピッキングにも対応でき、ピッキングのダイナミクスをしっかりとサウンドへ反映できる点を気に入っているとのこと。

2026年4月24日(金)SHIBUYA CLUB QUATTRO

【Setlist】
01. Axis of Evil
02. Concrete
03. Tasteless
04. Cowards Around
05. Nothing Better
06. Fingers of Steel
07. Six-Pack
08. Alphabet
09. Quiet Life
10. Lampião
11. Born in Luton
12. Adderall
13. Water in the Well
14. Spartak
15. Angie
16. Dust on Trial
17. Snow Day
18. One Rizla
19. Cutthroat

作品データ

Cutthroat
シェイム

Dead Oceans
DOC384JCD
2025年9月5日リリース

―Track List―

01. Cutthroat
02. Cowards Around
03. Quiet Life
04. Nothing Better
05. Plaster
06. Spartak
07. To and Fro
08. Lampião
09. After Party
10. Screwdriver
11. Packshot
12. Axis of Evil

―Guitarist―

ショーン・コイル・スミス、エディ・グリーン