石井悠翔(エスキベル)が2026年6月のライブで使用した4本のギターを本人が解説! 石井悠翔(エスキベル)が2026年6月のライブで使用した4本のギターを本人が解説!

石井悠翔(エスキベル)が2026年6月のライブで使用した4本のギターを本人が解説!

2026年4月にEP『Overthere』をリリースしたエスキベル。6月5日(金)下北沢SPREADにて行なわれたワンマン・ライブにて、石井悠翔(vo,g)と横山秦一(g)の機材撮影を行なった。本記事では、石井が当日使用した4本のギターを本人の解説とともにご紹介。

取材・文=森部真衣 機材撮影=星野俊 ライブ撮影=タカギタツヒト

Ishii’s Guitars

2017 Fender
American Professional Jazzmaster

サーストン・ムーアの影響で入手した
改造ジャズマスター

石井のメイン・ギターは、様々な改造を施した2017年製American Professionalのジャズマスター。高校2年生の時に観たソニック・ユースの「Silver Rocket」のMVに衝撃を受け、サーストン・ムーアが使用するギターを調べたことがきっかけでジャズマスターにたどり着き、手に入れたという。

American Professionalのジャズマスターはもともとプリセット・コントロールが装備されておらず、向かって左側のホーンにピックアップ・セレクターが搭載されている。しかし、ギターの制作や改造もよく行なっているという横山秦一(g)により、ピックアップ・セレクターを向かって右側に移動し、プリセット・コントロールを増設。内部の配線もクラシックなジャズマスターの仕様へアップデートしているそうだ。それに伴い、オリジナルの黒いピックガードもホワイトのものに交換されている。

さらに、購入当初はキャンディ・アップル・レッドのボディ・カラーだったが、横山により現在のファイヤーミスト・カラーにリフィニッシュされた。

ピックアップ・ポジションはミックスを基本とし、ハイが出過ぎないようにトーン・ノブをやや絞っているとのこと。楽曲によってはプリセット・スイッチをオンにすることもあるという。

ライブではトレモロ・アームを取り付けており、アウトロでアーミングを取り入れることもあるそうだ。

おもにレギュラー・チューニングで使用しているが、楽曲によっては変則チューニングも使用。

使用楽曲(2026年6月5日@下北沢SPREAD)

  • 「rotate」
  • 「日照り」(Capo 1)
  • 「迷う / 戻る」
  • 「心の海」
  • 「highvision」(Capo 1)
  • 「彼方の人」(Capo 2)

Yokoyama
Handmade Guitar

ビンテージのパーツを組み込んだ
手作りの1本

横山が製作したデュオ・ソニック・タイプ。石井は横山が所有する1962年製ジャガーのサウンドに感化されたことをキッカケに、ビンテージ・ギターの購入を検討していたものの、新型コロナ・ウイルスの流行により価格が高騰していたため購入を断念。その後、“Reverb”にて1962年製ミュージックマスターのAネックを購入し、それをもとに製作したボディや各種パーツを組み合わせて本器を完成させたそうだ。ボディにはレリック加工も施されている。

ネックを購入した時点ではペグが付いておらず、ビンテージのミュージックマスターに採用されていたものに近いパーツを探して購入。また、ルックスにもこだわり、eBayで入手したブラウンのピックアップ・カバーを搭載している。

弦は、ジャズマスターと共通してD’AddarioのEXL110 XL Nickel Round Wound Regular Light(.010〜.046)を使用。

ピックはJim DunlopのTortex Flex Triangleの0.73mm、ピッキングのアタックを弱めたいときは0.60mmを使用している。1.0mmのピックを長らく使用していたそうだが、最近は分厚く感じるようになり、より薄いモデルも使い始めたという。

使用楽曲(2026年6月5日@下北沢SPREAD)

  • 「生き続ける」
  • 「むかう」
  • 「洋燈」
  • 「tucked────」

2010 Danelectro
59/12 Strings

アコギの代わりを求めて購入した
12弦エレキ・ギター

2022年〜2023年頃に入手したというDanelectroの12弦ギター。

ピックアップはリップスティックを2基搭載。ボディはトップとバックにメゾナイトを貼り合わせたセミ・ホロウ構造で、Danelectroならではのエアー感のある独特の鳴りが特徴だ。

『Childhood(発達)』(2023年)の制作中、下北沢のセカスト楽器で本器とは別に12弦のアコースティック・ギターを購入し、レコーディングで使用。その後、ライブで使用するため12弦のエレキ・ギターを探し始め、リッケンバッカーかDanelectroのどちらにするかで悩んでいたという。最終的にフィービー・ブリジャーズがDanelectroのバリトン・ギターを使用していたことが決め手となり、神田の宮地楽器で本器を購入したそうだ。

使用楽曲(2026年6月5日@下北沢SPREAD)

  • 「発達」

Martin
DX1AE

横山所有の
ピエゾ・ピックアップ搭載器

石井が横山から借りているというマーティンのエレアコ、DX1AE。横山が中学2年生の時に入手して以来、愛用している1本だ。

トップには生鳴りを重視したシトカ・スプルース単板、サイドとバックには環境や温度変化に強いハイ・プレッシャー・ラミネイトという特殊合板が採用されている。

ピックアップはピエゾのFishman Sonitoneを搭載しており、ライブではライン出力で使用していた。

使用楽曲(2026年6月5日@下北沢SPREAD)

  • 「踏切に待つ」
  • 「イメージ」
  • 「遠く引かれ」
  • 「靡く」
  • 「rotate」

Interview

ソニック・ユースの映像を観せてもらって、
それが衝撃だったんですよね。

ジャズマスターの入手時期はいつ頃ですか?

2018年か19年くらいに急にジャズマスターが欲しくなって、横山と一緒に買いに行きました。高校2年生くらいの時にソニック・ユースの映像を観て、それが衝撃だったんですよね。

サーストン・ムーアの影響なんですね。

そうです。やっぱりかっこいいなと思いますね。その時は横山から「Silver Rocket」のミュージック・ビデオを観せてもらって、それがグッときました。その映像ではサーストン・ムーアがムスタングを使ってるんですけど、メイン・ギターについて調べたらジャズマスターだったんですよね。その頃は高校生だったのですぐには買えなかったんですけど、アルバイトを始めてお金が貯まってから買いました。

改造箇所はありますか?

実はいろいろ改造していて、ボディの色も変えてもらっています。もともとはプリセット・スイッチがないモデルなんですけど、それもあとから取り付けて、配線もクラシックなジャズマスターのものに変えてます。ボディの色は本当はキャンディ・アップル・レッドで、ピックガードも黒だったんですけど、そこも横山が全部換えてくれました。本末転倒なんですけど、やっちゃうかということで(笑)。

ライブではトレモロ・アームも装着してましたが、よく使用するんですか?

一応ライブの時は毎回付けていて、楽曲のアウトロでちょっとだけ揺らぎが欲しい時に使ったりします。でも必須っていう感じではないですね。

デュオ・ソニック・タイプのギターは横山さんが製作したんですよね。

これが一番複雑です(笑)。横山が、先に人生をかけて62年製のジャガーを買っていて、“やっぱりビンテージのサウンドは良いな、僕も欲しいな”と思っていたんですけど、ちょうどコロナが流行り始めた頃でビンテージ・ギターが高くなって、そこまで思い切れなかったんです。

なので、Reverbという海外の楽器通販サイトで62年製ミュージックマスターのAネックを買って、横山が型取って作ったボディに組み込んでもらいました。実はボディにレリック加工もしてもらっているので、塗装割れの感じも周りから定評があります(笑)。

ジャズマスターとデュオ・ソニック・タイプの使い分けは?

ライブだと完全にチューニングで分けてます。ジャズマスターは一応メイン・ギターとしてレギュラーにしていて、デュオ・ソニック・タイプはダウン・チューニングにしすぎるとスケールが短くてゆるくなってしまうので、ギリギリ半音下げチューニングにして『Childhood(発達)』(2023年)の楽曲で使っています。今回のEPだと「生き続ける」という曲がジャズマスターのアタック感だと違ったので、デュオ・ソニック・タイプで弾いていますね。

Danelectroの12弦ギターを入手したキッカケは?

入手した時期が2022年か23年くらいかな。このギターを買う前にアコギが欲しいなと思って、ライブ前に何気なく下北沢のセカスト楽器に行ったら、“なんか12弦のアコギあるね”って、その場のノリで買っちゃったんですよ。

ちょうどその頃『Childhood(発達)』を作っていたので、そのアコギを制作で使ったんです。でもそれはレコーディングで使っちゃったものだからライブでどうしようと思って、改めてこのDnelectroの12弦ギターを買いました。

リッケンバッカーかDanelectroの2択で迷ってたんですけど、その時期フィービー・ブリジャーズをすごく聴いていて、彼女がDanelectroのバリトン・ギターを使ってたんですよね。なので、神田の宮地楽器でDanelectroを選びました。珍しくこのギターだけ改造してません。

よく使うピックアップ・ポジションは?

基本的に僕はセンターが好きですね。ずっとテレキャスターをメインで使っていたんですけど、このバンドにはキンキンしたギターの音がいらなくなってきて、今のジャズマスターに切り替えてからはセンター・ポジションでトーンを絞って使うことが多いです。あとは曲によってプリセットを使っています。プリセットの場合だと、トーンを絞らなくてもけっこう良い感じの音になるんですよ。

マーティンのアコギについても教えてください。

これは横山のギターですね。僕がアコギを買うべき時に12弦を買ったりしていたので、ラインでつなげられる普通のアコギを持ってないんですよ(笑)。なので、ライブでは横山のアコギを借りてます。

2026年6月5日(金)下北沢SPREAD

【Setlist】
01. 踏切に待つ
02. イメージ
03. 遠く引かれ
04. 靡く
05. rotate
06. 日照り
07. 生き続ける
08. 迷う / 戻る
09. 心の海
10. highvision
11. 発達
12. むかう
13. 洋燈
14. 彼方の人
15. tucked────

作品データ

Overthere
エスキベル

Esqvl
2026年4月15日リリース

―Track List―

01. 日照り
02. 生き続ける
03. tucked────
04. むかう
05. 彼方の人

―Guitarist―

石井悠翔、横山秦一