“マーク・リーボウのセラミック・ドッグ”の最新作『HOPE』についてインタビューができたのが2021年7月8日。前日にロック・イン・ジャパン・フェスティバル2021の中止がアナウンスされ、筆者としても日本での“音楽”の立ち位置について考えていた。そこでインタビュー冒頭では、ミュージシャンという職業を守るための活動もしているマークに、昨今の音楽家を取り巻く環境について意見を聞いてみた。
質問作成/文=福崎敬太 インタビュー/翻訳=トミー・モリー Photo by Joseph Branston/Guitarist Magazine/Future via Getty Images
ミュージシャンたちだけが苦痛を強いられるような状況を変えていかなきゃならない
オハヨウゴザイマス! 僕にとっては朝なんだけど、君たちにとっては夜だよね?
こちらはまもなく就寝の時間帯ですが、我々ギタリストたちは夜行性ですからある意味おはようございますという感覚です(笑)。
OK、グレイト!
今日はインタビューに応じていただきありがとうございます! さて、日本では昨日(2021年7月7日)、大きなロック・フェスの中止が発表されまして……。
本当に? なんていうフェスがキャンセルになったのかな?
ロック・イン・ジャパン・フェスティバルというものです。日本の音楽業界はまだまだ復調には時間がかかりそうだなと感じさせられました。特にニューヨーク市ではいくつかライブを再開したという話も聞いていますが、アメリカの音楽を取り巻く状況は好転していますか?
アメリカ国内でもどの地域なのかによって全然状況は異なっているよ。ニューヨークだと70%以上の人たちがワクチンを接種しているからそれが実現できているわけで、そうやっていくつかの場所では音楽が再び動き出してはいる。それでもオーディエンスの数には制限があるし、ソーシャルディスタンスの遵守が求められる。それにワクチン証明書も必要だから、それなりに検査もしてなければいけない。だから少しずつ動き始めてはいるんだけど、本当にゆっくりといった印象だね。セラミック・ドッグも数日内にヨーロッパにプレイしに行く予定だけど、それもどうなるかわからない状況でもある。今僕がいる場所は大丈夫だけれど、それが一週間後には違った状況にだってなり得るからね。状況は本当にすぐに様変わりしてしまうものだ。ミュージシャンたちは団結してフェアな環境を求めていかなければならないし、ミュージシャンたちだけが苦痛を強いられるような状況を変えていかなきゃならないと思っているよ。
あなたはミュージシャンへの国や企業の待遇、権利についても自身の意見を発信しています。日本のミュージシャンもCOVID-19に振り回され、危機的な状況を迎えている人は多いです。彼らにエールやメッセージをお願いできますか?
僕がアドバイスできるとしたら、“ミュージシャンたちで集まって、どうしたらフェアな状況になれるのかを話し合って、何か行動を起こしてごらん”ということだね。ニューヨークにはMusic Workers Allianceという団体があって、これはインディー・ミュージシャンやDJたちが主体となって作ったものなんだ。僕たちミュージシャンの中には一般的なユニオンに属している者もいるけど、そういったユニオンってインディー・ミュージシャンやDJを含んでいないことが多いんだよね。だから僕たちは、自分たちのためにそういった団体を作ることにした。ニューヨークでは、ほかのどの職業と比べてもミュージシャンが最も失業率が高かった。60%以上の失業率で、これって大恐慌の時代の2倍の数字なんだ。1930年代は政府がWPA(Work Progress Administration)という雇用支援のプログラムを作り、ミュージシャンに限らずすべての失業者を支える政策を取っていた。それと同じことをするように政府に求めたところ、州政府はまったく何もしてくれなかったけれど、市の政府は少しばかりは動いてくれたよ。
貴重なお話をありがとうございます。インタビューの冒頭からシリアスな話題ですみません!
いや、まったく構わないよ! 僕は喜んでこういうことを話していきたいからね。もし僕たちの活動を知ってみたいという人たちがいたら、musicworkersalliance.orgを調べてアクセスしてほしい。もし日本のミュージシャンたちがコンタクトを取りたいと言ってくれれば、ぜひウェルカムしたいと思っているよ。