MONOEYESが結成10周年を記念し、2025年9月3日(水)に5年ぶりとなる4thアルバム『Running Through the Fire』をリリースした。本記事では細美武士(vo,g)がライブで使用する3本のギターを、本人の解説と共にご紹介しよう。
文=小林弘昂 機材撮影=小原啓樹
Hosomi’s Guitars
Gibson Custom Shop
Historic Collection
Les Paul Standard 1959 Reissue
圧倒的なサウンドを持つ59リイシュー
2010年頃に購入し、2022年に行なわれたELLEGARDENの“Lost Songs Tour 2022”からメイン・ギターとして使用しているHistoric Collectionの59年リイシューのレス・ポール・スタンダード。
レス・ポール・スタンダードの多くはボディ・トップに2ピースのメイプルが貼られているのだが、本器のトップは1ピースのメイプルで作られている、かなり珍しい仕様。本人曰く、Historic Collectionの59リイシューの中では出来が良いものとのことで、以前ELLEGARDENのレコーディングでアメリカに行った際、本器を見た現地のリペアマンが“凄いのがきた!”と驚いたというエピソードがある。
細美は本器について、“飛び抜けて良い音。バランスが良くて、歪ませても6本全部の弦が見える。ほかのギターと音が揃わないので、今はこれ1本しか使ってないです”とコメント。
ピックアップ・セレクターはテープでリアに固定されている。弦はErnie BallのSkinny Top Heavy Bottom #2215(.010〜.052)で、チューニングはレギュラー。
Gibson Custom Shop
Historic Collection
Les Paul Standard 1957 Reissue
精悍なエボニー・カラーのスタンダード
2007〜2021年頃までメインで使用していた、Historic Collectionの57年リイシュー・レス・ポール・スタンダード。現在はサブとして用意されているが、レコーディングではたまに使うことがあるという。
リア・ピックアップはギブソンのBurstbucker Type 2に交換されており、セレクターはリアで固定。
細美は、“57リイシューは59リイシューよりヤンチャで、ミッドからトレブルが強い。ギャンギャンしたバンドをやりたいんだったら57リイシューが合うかもしれないですね”とコメントしている。
Martin
GPCPA2 Mahogany
オール・イン・ワンを求めたアコースティック
2011年頃に購入したマーティンのアコースティック・ギター。ピックアップ・システムはFishmanのF1 Auraが採用され、さらにEQやコンプレッサーなども搭載されており、多彩な音作りが可能。地方に弾き語りに行く際、最小限の機材で移動できるという理由で導入された。MONOEYESのライブでは「Shadow Boxing」で使用。
ボディ・トップはソリッド・ヨーロピアン・スプルース、サイドとバックとネックはソリッド・マホガニー、指板とブリッジはリッチライトという材構成。
弦はマーティンのMA540S Marquis Silked 92/8 Phosphor Bronze Light(.012〜.054)で、チューニングはレギュラー。ハウリング対策でPlanet Wavesのサウンドホール・カバーが取り付けられている。
Picks

メインのピックはClayton Ultem Triの.80mmで、アコースティック・ギターを弾く際はフェンダーの346 Shape Shellのミディアムを使用。
Interview
59リイシューはほかのギターと音が揃わないので、
今はこれ1本しか使ってないです。
メイン・ギターである59年リイシュー・レス・ポールを手に入れた経緯を教えて下さい。
仲の良い楽器店の方がいるんですけど、よくスタジオにギターを何本か持ってきてもらって、気に入ったらその場で“これ買えますか?”みたいな感じで買っていて、そのうちの1本なんですよね。
ギタマガに出ておいてアレなんですけど、あんまり詳しくなくて(笑)。でも、これはサーティフィケーションが付いていて、クラフトマンのサインも入っていて、Historic Collectionの59リイシューの中ではかなり出来が良いものらしいです。ELLEGARDENのレコーディングでアメリカに行った時にリペアに出したら、現地のリペアマンの人たちが“凄いのが来た!”って騒いでいたという話を聞いたんですが、実情はわからないです(笑)。
どんなサウンドがしますか?
ほかのギターでは代用できない音ですね。本当はサブ・ギターを用意して、変則チューニングやカポを付けたりとかして曲間で交換できればいいんですけど、この59リイシューはほかのギターと音が揃わないので、今はこれ1本しか使ってないです。
今作『Running Through the Fire』のレコーディングでは59リイシューのみを使ったんですか?
そうですね。でも今回のアルバムではコード・バッキングでしか使ってないと思います。基本的には戸高か、プロデューサーのマイク(・グリーン)がギターを弾いているので。
では、サブの57年リイシューのレス・ポールの気に入っているところは?
57リイシューは黒のスタンダードで、めちゃくちゃかっこいいですね。凄く良い音なんですけど、59リイシューが飛び抜けて良いので、弦が切れたりとか、そういう時くらいでしか登場しないです。でも、レコーディングではたまに使っていますね。
59リイシューはバランスが良くて、歪ませても6本全部の弦が見えるんです。だからバレー・コードもキレイに出るんですけど、逆に57リイシューはもうちょっとヤンチャで、ミッドからトレブルが強い。ギャンギャンしたバンドをやりたいんだったら57リイシューが合うかもしれないですね。59リイシューのほうがちょっと渋いかもしれないです。
アコギはマーティンのGPCPA2ですが、このモデルを選んだ理由は?
東北に弾き語りに行く時用にオール・イン・ワンが欲しかったんです。GPCPA2ってマイクもピエゾも入ってるんですけど、それぞれに3バンドEQが付いてて、コンプもかけられるんですよ。なので、1人で弾き語りに行く時にコンパクト・エフェクターを持って行かなくていいという理由で選びました。










