2025年12月24日(水)にアルバム『合歓る – bridges』をリリースしたLaura day romance。本作は、2月に発表した『合歓る – walls』と連なる2部作の後編となる。本記事では、鈴木迅(g)が愛用する4本のギターを本人のコメントと共にご紹介。
取材・文=小林弘昂 機材撮影=小原啓樹
Suzuki’s Guitars
1965 Gibson
SG Standard
RECで活躍する初のビンテージ
2021年に御茶ノ水の楽器店で購入した1965年製SGスタンダード。購入後にリフレットを施し、チューニングの安定性を考慮してペグが新品に交換された。
もともと鈴木はビンテージ・ギターにあまり興味がなかったというが、本器を試奏した時のサウンドに衝撃を受けて購入したとのこと。また、本器は鈴木がハムバッカーに抱いていた“音が散らばる”などの苦手な部分が感じられないと語っている。
ピックアップは楽曲やフレーズによって3つのポジションを使い分けているが、リアを選択することが多いという。
撮影時はロング・ヴァイブローラのアームのネジがゆるめられていたが、演奏する時はネジを締めてアームを固定する。しかし、チューニングが狂ってしまうためアーミングはあまり行なわないそうだ。
弦はすべてのエレキ・ギターにD’AddarioのEXL110 XL Nickel Round Wound Regular Light(.010〜.046)を張っている。
Fender
American Vintage Custom Telecaster
10年以上愛用するメイン器
高校生の頃、父親からプレゼントされたというAmerican Vintageシリーズのカスタム・テレキャスター。フレットを打ち替えた以外は手を加えていないそうで、メインテナンスを施しながら10年以上メインとして愛用し続けている。
本器を手に取る時は“楽曲のパーツ”を弾くイメージで、SGを弾く時は“もっとギターらしい楽曲”という使い分けがあるという。
ピックアップは楽曲やフレーズによって3つのポジションをすべて使い分けている。
本器は低音弦が強く出力され、鈴木はバランスが良いとは思っていないとのことだが、そのアンバランスさを気に入っているという。
2014 Rickenbacker
Limited 360/12 Special Fireglo
困った時の12弦ギター
20歳の頃に購入したというリッケンバッカーの12弦ギター。21フレット仕様で、Vinatge Toaster Top Pickupが2基搭載されている。
当時はバンドを組んで1年ほどだったそうだが、ジョージ・ハリスンを始めとする60年代のギタリストへの憧れや、オリジナル・バンドで個性を出したいと思っていたこともあり、本器を選んだとのこと。

Laura day romanceでは『her favorite seasons.EP』(2018年)のレコーディングから使用。その後も「Sad number」や「fever」など人気の楽曲で隠し味的に使用することが多く、鈴木は“困った時のリッケン”と信頼を寄せている。
ピックアップはミックス・ポジションを選択。フロント・ピックアップの出力を調整する5thコントロールは下げ気味で、リア・ピックアップのサウンドを強めに出しているという。鈴木は“古臭くキラキラさせたいんでしょうね”とコメント。
弦はD’AddarioのEXL150 XL Nickel Round Wound 12-String/Regular Lightを使用している。
2000 Gibson
1963 J-45
ギブソン・アコースティックのサウンドを求めて購入
前編『合歓る – walls』のレコーディングでギブソンのアコースティック・ギターが必要になり、2024年3月に御茶ノ水の楽器店で購入した2000年製の1963 J-45。当時のギブソン代理店である山野楽器によるオーダー・モデルで、1963年製の仕様に近づけられている。
ボディ・トップはスプルース、サイドとバックはマホガニー、指板とブリッジはローズウッドという材構成。
購入した時からL.R.BaggsのM1 Passive(マグネティック・ピックアップ)が取り付けられた状態で、鈴木はライブで本器を弾くこともあるという。
弦はマーティンのAuthentic Acoustic Superior Performance Phospher Bronze Lightを愛用。
Interview
“もうこれ以上鳴らないんじゃないかな?”っていうくらい
ずっと弾いてきました。
SGは1965年頃のビンテージでしょうか?
そうです。65年って書いてありました。2ndアルバム(『roman candles|憧憬蝋燭』)の前なので、2021年に買いましたね。
2021年というと、ギターの値段がすごく高くなる直前ですね。
そうなんですよ。ビンテージが好きな友達がいて、“SGに興味があるんだよね”と言ったら御茶ノ水に連れて行ってくれました。でも、当時はビンテージにあまり興味がなかったというか。自分は取り回しが良いギターのほうが好きなので、特にギブソンのビンテージだと気を遣うような感じがあったんです。でも何本かSGを試奏した中で、このSGは“いや、さすがに良いなぁ……!”という感じだったんですよね。
SGはこれが初めてですか?
初めてですね。そもそも自分はハムバッカーとの相性があまり良くないと思っていて、シングルコイルのギターを多く持ってるんですけど、このSGはそんなことなくて。
ハムバッカーだけどスッキリしているみたいなことですか?
そうですね。個人的にハムバッカーって音が散らばって聴こえるというか、音の間に空気が入ってるような感覚があって、それが自分と合わないことが多いんですけど、このSGはしっくりきています。
手を加えたところはありますか?
フレットを打ち替えてるかな。あとはチューニングを安定させるためにペグも換えています。その2つですね。
撮影の時にこのSGを触らせてもらったんですけど、アームが固定されておらずユルユルの状態でした。
撮影していただいたタイミングではアームを使わなかったのでゆるめていたんですけど、 基本は固定して使っています。でも、チューニングのことを考えるとガンガンできるようなアームではないので、あまり使わないですね。
ピックアップはどのポジションを使いますか?
自分は全部のピックアップの音が好きじゃないとギターを買わないと決めていて。このSGに関しては全部の音が好きで、どれもバランス良く使いますね。でもリアが多いかな。
弦のゲージとメーカーは?
D’Addarioの.010〜.046ですね。エレキはD’Addarioで統一しています。
カスタム・テレキャスターは長い間愛用しているギターですよね。
高校生の時から使っているAmerican Vintageのカスタム・テレキャスターですね。子供の頃、父親がプレゼントしてくれたギターがいくつかあって、そのうちの1本です。中古だったんですけど、非常に安定感があって自分と相性が良いんですよ。ずっとメイン級で、いろいろとメンテしながら使っています。
改造点はありますか?
これもフレットを打ち替えていますけど、たぶん基本的には変えてないと思います。
テレキャスターもピックアップは3つのポジションをすべて使っているのでしょうか?
3つとも使いますね。例えばカスタムショップとかのギターと違って、これは少しバランスが悪いというか、低音弦だけが“ガコン!”と出るみたいなイメージがあるんです。そのパワフルさというか、いびつなバランスがすごく好きなので長く使ってますね。“もうこれ以上鳴らないんじゃないかな?”っていうくらい、ずっと弾いてきました。
SGとテレキャスターの使い分けは?
テレキャスターを手に取る時は“楽曲のパーツ”を弾くイメージなんですけど、SGはもっと“ギター!”っていう感じの曲で使います。そういう違いはありますね。あとは単純にSGはライブでのメインではないというか、基本的にRECで弾いています。
“リッケンを弾いてる人がいるバンド”っていうだけで
惹きつけられた経験があった。
リッケンバッカーの12弦ギターはいつ購入したんですか?
これは当時、成人祝いで買ったので20歳くらいですかね。たぶんバンドを始めて1年目くらいかな。
それで12弦ギターを選ぶとは……!
当時は友達間でも物議を醸しました(笑)。
なぜ12弦を買おうと思ったんですか?
ずっとジョージ・ハリスンが好きで。あとは当時、ビーチ・ボーイズとかバーズとかの60年代のバンドが自分の中でブームで、なおかつバンドの個性を出していきたいという時期だったんですよね。自分としては、“リッケンを弾いてる人がいるバンド”っていうだけで惹きつけられた経験があったので、買っちゃいました。
普段、5thコントロールはどんな設定にしていますか?
ピックアップ・セレクターはセンターが多いですけど、5thコントロールはリア寄りでガッツリ弾くことが多いです。古臭くキラキラさせたいんでしょうね。
この12弦ギターをレコーディングで使った楽曲で、印象に残っているものはありますか?
1st EP(『her favorite seasons.EP』/2018年)から使ってるんですけど、“困った時のリッケン”みたいなところがあって(笑)。例えば「Sad number」とか「fever」とかのシンプルな曲のうしろで弾くと、個性的なサウンドスケープになるんですよね。なので、かなり重要な機材のような気がしています。
レコーディングでは絶対に必要な1本という。
そうですね。ずっとお世話になっています。僕らの人気曲で鳴っているイメージがあるんですよ。
アコースティック・ギターはJ-45ですが、このモデルを選んだ理由は?
これは2年近く前かな。Taylorとかマーティンの000-15っていう小さめのアコギを持っていたんですけど、前編の『合歓る – walls』のRECでどうしてもJ-45が必要になって買いました。もともと、抜けちゃったメンバーがJ-50を持っていたんですよ。それで、“このタイミングだし、自分のも欲しいな”と思ってローンを組みました。これがあったからこそできた曲が何曲もあります。あとはJ-45って個体差がすごくあるギターだなと思いましたね。何本か試奏したんですけど、これが一番良かったです。
マグネティック・ピックアップは迅さんが付けたものですか?
中古で買ったので、その時点で付いてました。エレアコとして使うことも多いですね。ライブでも使ったことがあります。
アコースティックの弦は?
僕が好きなマーティンの青い弦(Authentic Acoustic Superior Performance Phospher Bronze Light)があって、それを張っています。
作品データ

『合歓る – bridges』
Laura day romance
ポニーキャニオン
PCCA-06451
2025年12月24日リリース
―Track List―
01. 何光年?|how far…?
02. ライター|lighter
03. 分かってる知ってる|yes, I know
04. プラトニック|platonic
05. ランニング・イン・ザ・ダーク|running in the dark
06. 肌と雨|skin and rain
07. 恋人へ|Koibitoe
08. making a bridge|橋を架ける
09. orange and white|白と橙
10. 後味悪いや|sour
―Guitarist―
鈴木迅













