ギター・マガジン表紙登場回数最多ギタリスト・ランキング 1位の発表! ギター・マガジン表紙登場回数最多ギタリスト・ランキング 1位の発表!

ギター・マガジン表紙登場回数最多ギタリスト・ランキング 1位の発表!

文:中島康晴(ギター・マガジン編集部)

 「ギター・マガジン表紙登場回数最多ギタリスト・ランキング」をここまでお読みいただいた皆さま、ありがとうございました。では1位を発表します! また最終結果と第1回目で出したクイズの答えも発表します。

【1位 – 表紙登場回数:27回】
エリック・クラプトン

 1位はエリック・クラプトンでした! しかも登場回数は2位以下を大きく引き離す27回! なぜこんなに多いのでしょうか?

エリック・クラプトン

 エリック・クラプトンの表紙への登場回数が多いのは、その活動歴の長さもありますが、それ以上に彼自身がプライベートなことも含めて非常に多くの“物語”を持つ人物であることが理由だと思います。

 多くの物語があるので、記事の切り口も増えます。たとえばクリームの曲「クロスロード」を起点にして、クリームがその後のロック・バンドに与えた影響や、この曲の原作者であるロバート・ジョンソンなど伝説のブルースマンたちの話に進むことができます。デレク・アンド・ザ・ドミノスの「いとしのレイラ」から、スライド・ギター奏法やデュアン・オールマンの話、あるいはエリックと元妻のパティ・ボイド、その元夫のジョージ・ハリスンの話題を引き出すこともできます。「ティアーズ・イン・ヘブン」から1990年代のアンプラグド・ブームを語ることや、その歌詞から彼の人生に思いを馳せることもできるでしょう。

 こうしたさまざまな切り口があるので、たとえ最新インタビューがない時でも、ギター・マガジンはエリック・クラプトンの特集を組み、また表紙にしてきました。

 エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジというおなじみの“3大ギタリスト”もひとつの切り口ですね。この3大ギタリストをテーマにしてエリックを表紙にした号には2003年4月号(特集は「3大ギタリスト徹底比較」)があります。1984年2月号の表紙にはジェフは写っていませんが、この号の特集記事(「FOREVER BIG3」)も3大ギタリストをテーマにしたものでした。

 またエリックは有名ギタリストとの共演も多いです。それが表紙になったものとして1998年2月号と2000年8月号(いずれもB.B.キング)、2003年8月号(デュアン・オールマン)、2008年8月号(ジョージ・ハリスン)があります。

 さらにエリックは、彼が敬愛するブルースマンたちの曲をよくカバーしています。その切り口から特集記事が作られ、エリックが表紙になった号には、2004年5月号(「ロバート・ジョンソンの伝説」)と2006年9月号(「エリック・クラプトン~カバー・ソングの素晴らしき世界」)がありました。

 そして特集記事のテーマは楽器だけれども表紙はエリック、という号もありました。2014年2月号(「フェンダー・ストラトキャスター生誕60周年記念総力特集」)と2019年3月号(「マーシャル現場主義。」)がそれです。

 そんなこんなでエリック・クラプトンの表紙登場回数は、圧倒的多数の27回となりました。また1980年代から2010年代にかけてのどの時期においても、エリックの表紙が満遍なく見られます。世代を超えた人気ですね。

 1960年代にロンドン市内の地下鉄駅の壁に誰かが描いた落書きと同じ言葉をもって、この1位の発表を終えます。 ── CLAPTON IS GOD

1983年4月号
ギター・サウンド研究●エリック・クラプトン
1984年2月号
FOREVER BIG3 エリック・クラプトン、ジェフ・ベック&ジミー・ペイジ
1987年11月号
Here Comes Slow Hand
エリック・クラプトンが2年ぶり7度目の来日!

1993年5月号
Eric Clapton in 60’s
1994年10月号
『フロム・ザ・クレイドル』
1996年6月号
『アンソロジー 2 : ライヴ・イン・セヴンティーズ』
1998年2月号
B.B.キング『デューシズ・ワイルド』
1998年4月号
『ピルグリム』
1999年11月号
永久保存版 エリック・クラプトン総力特集
2000年8月号
B.B.キング、エリック・クラプトン『ライディング・ウィズ・ザ・キング』
2001年1月号
アメリカ・オンライン(AOL)によるインタビュー
2001年12月号
来日直前! スペシャル・インタビュー
2003年4月号
Page, Beck and Clapton 3大ギタリスト徹底比較
2003年8月号
スライド・ギター大特集(エリック・クラプトンとデュアン・オールマンによる「愛しのレイラ」徹底解析など)

2004年2月号
ジョン・レノンのロックン・ロール・デイズ、そしてフィードバックするギターの伝説
2004年5月号
ロバート・ジョンソンの伝説
~エリック・クラプトンと歴代フォロワーたちの系譜
2005年2月号
エリック・クラプトン 461オーシャン・ブールヴァード、再訪
2005年6月号
エリック・クラプトン~史上最強のトリオ、クリーム再結成記念
2006年9月号
エリック・クラプトン What a wonderful cover world!~カバー・ソングの素晴らしき世界
2006年12月号
J.J.ケイル&エリック・クラプトン『ザ・ロード・トゥ・エスコンディード』
2008年8月号
ジョージ・ハリスン&エリック・クラプトン〜ギターは泣いている
2009年4月号
ジェフ・ベック&エリック・クラプトン  2大ギタリストの奇跡の共演を完全レポート!
2010年11月号
『クラプトン』
2012年1月号
エリック・クラプトン~スティーヴ・ウィンウッドとの深い絆

2014年2月号
フェンダー・ストラトキャスター生誕60周年記念総力特集
2016年6月号
さぁ、クラプトンを語ろう。
2019年3月号
マーシャル現場主義。

最終結果

 最終結果は次のとおりとなりました。

順位表紙登場回数
1位エリック・クラプトン27回
2位Char16回
3位キース・リチャーズ
ジェフ・ベック
15回
4位布袋寅泰13回
5位ジミー・ペイジ
ジョン・レノン
横山健
11回
6位エディ・ヴァン・ヘイレン10回
7位ジミ・ヘンドリックス
ジョージ・ハリスン10位
9回
8位ジョン・フルシアンテ8回
9位B.B.キング
スティーヴ・ヴァイ
スティーヴ・ルカサー
松本孝弘
7回
10位ジョー・ペリー
ポール・マッカートニー
ロン・ウッド
野呂一生
6回

クイズの解答

 第1回に出したクイズの解答を発表します。

【Q1】 この上位20人のうち、日本のギタリストは何人でしょうか? またそれは誰でしょうか?

【A1】
5人
野呂一生、松本孝弘、横山健、布袋寅泰、Char

【Q2】 上位20人の中の3人は同じバンドに所属していました。そのバンドとは?(答えがひとつとは限りません)

【A2】
1. ザ・ビートルズ (ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、ジョン・レノン)
2. ザ・ヤードバーズ (エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ)
3. ザ・ダーティー・マック(ジョン・レノン、エリック・クラプトン、キース・リチャーズ)

*3はパーマネントのバンドではありませんが、バンド名が付いているので、解答のひとつとしました。
*もしかすると上記3バンド以外にもあるかもしれません。情報をお持ちの方はSNSなどで編集部までお知らせください。

【Q3】 上位20人のうち、ギター・マガジンの創刊時(1980年)にはすでに故人だったギタリストがひとりいます。死してなおギター界に多大な影響を与え続けるその人の名は?

【A3】
ジミ・ヘンドリックス(1942年11月27日 – 1970年9月18日)

*ギター・マガジンの創刊号は『1980年12月号』ですが発売は11月でした。よってジョン・レノン氏(1940年10月9日 – 1980年12月8日)は該当しません。

【Q4】 海外のギタリストと日本のギタリスト、それぞれのトップは誰?

【A4】
海外:エリック・クラプトン

日本:Char

 「ギター・マガジン表紙登場回数最多ギタリスト・ランキング」は以上で終了です。ご覧いただきありがとうございました。次回は創刊50周年になった時でしょうか? 皆さま、その日までお元気で!

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