最新のテクノロジーとアナログ回路の融合で誕生したBOSSのアナログ・ディレイ“DM-101”が7月に発売 最新のテクノロジーとアナログ回路の融合で誕生したBOSSのアナログ・ディレイ“DM-101”が7月に発売

最新のテクノロジーとアナログ回路の融合で誕生したBOSSのアナログ・ディレイ“DM-101”が7月に発売

 BOSSの新製品“DM-101 Delay Machine”が、2023年7月15日(土)に発売される。

 本機はBOSSの高度なテクノロジーと蓄積されたノウハウの融合によって生まれた最新のアナログ・ディレイ・ペダルだ。

 フル・アナログ回路によって温かく包み込むようなディレイ・サウンドを実現するとともに、回路の制御にはCPUによるデジタル方式を採用。従来のアナログ・ディレイでは難しかった多彩なサウンド作りを可能にしている。

 加えてタップ・テンポやキャリーオーバー、ステレオ出力、127個のメモリーやMIDIコントロールへの対応など、現代のギタリストに不可欠な機能も多数備えている。

BOSS DM-101のトップ・パネル
トップ・パネル
BOSS DM-101のリア・パネル
リア・パネル

 以下では本機に搭載された12種類のディレイ・モードと、その他の特徴を紹介しよう。

12種類のディレイ・モード

 DM-101には12種類のディレイ・モードが搭載されており、王道のアナログ・ディレイからリズミカルで個性的なタイプまで、幅広いサウンドを選択することができる。

 モードを選択するMODEノブはトップ・パネルの中央に位置しており、その左隣にあるVARIATIONノブで各モード固有のパラメーターをコントロールする。またディレイ音のモジュレーションはMOD RATEとMOD DEPTHのノブで調整する。

MODEノブ
中央がMODEノブ。
MOD RATEノブ、MOD DEPTHノブ、VARIATIONノブ
左からMOD RATEノブ、MOD DEPTHノブ、VARIATIONノブ。

 各モードの特徴は次のとおり。

CLASSICアナログ・ディレイ特有の温かみを持ったサウンド。1,200msまでのディレイ・タイムが設定可能。
VARIATIONノブはモジュレーションの波形を三角波や正弦波、さらにはより複雑な波形へと変化させる。
VINTAGE1981年に登場した、BOSSの伝統的アナログ・ディレイ・ペダルDM-2を彷彿させるサウンド。
VARIATIONノブはモジュレーションの波形を三角波や正弦波、さらにはより複雑な波形へと変化させる。
MODERNアナログ・ディレイの温かさを備えつつ、より高域に鮮明さを残したサウンド。最大840msのディレイ・タイムに対応している。
VARIATIONノブはモジュレーションの波形を三角波や正弦波、さらにはより複雑な波形へと変化させる。
MULTI-HEADBBDによるアナログ・ディレイ・サウンドを、テープ・エコーのような再生方法で楽しめるモード。
VARIATIONノブで10種類のヘッド・パターンを切り替えることが可能。
NON-LINEARディレイ音の音量が徐々に大きくなるアナログ・ディレイ。最初のディレイ音のディレイ・タイムは35msから190msの間で設定可能。
VARIATIONノブで、以降に続くディレイ音の間隔を調節する。
AMBIENCE極めて狭い空間をシミュレートしたモード。
VARIATIONノブで初期反射音を加えることが可能。
REFLECTリバーブのような効果が得られるステレオ対応のモード。
VARIATIONノブはプリ・ディレイを40msから290msの範囲で加える。
DOUBLING+DELAYショート・ディレイによるダブリングと反射音を加えることで、音に厚みを与えるステレオ・アナログ・ディレイ。
VARIATIONノブは、ダブリングのディレイ・タイムを調節する。
WIDEOUTPUT A/Bでディレイ・タイムをずらすことで、広がりあるサウンドを提供するステレオ・アナログ・ディレイ。
VARIATIONノブでOUTPUT A/Bにおけるディレイ・タイムの差を調節する。
DUAL MODOUTPUT A/Bで異なる位相のモジュレーションを出力するステレオ対応のモード。
VARIATIONノブはモジュレーションの位相差を調節。最大にするとOUTPUT A/Bが逆相になる。
PANディレイ音をOUTPUT A/Bから交互に出力するステレオ・アナログ・ディレイ。
VARIATIONノブはOUTPUT A/Bにおけるディレイ・タイムの差を調節する。
PATTERNリズミカルなディレイ音を生成するステレオ対応のモード。
VARIATIONノブで10種類の異なるパターンを楽しむことができる。

モードごとに最適化された音質

 アナログ・ディレイはBBD(Bucket Brigade Device/バケツリレー素子)と呼ばれる電子部品を活用することで、入力されたサウンドをやまびこのようにくり返し再生するエフェクターだ。

 フル・アナログ回路から生み出されるそのディレイ音は、高域が抑えられ、わずかに歪みが加わることで、プレイヤーを温かく包み込むサウンドになる。

 またディレイ・タイムが同一の場合は、BBDの使用数が少ないほどディレイ音に飽和感が増し、使用数が増えるほど伸びやかな高域を備えたサウンドになる。

 DM-101はこうした特性を持つBBDを8個持ち、その8つのBBDと緻密にチューニングされた周辺回路の組み合わせによって、ディレイ音の音質を12種類のモードごとに最適化する事に成功している。

デジタル制御

 先にも触れたとおり、DM-101はフル・アナログで構築されたディレイ回路を、CPUによるデジタル方式で制御するディレイ・マシンだ。

 本機のCPUは、12種類のモードに応じて、BBDの使用数とその接続方式、フィルターの種類、クロック周波数、フィードバック経路などを制御する。これにより温かく飽和感が強いVINTAGEモードや、高域の鮮明さを残したMODERNモードなど、多彩なサウンド・キャラクターが生み出される。

ステレオ・サウンド

 DM-101はアナログ・ディレイでありながらも、BBDの接続方法を直列から並列に切り替えたり、それぞれのBBDに異なるクロック信号を送信したりすることで、多彩なステレオ・サウンドを生み出すように作られている。

 例えばPANモードでは、BBDに異なるディレイ・タイムを与えることで、左右交互に飛び交うディレイ音を実現している。

 DUALMODモードでは、左右それぞれのモジュレーションの位相をずらすことで、広がりのあるサウンドを作り出している。

 またダイレクト音とエフェクト音の個別出力にも対応。ダイレクト・ミュート機能も搭載しているため、PAミキサーの外部エフェクトとして活用することも可能だ。

高い汎用性

 DM-101は現代のギタリストに求められる高い汎用性も備えている。

 たとえばディレイ・タイムは、タップ・テンポ機能により、演奏する曲に合わせて即座に設定可能(一部のモードを除く)。タップ・ディビジョンもボタン1つで切り替えられるため、リズミカルなディレイを簡単に得ることができる。

TAPスイッチ
TAPスイッチ
TAP DIVISIONボタン
TAP DIVISIONボタン

 コントロールの拡張にも対応しており、フットスイッチやエクスプレッション・ペダルの追加、外部MIDI機器による制御が可能。

CTL 1, 2/EXP端子
CTL 1, 2/EXP端子
MIDI(IN、OUT)端子
MIDI(IN、OUT)端子

 メモリー機能も備えており、作成したサウンドは本体のフットスイッチで4個、MIDIによるコントロールでは127個まで呼び出すことができる。

MEMORYスイッチ
MEMORYスイッチ
MEMORY
MEMORYボタン

 さらにエフェクトをOFFにした際にも残響を残すことが可能なキャリーオーバー機能も装備されている。

外形寸法

 DM-101の寸法は192(幅)×133(奥行)×53(高さ)mm(ゴム足を含む)。ペダルボードに入れる時はBOSSのコンパクト・エフェクター2台分のスペースに収まるようになっている。

ペダルボードに収めたDM-101
ペダルボードに収めたDM-101

 そして最後の写真は、BOSSのアナログ・ディレイのファミリーだ。

BOSSのアナログ・ディレイ・ファミリー
BOSSのアナログ・ディレイ・ファミリー

 DM-1(上の写真の右側)がリリースされたのは1978年。それからDM-101(左側)が登場する2023年までに、じつに45年もの時が流れている。

 DM-2(中央上)やDM-3(中央下)に昔お世話になったという人や、今なお愛用し続けている人も、まもなく発売されるDM-101を試してみてはいかがだろうか。

BOSS
DM-101

【スペック】
メモリー:127+マニュアル
規定入力レベル INPUT:-10dBu
入力インピーダンス INPUT:1MΩ
規定出力レベル OUTPUT A/MONO、OUTPUT B:-10dBu
出力インピーダンス OUTPUT A/MONO、OUTPUT B:1kΩ
推奨負荷インピーダンス OUTPUT A/MONO、OUTPUT B:10kΩ以上
ディレイ・モード:CLASSIC、VINTAGE、MODERN、MULTI-HEAD、NON-LINEAR、AMBIENCE、REFLECT [STEREO]、DOUBLING+DELAY [STEREO]、WIDE [STEREO]、DUAL MOD [STEREO]、PAN [STEREO]、PATTERN [STEREO]
バイパス:バッファード・バイパス
コントロール:ON/OFFスイッチ、MEMORYスイッチ、TAPスイッチ、MOD RATEつまみ、MOD DEPTHつまみ、VARIATIONつまみ、MODEつまみ、DELAY TIMEつまみ、INTENSITYつまみ、DELAY VOLUMEつまみ、MEMORYボタン、TAP DIVISIONボタン
接続端子 INPUT、OUTPUT A/MONO、OUTPUT B:標準タイプ、CTL 1, 2/EXP端子:TRS標準タイプ、MIDI(IN、OUT)端子:ステレオ・ミニ・タイプ、DC IN端子、USB端子:USBマイクロBタイプ(プログラム・アップデートのみ)
電源:ACアダプター
消費電流:260mA
外形寸法:192(幅)×133(奥行)×52(高さ)mm(ゴム足を除く)、192(幅)×133(奥行)×53(高さ)mm(ゴム足を含む)
質量:830g
付属品:ACアダプター、取扱説明書、チラシ(安全上のご注意、使用上のご注意、お問い合わせの窓口)、ゴム足×4、保証書
別売品:フットスイッチ/FS-5U、デュアル・フットスイッチ/FS-6、FS-7、エクスプレッション・ペダル/FV-500H、FV-500L、EV-30、Roland EV-5、MIDI/TRSコネクティング・ケーブル/BMIDI-5-35、BMIDI-1-35、BMIDI-2-35、BCC-1-3535、BCC-2-3535

【価格】
オープンプライス

【問い合わせ】
ローランドお客様相談センター TEL:050-3101-2555 https://www.boss.info/jp/