今からちょうど50年前、1971年のイギリスでは、ブルース・ロックからハード・ロックへと流行の過渡期を迎えていた。しかし、そんな時代に結成された第2期ジェフ・ベック・グループは、『Rough And Ready』でソウル/ファンクのエッセンスをふんだんに取り入れ、独自の路線を突き進んでいった。ギタマガWEBでは同作の50周年を記念して特集を企画。このすぐあとにスティーヴィー・ワンダーとの共演も果たすジェフ・ベックの、ブラック・ミュージックとの関係性について、第2期ジェフ・ベック・グループを題材に探っていきたい。
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Contents
“第2期”ジェフ・ベック・グループとは?
ブルース・ロックからハード・ロックへと移行する当時のブリティッシュ・ミュージックの流れに乗らず、ソウル/ファンク路線に舵を切った経緯はどのようなものだったのだろうか? まずはジェフ・ベック・グループの“第2期”が一体何なのかを知るために、そのメンバー構成や結成当時のエピソードを紹介していこう。
ジェフ・ベックと黒人音楽の“密なカンケイ”。
第2期ジェフ・ベック・グループでソウル/ファンク路線に乗り出し、その後すぐにスティーヴィー・ワンダーの『Talking Book』に参加するなど、急速に黒人音楽との距離を詰めていったジェフ・ベック。ここでは、彼が影響を受けた楽曲をまとめたプレイリストを聴きながら、ベックとブラック・ミュージックとの関係性について探っていこう。
第2期ジェフ・ベック・グループの名盤
『Rough And Ready』&『The Jeff Beck Group』を語り尽くす
第2期ジェフ・ベック・グループでは2枚の作品を残している。1971年作『Rough And Ready』と最終作となる翌年リリースの『The Jeff Beck Group』だ。ここではそれぞれの聴きどころを、ギター視点で解説していこう。ぜひ音源を聴きながら読んでほしい。
Playing Analysis
ジェフ・ベックのブラック・フィーリング
黒人音楽へと急接近したジェフ・ベック。続く超名盤『Blow By Blow』で聴けるブラック・フィーリング溢れるプレイ・スタイルは、この第2期ジェフ・ベック・グループで土台が完成した。今回は『Rough And Ready』と『The Jeff Beck Group』の中から黒い香り漂うプレイを抜粋して紹介しよう。
Sound Analysis
機材から探る第2期JBGサウンド
ジェフ・ベックは活動の時々でそれぞれアイコニックな存在となるギターを抱えている。セイモア・ダンカンが手がけたテレギブや、リフィニッシュされた1954年製レス・ポール=オックスフォードなどなど……。ここではそんな彼が第2期ジェフ・ベック・グループで手にしていたギターや機材について語りたい。