2026年3月26日(木)に新宿LOFTで開催されたギター・マガジン主催のライブ・イベント『TIME TO FUZZ Vol.2』。ストレイテナーとNELKEが出演した。本記事では、ストレイテナーのホリエアツシ(vo,g)が本イベントで使用した4本のギターを、本人の解説とともにご紹介。
取材・文=小林弘昂 機材撮影=西槇太一
Horie’s Guitars
2005 Gibson Custom
1962 SG Standard Reissue
オリジナルを保ち続ける
絶対的メイン
メイン・ギターは、2008年に入手した62年リイシューSGスタンダード。シリアル・ナンバーは“050432”。改造箇所はなく、18年間オリジナルのまま使い続けている。
ホリエは本器の前に61年リイシューのチェリー・レッドのSGを知人から借りて使用しており、その個体はヘッド落ちがなかったようで、年式が近い62年リイシューを選んだという。
歪み/クリーンのどちらでも6弦すべての弦と帯域が抜けてくるとのことで、以前のインタビューでは“コード弾きやアルペジオに適している”と語っていた。
ピックアップは’57 Classicが採用されている。以前、ホリエは“サウンドのバランス感が好み”という理由でミックス・ポジションを選択していたが、この日はリアで切れ味のあるドライブ・サウンドを鳴らしていた。
弦はElixirの.010〜.046で、この日のチューニングは全曲半音下げにセッティング。
使用楽曲(2026年3月26日@新宿LOFT)※全弦半音下げチューニング
- 「Melodic Storm」
- 「叫ぶ星」
- 「Ark」
- 「BIRTHDAY」
1980 Fender
25th Anniversary Stratocaster
上品なサウンドが特徴の
25周年アニバーサリー・モデル
1954年に発売されたストラトキャスターの25周年を記念し、1979〜1980年に限定製作されたアニバーサリー・モデル。当時のストラトキャスターは3点留めネックが基本だったが、本モデルには4点留めが採用されており、オリジナルのストラトキャスターへと近づけられた仕様が特徴だ。
ホリエは2015年に知人が勤める楽器店からオススメされて購入したという。本器のシリアル・ナンバーは“259139”で、1980年製だと推測する。
本モデルの発売当初はボディにポール・ホワイト・カラーが用いられていたが、塗装の不具合からすぐにリコール対象になり、途中からシルバー・カラーに変更された。日本では当時の輸入代理店である山野楽器が本国フェンダーのライセンスを得て、もともとのシルバーに加え、パール・ホワイトとキャンディ・レッドにリフィニッシュしてから発売された個体も多く存在する。おそらく本器は当時の山野楽器によってリフィニッシュされた1本だろう。
ホリエは本器について、“かなり上品でキレイな音”とコメント。ピックアップ・セレクターをセンターに固定し、軽やかなカッティングやストロークが必要な楽曲で使用された。
使用楽曲(2026年3月26日@新宿LOFT)※全弦半音下げチューニング
- 「Next Chapter」
- 「月に読む手紙」
- 「DONKEY BOOGIE DODO」
- 「COME and GO」
- 「シーグラス」
2017 Fender
American Original ’60s Telecaster
憧れ続けた
人生初のテレキャスター
「メタセコイアと月」で使用された、2017年製American Originalシリーズの’60sテレキャスター。ボディはアルダーで、ピックアップはPure Vintage ’64 Single-Coilが搭載されている。
ホリエは昔からテレキャスターに憧れがあったそうだが、“自分には使いこなせない”と思っていたという。そんな中、2019年に行なわれたフェンダーの取材の際に本器を試奏したところ気に入り、導入した1本。入手してからはオリジナルのままで、改造点はなし。
ホリエは本器について、“ジャキジャキした音とアタック感が好きなので、カッティングやキメが多い曲で使っています”と語っている。
ピックアップはフロント・ポジションを選択。本器のみレギュラー・チューニングにセッティング。
使用楽曲(2026年3月26日@新宿LOFT)※レギュラー・チューニング
- 「メタセコイアと月」
Sago New Material Guitars
Hiva La Vida
ヒバ材が用いられた
初のオリジナル・ギター
2024年、能登ヒバ楽器プロジェクト“ATENOTE”とSago New Material Guitarsとのコラボレーションで製作されたホリエの人生初となるオリジナル・ギター、“Hiva La Vida(ヒバ・ラ・ヴィダ)”。ボディ・シェイプはホリエのアイディアでSGとL6のシェイプを融合し、発展させていったという。
使用木材はすべて国産で、ボディは能登ヒバ、ネックは圧縮能登ヒバ(40%)、指板はカシが用いられている。能登ヒバは重量が軽い木材で、ホリエは“音も軽くて、SGよりも軽いです”とコメント。ピックガードもヒバで製作されている。木目の美しさを見せたいということで、ボディのベベル・カット部分にはクリア塗装を採用。指板がカシなのは、ヒバよりも硬さが欲しかったからとのこと。
ピックアップはSago New Material GuitarsのL(x) HBを2発搭載。ホリエは常にリアを選択している。
使用楽曲(2026年3月26日@新宿LOFT)※全弦半音下げチューニング
- 「My Rainy Valentine」
- 「宇宙の夜 二人の朝」
Picks

ピックはNVPICKSのオリジナルで、厚さは.60mm。デザインはホリエによるものだ。以前のインタビューでは、“柔らかいピックのほうが良い感じに弦に引っかかるし、右手の細かいニュアンスも出せる”とコメントしていた。
Interview
自分のアイコン的なものを
オリジナルで作れたらいいなと考えていました。
メインはSGスタンダードですか?
そうですね。今日は曲によって持ち替えますけど。
ギターはそれぞれどのような使い分けを?
曲作りやレコーディングで使ったものをライブでも弾いていて、それによって本数が増えていった感じです。今日は4本全部使うんですよ。
ストラトキャスターは25周年アニバーサリー・モデルですが、これを選んだ理由は?
ストラトはその前から借りて弾いていたんですけど、自分のものも欲しいなと思って探していて、ちょうどよく“良いのあるよ”と知り合いの楽器店からオススメされました。それまで弾いていたストラトはもうちょっと荒々しくて、それも気に入っていたんですけど、これはかなり上品でキレイな音が鳴っていて、これも良いなと。
青いカスタム・テレキャスターはいつ手に入れたものですか?
5年以上前ですね。ずっとテレキャスの音に憧れがあったんですけど、“使いこなせないな”と思っていて。でも、フェンダーの取材があった時に弾かせてもらって、“やっぱり良いな”と思って使い始めました。
テレキャスターはいろいろと試奏したんですか?
いや、その時に弾いたのはこれだけですね。改造もしてないです。
カスタム・テレキャスターはボディがアルダーですが、そこは意識せずに手に入れたんですか?
そうですね。これは新品で手に入れたので、なんにも気にしてないです。テレキャスの歴史も知らない(笑)。
音の印象はどうでしょう?
ジャキジャキした音とアタック感が好きなので、カッティングやキメが多い曲で使っています。
ライブで、ピックアップ・ポジションはどの位置を使っていますか?
センターだったような気がします(笑)。レコーディングの時はいろいろと試すんですけど、ライブではローディーに任せていて。
最後に、Sago New Material Guitarsで製作されたホリエさんのカスタム・ギターの詳細を教えてください。
能登ヒバという木材を使って楽器を作るプロジェクト(ATENOTE)にお声がけいただいて、完全なオリジナルのギターを作れるということで、Sagoで作ってもらいました。デザインから何から僕が提案したんです。メイン・ギターがSGなので、SGっぽい変形にしたいなと思っていましたし、自分のアイコン的なものをオリジナルで作れたらいいなと考えていましたね。
2年前くらいに使い始めて、ちょっとずつ音も馴染んできたかな。最初は音圧も弱めで、けっこう軽かったんですよ。それでも軽いので、“ハムバッカーだけどちょっと軽いほうがいいな”っていう曲で使っています。
SGよりも軽い音ですか?
そうです。4本の中でこれが一番軽いですね。
2026年3月26日(木)新宿LOFT
【Setlist】
01. Melodic Storm
02. 叫ぶ星
03. Ark
04. Next Chapter
05. 月に読む手紙
06. DONKEY BOOGIE DODO
07. My Rainy Valentine
08. 宇宙の夜 二人の朝
09. メタセコイアと月
10. Skeletonize!
11. BIRTHDAY
12. COME and GO
13. シーグラス









