国産ブティック・ギター・ブランドのビルダーや仕掛け人たちに、音楽的なルーツやギター製作の哲学を聞いた『にっぽんのエレキ人 2026』では、各ブランドのオリジナル・ギター18本をDo As Infinityの大渡亮が徹底試奏! その試奏部分をWEBでもお届けしよう。今回はEuphorealのLuLu 3minihum #010/Velvet Green。
取材/文=鈴木伸明 撮影=星野俊 デザイン=須藤廣高
Euphoreal/LuLu 3minihum #010/Velvet Green

彫金のピックアップが映える、ほかにはない造形美
ユーフォリアルは、藤野州豊が2020年に設立した奈良県大和郡山市に拠点を置くハンドメイドのピックアップ・ブランド。ブランド名は“Euphoria(陶酔)”と“Real(現実)”を組み合わせた造語で、”プレイヤーが陶酔できるサウンドを現実のものにする”をテーマにしている。ユリなどをモチーフにした精緻な彫金を施した金属パーツも特徴で、オリジナル・モデルのギター製作にも取り組んでいる。
試奏したLuLuは、ルックスからしてクラフツマンの情熱と美意識が凝縮されたような仕上がりだ。ボディはアッシュ、ネックはメイプル、ピックアップはオリジナルのMinitonic-Goldfoilを3基搭載。ブリッジはギリシャのHalon製の3ウェイ・タイプを採用。アルミのピックガード、フローティング・トレモロ、ペグのツマミにいたるまでびっしりとエングレイブが施され、ほかにはない造形美を作り出している。

Builder’s Voice

藤野 州豊 オフセットのボディをもとにスケッチしてデザインしました。ピックアップはゴールドフォイルのミニ・ハムバッカーで、ビザールっぽい音も出せるんですけど、幅広いジャンルで使える音になっています。プリセット・スイッチは強制的にフロントになるのではなく、トーンとボリュームの設定だけが反映される仕様です。ハロンっていうギリシャのブランドのブリッジを使っているのもこだわりで、オープンに鳴ってくれるイメージですね。
Owatari’s Impression
豊富なサウンド・バリエーションが魅力的です

大渡亮 生音で弾くとアルミ・ピックガードらしい個性的な音が出ます。ペグのツマミまでエングレイブが入っていてとてもゴージャスですね。ただ持ってみると意外に軽くて、ネックは細めで弾き疲れなさそう。
アンプを通すとこのタイプのブリッジ特有のビザールっぽい響きがありますが、豊富なサウンド・バリエーションを出せることが魅力だと思います。ピックアップのニュアンスはシングルコイルに近くて、ちょっとゲインが高い感じで、ハイがしっかり出てきます。フロントは甘いトーンが出て、使い勝手がよさそう。プリセット・コントロールは、フロントだけではなく、どのピックアップも使えるようになっていますね。コントロールはドライバーでないと動かないようになっていて、演奏中に触れても可変しないように考えられている。
ルックスは個性的ですが、アンプを通した音はビンテージ寄りで、ファズとの相性も良さそう。オルタナ系が好きな人におすすめしたいです。
