国産ブティック・ギター・ブランドのビルダーや仕掛け人たちに、音楽的なルーツやギター製作の哲学を聞いた『にっぽんのエレキ人 2026』では、各ブランドのオリジナル・ギター18本をDo As Infinityの大渡亮が徹底試奏! その試奏部分をWEBでもお届けしよう。今回はCollecteraのFaro Dual – Suiboku。
取材/文=鈴木伸明 撮影=星野俊 デザイン=須藤廣高
Collectera/Faro Dual – Suiboku

演奏者のアイディアと西垣らしさの融合
ニシガキ・ギターズの西垣祐希と、ジャズ・ベーシストの宮地遼がタッグを組んで2024年に始動したブランドがコレクテラだ。Collective=集合体、Era=時代を組み合わせたブランド名が示すように、製作者と演奏者の異なる視点を融合させた新たなる楽器作りに挑戦し、イベントなど現代の音楽家が集まることも目指しているという。
試奏したFaro Dualは、マホガニーをくり抜いたサイド&バックにフレイム・メイプルのトップを貼り合わせたセミ・ホロウ構造のボディを持つ。最大の特徴は、サウンドホールがボディ・サイドに開けられた大胆なデザインであるが、“水墨”と命名された墨による落ち着いたフィニッシュと相まって、魅力的な雰囲気を出している。ピックアップは、オリジナルのCollectera Signature HB-Ⅱ V。指板はマダガスカル・ローズウッドを採用している。

Builder’s Voice

西垣 祐希 もともとは実用性のあるショート・スケールの多弦ベースを作りたいという宮地遼のアイディアからS1というモデルが完成したのですが、ニシガキ・ギターズではなく、新しいブランドにしたほうがいいと思ったことが成り立ちです。Faroは、セミ・ホロウ・ボディの新たな可能性を提案したモデルとなります。センター・ブロックはボディ・エンドまで延長。墨を使用した独特のカラーリングもポイントになります。
Owatari’s Impression
ジャズもロックもいける、弾いていて“アガる”音

大渡亮 とてもいい材が使われていますね。指板のマダガスカル・ローズウッドもハカランダのような深みがあります。抱えてみると、コンターが入っているせいか、ボディは薄く感じます。ネックは太めで生音の響きもいいですね。サウンドホールの位置が変わっているので、不思議なところから音が聴こえてくる感じがします。
アンプを通すと元気が良くて、意外とロックにも使えそうな印象です。センター・ブロックが入っているからか、歪ませても使いたい。TOMタイプのブリッジのおかげか、トレブルが強めに出る感覚があって、レスポンスも敏感でニュアンスが出しやすいですね。アンプを通した音には、このサウンドホールの位置は、直接関係してないような気もしますが、ソリッド感のある響きがするのはこの位置のせいもあるのかな。非常に質のいいトラディショナルなトーンで、ジャズ、ブルース、ソウル、ビンテージ・ロックにいけると思います。弾いていて、盛り上がる音です。
