国産ブティック・ギター・ブランドのビルダーや仕掛け人たちに、音楽的なルーツやギター製作の哲学を聞いた『にっぽんのエレキ人 2026』では、各ブランドのオリジナル・ギター18本をDo As Infinityの大渡亮が徹底試奏! その試奏部分をWEBでもお届けしよう。今回はSTR GuitarsのJTG Design SSH SKR/TOCHI #JTD0111。
取材/文=鈴木伸明 撮影=星野俊 デザイン=須藤廣高
STR Guitars/JTG Design SSH SKR/TOCHI #JTD0111

アメリカの名工によるデザインと日本らしさの融合
長野県松本市で高品質手工ギターを手がける飛鳥の工場長、八塚悟が完全オーダー・モデルを製作するブランドとして2006年にスタートしたSTRギターズ。伝説的ビルダーである故ジェームス・タイラーがその技術力に着眼して、同社の日本シリーズを製作していることでも知られている。STR JTG Designは、そのジェームス・タイラーがSTRギターズのためにデザインしたモデルで、基本的にはすべて1本モノ(左頁で八塚が抱えているのが、ジェームスが手掛けたJTG Designのプロトタイプ)。
試奏したモデルは、ボディ・トップに桜、ボディ本体にトチと、どちらも美しいフレイムを持つ材を選定。指板はパープルハートで、繊細な桜の花のインレイが刻まれている。ピックアップは、ジェームス・タイラーのJTS5500(シングル)を2基、SUPER(ハムバッカー)を搭載。カリフォルニアの名工のシルエットに日本の伝統工芸の精緻さを融合させた特別な1本だ。

Builder’s Voice

八塚 悟 ジェームス・タイラーの仕様をベースに、日本の和材を融合させた特別なコラボ・モデルです。ボディにはサクラやトチを採用しています。トチのボディは中域がバリッと出て反応が良く、アルダーとアッシュの間のようなニュアンスが出しやすいのが特徴です。タイラー製のPUによりタイラーらしい実用的なサウンドを残しつつ、うちが得意とする和材の強みと美しさを絶妙に同居させた、唯一無二の1本に仕上がっています。
Owatari’s Impression
桜にこんなフレイムが出ることを知らなかった

大渡亮 ボディのトップは桜、バックはトチ、どちらも日本の材ですね。桜でもこんなにきれいなフレイム杢が出るとは知らなかったです。確かに全体的なイメージにジェイムス・タイラーらしいところを感じますが、ギターの鳴りにブランドならではのこだわりがあるような気がします。
以前マムヨ・ボディのタイラーを弾いたことがあって、ネックの感じは似ています。指板のパープルハートは、メイプルほどカランとはしてないけど、鳴りが良くていい影響を与えていると思います。指板のアールがゆるくて、大きめのフレットが付いているので、テクニカルなフレーズもスラスラ弾けるイメージがありますね。
リア・ピックアップの噛みつき具合が気持ちよくて、元気なロック・サウンドで使いたい。シングルも明るいトーンです。1本のギターでたくさんのサウンド・バリエーションを出したい人におすすめできますね。ゴージャス感があるので、弾いていて気分が上がります。
