全年齢対象「ストマン」!パット・ブーンによるポップなカバー。 全年齢対象「ストマン」!パット・ブーンによるポップなカバー。

全年齢対象「ストマン」!
パット・ブーンによるポップなカバー。

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週はアメリカの国民的ポップ・シンガー=パット・ブーンによるカバーをご紹介しましょう! ブルース感はゼロだけど、こういうポップなスタイルに昇華されるほど、「ストマン」はスタンダードになったわけです。ただ、残念ながらサブスクには登録されていないため、YouTubeで検索などしてみて下さい。

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


『This And That』(1960年/Dot Records)
Pat Boone

「ストマン」スタンダード化、ここに極まれり。

パット・ブーンといえば、「砂に書いたラブレター(Love Letters in the Sand)」(1957年)などのヒットを持ち、50年代後半にエルヴィス・プレスリーに次ぐ人気を誇った、PTAお墨付き、青少年向け優良ポップ歌手。

リトル・リチャードの「トゥッティ・フルッティ」の毒を抜き、1位のヒット。腹を立てたリチャードが「のっぽのサリー(Long Tall Sally)」を、ブーンが歌えないように早口で歌った、というのは有名だろう。ギタマガ読者ならば、ヘビメタ系の曲をビッグ・バンド風にアレンジ、リッチー・ブラックモアなどもゲスト参加した怪作『メタルバカ一代!!!(In A Metal Mood : No More Mr. Nice Guy)』で知っている人も多いか。

さて、そんなブーンが、あれやこれやを歌った60年の『This And That』でカバー。イントロはTボーンのオリジナルまんまで、歌に絡むミュート・トランペットも、良い雰囲気だ。だが、ブーンの歌はブルース感ゼロ。何でも“ゼロ”は体にいいのか? 

2番の“日曜は教会に行って、跪いて祈る”を“日曜は一日中、良い子でいるよ”と歌い、3番の“ロード・ハヴ・マーシー”は、“オー・マイ・グッドネス”に。敬虔なクリスチャンだからこその、歌詞改変か。毒にも薬にもならないという点で、同曲カバー中ナンバーワン。