超絶テクニックとハード・ドライビングがピークに達したカルテット作。ぶっ速いテンポの大スタンダード「Stella By Starlight」、「All The Things〜」では、シンプルに歌い上げるテーマと、突進&急反転で予測不可なアドリブが好対照を成す。スローの「How Long〜」では十八番の人工ハーモニクスを駆使したソロも。絶頂にあったこの1年後、タルは一時引退へ。
The Oscar Peterson Trio With Herb Ellis 『Hello Herbie』
●リリース:1970年 ●ギタリスト: ハーブ・エリス
直情的なグルーヴは唯一無二
オスカー・ピーターソン・トリオのメンバーだったエリスが元ボスにフィーチャーされた快作。見せ場は「Naptown Blues」と「Seven Come Eleven」で、ともにアップテンポをものともせず、グルーヴを強調する直情的なフレーズをこれでもかとくり出す。ピーターソン時代では『At The Stratford Shakespearean Festival』(1956年)もオススメ。
クラシック・ギター奏法でなければ表現しきれない音の動きやボイシングで独自の世界を作り上げたガット名手の傑作。とは言え、チャーリー・クリスチャンやジャンゴ・ラインハルトの延長線上にいるストレートアヘッドなギタリストだ。「Polonaise Pour Pietro」で聴ける不思議なブルージィ・テイストは真骨頂。アルバム後半ではエレクトリックも登場。