2022年10月9日にレッド・ホット・チリ・ペッパーズが出演した米テキサス州の音楽フェス、“オースティン・シティ・リミッツ”のステージで撮影されたジョン・フルシアンテ愛用のギターの中から、ビンテージ・ストラトキャスター4本をまとめて公開! ジョンのテックを務めるヘンリー・トレホ、かつてのテックであるデイヴ・リーの両名のコメントとともにお届けしよう。また、2023年2月19日のレッチリ東京ドーム公演で、各ギターがどの曲で使われたのかも合わせてご紹介!
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翻訳=トミー・モリー Photo by Eleanor Jane
Fender/1962 Stratocaster
ヘンリー・トレホ このストラトキャスターは、最新の2つのアルバム(『Unlimited Love』、『Return of the Dream Canteen』)のほとんどの曲で使っている。すべての曲とまでは言わないけど、おもなパートはほぼこのギターでプレイしていた、ジョンのメイン・ギターだね。
特徴的なギター・ソロや、ヘヴィなパートではほかのギターを使っていたけど、この62年製がサウンドの基本となっていたよ。
デイヴ・リー この62年製を初めて目にしたのは『Californication』でのセッションだったと思う。ジョンはバンドに戻ったばかりで、作曲とレコーディングに先んじていくつかのショーをプレイしていた。あの時はまだこのギターを手に入れていなかったんじゃないかな。
彼は55年製のストラトキャスターしか持っていなくて、そのギターしか弾きたがらなかった。でも、このストラトキャスターを手に入れてからは、使い分けるようになったんだ。
2023年2月19日(日)@東京ドーム公演で1962 Stratocasterを使用した楽曲リスト
- Intro Jam
- Snow(Hey Oh) – 『Stadium Arcadium』(2006年)収録
- Soul to Squeeze – 『Coneheads(Music From The Motion Picture Soundtrack)』(1993年)収録
- Nobody Weird Like Me – 『Mother’s Milk』(1989年)収録
- By the Way – 『By the Way』(2002年)収録
- Under the Bridge – 『Blood Sugar Sex Magik』(1991年)収録
- Give It Away -『Blood Sugar Sex Magik』(1991年)収録
Fender/1955 Stratocaster
ヘンリー これはジョンがバンドに戻ってきた時に持ってきたギターだね。彼は“このギターとマーシャルのヘッド&キャビネットのセットで組んでほしい”と言ってきた。
俺たちはそこからセットアップを組まなくてはならなかったんだ。復帰後のサウンド・セッティングは、すべてこの55年製のストラトを元に組んでいったよ。
デイヴ メロウなサウンドのギターで、切り裂くようなリードをプレイする必要がない曲で使っている。「Don’t Forget Me」だったり、「Aquatic Mouth Dance」、「One Way Traffic」といった新曲で使っていたり。あと、意外にもドロップDチューニングでヘヴィな「These Are the Ways」でもこのギターを選んでいたりするね。
この55年製は、ライブで登場する回数は少ないかな。気になるのは、指板が剥がれてなくなってしまっている部分があって(19フレット付近)、いつの間にか補修されていたんだけど……。
ヘンリー それはアンソニー(キーディス/vo)のせいだね。チェロ・スタジオ(現在はロサンゼルスにあるイーストウェスト・スタジオ)のラウンジで立て掛けておいたら、彼が誤って倒してしまって。
2023年2月19日(日)@東京ドーム公演で1955 Stratocasterを使用した楽曲リスト
- Suck My Kiss – 『Blood Sugar Sex Magik』(1991年)収録
- These Are the Ways – 『Unlimited Love』(2022年)収録
以下で掲載する2本のストラトキャスターの写真は、本記事の元となったGuitar Player誌の企画『RED-HOT GUITARS』の扉ページで使用されたものだ。そのため、ヘンリー・トレホ&デイヴ・リーのコメントは記載されていなかったが、せっかくなので写真だけでもお届けしよう。
Fender/1964 Stratocaster(Olympic White)
2023年2月19日(日)@東京ドーム公演で1964 Stratocaster(Olympic White)を使用した楽曲リスト
- Here Ever After – 『Unlimited Love』(2022年)収録
- Eddie – 『Return of the Dream Canteen』(2022年)収録
- Reach Out – 『Return of the Dream Canteen』(2022年)収録
- Tippa My Tongue – 『Return of the Dream Canteen』(2022年)収録
- Carry Me Home – 『Return of the Dream Canteen』(2022年)収録
Fender/1961 Stratocaster(Fiesta Red)
2023年2月19日(日)@東京ドーム公演で1961 Stratocaster(Fiesta Red)を使用した楽曲リスト
- Black Summer – 『Unlimited Love』(2022年)収録
ギター・マガジン2020年3月号
『ジョン・フルシアンテ、帰還!!!』
ジョン・フルシアンテのRHCP帰還を記念して、全アルバム・インタビュー&使用機材を一挙掲載! ソロでの活動や奏法も深掘りし、音楽家としての全貌に迫る!
ギター・マガジン2022年6月号
『ジョン・フルシアンテ完全復活!!!!』
ジョン・フルシアンテ復帰後のRHCPがリリースした最新アルバム『Unlimited Love』を徹底深堀り!! 作品についてジョンが語った最新インタビューも、国内独占掲載!!
作品データ
『Return of the Dream Canteen』
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
ワーナー/WPCR-18552/2022年10月14日リリース
―Track List―
- Tippa My Tongue
- Peace And Love
- Reach Out
- Eddie
- Fake As Fu@k
- Bella
- Roulette
- My Cigarette
- Afterlife
- Shoot Me A Smile
- Handful
- The Drummer
- Bag Of Grins
- La La La La La La La La
- Copperbelly
- Carry Me Home
- In The Snow
- The Shape I’m Takin(※国内盤ボーナス・トラック)
『UNLIMITED LOVE』
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
ワーナー/WPCR-18552/2022年10月14日リリース
―Track List―
- Black Summer
- Here Ever After
- Aquatic Mouth Dance
- Not the One
- Poster Child
- The Great Apes
- It’s Only Natural
- She’s a Lover
- These Are the Ways
- Whatchu Thinkin’
- Bastards of Light
- White Braids & Pillow Chair
- One Way Traffic
- Veronica
- Let ‘Em Cry
- The Heavy Wing
- Tangelo
―Guitarist―
ジョン・フルシアンテ