ギタリストのストラップ事情 – 第2回:田渕ひさ子 ギタリストのストラップ事情 – 第2回:田渕ひさ子

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ギタリストのストラップ事情 – 第2回:田渕ひさ子

ギターとミュージシャンをつなげる重要なアイテムである、“ストラップ”。デザインや色、機能性、耐久性など、実はチェックしておくべきポイントは様々だ。では、世のギタリストはどんなこだわりを持っているだろう?

本連載では、気鋭のブランド=AQUBE MUSIC PRODUCTSの提供のもと、密かなストラップ事情を掘り下げていく。第2回は、田渕ひさ子の愛用ストラップを紹介。

Presented by AQUBE
取材・文:錦織文子 写真:是永日和

左肩の肩甲骨あたりはずっと痣の跡がありますね。
それでもやっぱり細身が好きなんです。

田渕ひさ子
田渕ひさ子

本日持ってきてくれたストラップは?

 サブで使っている62年製のジャズマスターに付けているVOXのストラップです。メインのほうにも同じものを付けてます。もともと肩パッドがあったんですけど、手に入れてすぐはずしました。

VOX STRAP MM25

愛用ジャズマスターと年輪を重ねる、こだわりの細身ストラップ

この日持ってきてくれたのは、62年製ジャズマスターに付けているVOX製ストラップ(ブラック)で、もともとあるはずの肩パッドははずして使用。メイン器の65年製にも同じものを付けている。幅は約1.6cmと極細! ちょうどいい長さに微調整するため、ストラップ下部に1つ結び目を作っているのがポイント。“最初は結び目が固かったんですけど、今は馴染んで平らに捻れてます。メインは結び目が2個ですね”と田渕。

田渕さんは長らく細身の黒いストラップを付けている印象があります。それこそ『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態』(2003年)のジャケットでも見られますね。

 あ、あれは実はまた別のストラップなんです。メインのジャズマスターを買った時に、同じくらいのタイミングで友達がフェンダーUSA製のプレシジョン・ベースを買ったんですよ。それにおまけで付いてきたストラップをもらって、最初しばらくはそれをつけてたんです。今使っているものよりもっと細くて薄っぺらくて。で、たしかナンバーガールが最初に解散したあと何年かして切れたんですよ。それで今使っているストラップを買いました。

そうでしたか。今使っているものも以前と同じく幅が狭いタイプですね。

 なんか細いストラップが好きなんですよね。なんでなのか考えてみたんですけど、わからなかったです(笑)。そういえば初めて買ったジャガーにも、それは白色でしたけど細いストラップを使っていました。

ギターを始めた時からずっと細身のストラップなんですね! ちなみに、パットをはずしたことで肩に負荷がかかりませんか?

 肩にかけた瞬間は何か神経に当たったようにビリッときます。時間が経つと慣れるんですけど。それで左肩の肩甲骨あたりはずっと痣の跡がありますね。

それでも幅広のものにしようとは……。

 思わないです。でも、たまに普通の幅のストラップを人からもらったりして家で試すこともあって、その時は安定するし肩が痛くなくてすごいな~と思いますね(笑)。今より太いものにすればいいのにとも思いますけど、それでもやっぱり細身が好きなんです。

VOX STRAP MM25を取り付けたジャズマスターを持つ田渕ひさ子

黒や白などシンプルな単色が多いですね。

 このストラップはジャズマスターの色に合わせて黒にしたんですけど、違うボディ・カラーだったら違う色のストラップにしていたかもしれないです。このストラップの黒はサンバーストの外側の黒色と合ってるんですよね。白いピックガードの赤いジャズマスターも持ってるんですけど、それには黒じゃなくてフェンダーのナチュラル色のストラップ(Super Deluxe Vintage-style Strap Natural)を付けてます。それも肩パッドははずしてますね。

VOXもフェンダーもどちらも革製ですね。

 細いストラップは革製しか見たことないので、自ずと選んでいるというのもありますね。でも、革はギターと一緒で使い込んでいくと貫禄が出るところが好きです。長く使うと艶が出てカッコよくなるし、柔らかくなって身体に馴染んで使ってる感がしっかり出る。このストラップもたぶん10年近く使っているので、私のジャズマスターの雰囲気にも似合ってる感じがします。

取り回しの面で重視していることはありますか?

 ナイロン製など滑りやすい素材だと変なところに力が入っちゃうんですよ。私は滑らない素材のほうが手元が安定するので好きですね。あとはTシャツでライブすることが多いので、首元にずれてきたり、肌に当たってチクチクするタイプのものは選ばないです。……もしかするとそれを避けたいから、滑りづらい革製で、なおかつ肌に当たりづらい幅の狭いストラップを無意識に好んでいるのかも……!

こうして考えてみると無意識に大事にしているポイントが見えてきますね。改めて、ギタリストにとってストラップの大事さとは?

 ギターを手に入れてスタジオやライブで演奏するとなったら、エフェクターよりも先に必ず手に入れないといけないものですからね。弾きやすさを求めるのか、見た目にこだわるのか色々あると思うんですけど、ギターを弾くのにどちらも大切だと思うんです。見た目がカッコよかったら演奏する時の気分も上がるし、モノによって長さや滑り具合も違うから弾きやすさや抱えた時の安定感も変わる。自分にとってのベストにこだわってみると楽しいと思います。

AQUBEが試作中の極細ストラップを掛けた田渕ひさ子
AQUBEが試作中の極細タイプのストラップも付けてもらったところ“青色、かわいい!”と一目惚れ。“細いストラップでこの色は見たことないので、即決です”とのこと。

AQUBEに関するお問い合わせ
AQUBE MUSIC PRODUCTS TEL:03-5808-1868 https://aqube.jp/

田渕ひさ子 プロフィール

たぶち・ひさこ●福岡県出身。1995年にNUMBER GIRLに加入。2002年に解散し、2019~2022年に再結成。自身がボーカル&ギターを務めるバンドtoddleを始め、2003年にbloodthirsty butchers、2011年にLAMAへ加入するなど幅広く活動。2018年からはPEDROのギターも担当。

AQUBE MUSIC PRODUCTS(アクビ・ミュージック・プロダクツ)

AQUBEのストラップのサンプル

ブランド名のAQUBEはArtist/Quality/Beautyの頭文字から。

アーティストと一緒に商品を開発することを心がけ(Artist)、過酷なスケジュールや長時間のライブでも、サポートできるクオリティを追求(Quality)。また、厳選した素材、多彩なカラーとデザインで、ステージをスタイリッシュに演出する美しさ(Beauty)を表現している。

アイテムにはすべて、高級感溢れる上質な天然皮革を採用。今までの楽器用ストラップにはないデザイン性と機能性をあわせ持ったアイテムを取り揃える。

公式サイト:https://aqube.jp/