国産ブティック・ギター・ブランドのビルダーや仕掛け人たちに、音楽的なルーツやギター製作の哲学を聞いた『にっぽんのエレキ人 2026』では、各ブランドのオリジナル・ギター18本をDo As Infinityの大渡亮が徹底試奏! その試奏部分をWEBでもお届けしよう。今回はFour Spirals Basses & GuitarsのGrace [麗] Amboyna Burl Top。
取材/文=鈴木伸明 撮影=星野俊 デザイン=須藤廣高
Four Spirals Basses & Guitars/Grace [麗] Amboyna Burl Top

ベース由来の湾曲形状はギタリストにもフィット
2017年に茨城県日立市でスタートしたブランド、フォー・スパイラルズ。ビルダーの吉田智哉は、大手企業を退職して、40歳を超えてからギター作りを学んだという。木材の表情を生かした美しい曲線で作られたギター&ベースには、日本古来の塗装である拭き漆が施されていることが最大の特徴だ。
今回試奏したオリジナル・モデルのGrace[麗]は、ボディ・トップがカリン、バックはマホガニー、ネックはマホガニーとメイプルの9プライという仕様になっている。ボディは湾曲形状で、ワーウィックやスペクターなどに慣れ親しんだベーシスト出身のビルダーの好みが反映されている。ピックアップはセイモア・ダンカンのSH-1とSH-4を搭載。コントロールのプッシュ/プルにより、各ピックアップのタップとシリーズ/パラレルの切り替えが可能。エスカッション、ピックガード、コントロール・パネルまで木材で作り込まれた芸術的な仕上がりに注目だ。

Builder’s Voice

吉田 智哉 カリンのバール(瘤)による複雑な杢目が浮き出たトップ材を使用しています。ボディ・バックのマホガニーとの間にメイプル材を1枚挟んでいて、見た目のアクセントも作っています。もともとベーシストだったので、ワーウィックやスペクターのようにボディを湾曲させて、体にフィットするように考えました。実際に抱えてみると、レス・ポールなどに慣れているギタリストにとっても、違和感のないボディ・スタイルになっていると思います。
Owatari’s Impression
見た目どおりゴージャスなサウンド

大渡亮 ボディ・トップのカリンがとても美しい。ボディ全体にアーチがついていて体にフィットします。丁寧な面どりがされていて、しっくりきますね。ネックは厚みがあって丸いタイプで、僕は好きなタイプです。
生音はオーソドックスでバランスがいい。アンプを通した音は、ハムバッカー・サウンドの優等生というか、正統派の音。明るいトーンで、モダンな印象があります。なんと言っても大きな特徴は、拭き漆という塗装。ファットだけど明るいのはこの塗装の影響もあるような気がします。
4つのツマミで、各ピックアップのタップとシリーズ/パラレルが切り替えられて、かなり多彩な音作りができるようになっています。パラレルにするとゲインが下がってややハイが上がる感じがあって、使い勝手がいい気がしました。見た目どおりゴージャスなサウンドがするので、モダンなハムバッカー・サウンドを使いたい人におすすめしたいです。
